レイナと適正価格と最終日
適正価格に関して指摘が出てからというもの、毎日新メニューを出して適正価格をごまかすという作戦に出た私。
三日目はエクレア(夏祭り関係ないね)四日目はたい焼き(これも夏祭り関係ない)そして最後は……。
「かき氷、これだね」
「かき氷? ですか?」
私の言葉に疑問を浮かべるアイシェ。
「うん、夏祭りと言ったら、やっぱりこれかなと!」
「そうなのですね」
というわけで、今日も今日とてお店の準備から入る。
「まず氷を出します」
「氷を当たり前のように取り出せるのがもう神業ですね」
「それほどでもないよ。魔法でも出せるし」
「まあ、そうなのですが、そもそもそういう魔法が使えるのが……」
「まあま、いいからいいから、先進めちゃお」
「そ、そうですね」
ここで私の能力の話をし続けても仕方ない。さ、続き続き。
「で、これを専用の装置に入れてガリガリと削ります」
「結構力がいるんですね」
「そだねえ」
私は素材や機器の説明と取り出しを、実行はアイシェがしている。
「それで、下から出てきたふわふわの氷が、はい、かき氷です」
「これだけですか?」
「そうだね、これに甘いシロップとかをかけて食べるのがおすすめだね?」
「そうですか。甘い食べ物なのですね」
「うんうん」
というわけで、早速試食の為に甘いものを取り出す。
「これは?」
「はちみつをほんの少し薄めたものだよ」
「なるほど」
これをかき氷にかけて、はい完成。
私はスプーンをアイシェに渡す。
「試しにどうぞ」
「ありがとうございます。頂きます」
スプーンを受け取ったアイシェは、恐る恐るかき氷を口にする。
まあ削った氷なんて食べたことないだろうからねえ。
「ん、冷たくて、甘くて、美味しいです」
「それはよかったよ」
これならいけるね。多分だけど。
「それで、レイナさん、これをいくらで売るんですか?」
「ん-氷って貴重品なんだよね?」
「そうですね、かなり希少かと」
「じゃあエクレアより高くしちゃおう」
まあ、エクレアは日本円換算で150円で売ったら怒られたから。そのあと三倍の値段にしたんだけど、こちらは元から三倍で行こうと思う。
「そうですか。まあ氷ですからね」
「そだねえ」
まあ正直私的には貴重品という意識はないんだけど、この世界ではそうじゃないのだから、気を付けなければならない。
「さ、今日も始まるよー」
「そうですね」
「じゃああらかじめ……ファントム」
今回はあらかじめ分身しておく。うん、これで仕事も快適に進むってものだね。
「さ、やるぞー!」
「はい!」
と、いうわけで進む最終日。
その日の売り上げは……すごかった。
「――あんなに高いのにこんなに売れるなんて……」
「珍しいものに目がない人、美味しいものに興味のある人。そして何より敵の味を知っておきたい料理人が多く来ていましたね」
「そだねえ、最終日、キツかったー」
最終日ということもあり、これで最後だからと言わんばかりに大勢のお客さんに恵まれた。
おかげで大繁盛したものの、また審判風な男性に1.5倍に値段を上げてほしいといわれてしまい、結局上げた。
でもそれでも売れに売れて、結局氷は途中から魔法で出していたくらい、在庫がなくなるほど売れた。
なので、おそらく売り上げは本選出場に必要なくらいにはなっていると思うし、投票もまた、多く得られていると予測できる。
「これなら本選、出れそうですね」
「アイシェもそう思う?」
「はい。レイナさんの料理が大会で振るわれるのが楽しみです」
「あはは、頑張るよ」
これで最終日は終わり、明日は本選出場者が選出される日だ。
「さて、今日も疲れたし、寝ようか?」
「はい、おやすみなさい」
「おやすみー」
こうして私の激動の五日間は終わり……ついに、本選出場者が決まる6日目に進むのであった。
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