表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/136

レイナとハーレムとパーティ

「さてさて、冒険者登録は済ませたけど、どうしようかなあ」


 私としては早速この世界を冒険してみたいのだけれど、困ったことがある。

 それは文字が読めないとかいう異世界問題ではない。

 単純にめんどくさ……楽なクエストしかないことだ。


「薬草採取に、屋敷の清掃、迷子の猫探し……? 冒険者っていうより何でも屋じゃないかな」


 これ、冒険者やる意味、ある?


「はあ、なんかもっと冒険的なのないかなあ」


 こんなクエストでは私の冒険心は満たされない。

 もっと胸躍る熱いクエストを募集したいね。


「あの辺のドレイク討伐とかはなあランク足りないし」


 仕方ないのかな、地道にやるしかないのかな。

 そう思っていた時だった。


「あの、ちょっといいですか」

「ひゃい?」


 突然掛けられた声に、つい変な声が出た。

 悲しいコミュ障の性かな……。


「よければPTを組みませんか?」

「え?」


 どういうことだろう、なんで急に誘われてるのかな。

 誘って来たのは珍しい女性の冒険者で、後ろに仲間らしき人物が3人居る。


「さっきの見てました。ラッツ達をあっさりやっつけたのを」

「あぁ、ラッツって言うの?」


 さっきの名も無き腹筋の彼はラッツというそうだ。


「それで、そこまでの実力があるなら私達とPTを組んでランクを上げたらどうかなって……」

「ちなみに貴方達のランクはおいくつ?」

「Cです」

「おお」


 それならBランクの依頼も行けるね?


「じゃあ行こうか、Bランク!」

「え? いえ、流石にそこまでは……」


 誘った手前、断りづらそうにしているが、目でそれは流石にやり過ぎと訴えているのがわかる。

 まあいくら誘った相手でもいきなり信じて背中を任せることはできないか。

 そしてそんな人と高ランククエストに挑むのはちょっとリスキーだと。

 うん、大体彼女の考えは想像できたよ?


「わかった。Cランクの依頼を一緒にやらせてもらえますか?」

「はい! お願いします!」


 こうして私はCランクの依頼。ウルフ20匹の討伐を受けることになった。


「それで、いつ行きますか?」

「出来れば今から行きたいです。えっと――」

「レイナです」

「レイナさんの準備は出来てますか?」

「大丈夫ですよ」


 そうは言ったものの、私の周りには装備らしい装備はほぼない。

 杖さえも今は装備してない、装備しているのは防具くらいだ。


「そう、ですか。それなら行きましょうか」

「はい」


 そんなわけで私達は一緒に街を出る。

 その途中、私達はお互いについて話していた。


「私はシーラ、一応このチームのサブリーダーね」

「じゃあリーダーは?」

「ロイドだ、よろしく」

「ロイドさん、はい、よろしく」


 ロイドと名乗ったのは赤髪の青年だ。

 この中で唯一の男ということもあってか、なんていうの、男前?


「それで私がプリコ! よろしくー!」

「うん、よろしくプリコ」


 こっちは何だか気さくな女の子で、ケモ耳少女だった。もふいなぁ。いいなぁ。


「で、最後になったが、ライズだよろしく頼む」

「ライズさん、よろしくお願いします」


 こちらはこちらで如何にも女戦士って感じの女性だ。

 肌面積の広いアーマーに割れた腹筋。うーん、凄い。


「それでアナタの話も聞いていいかしら」

「あ、はい。私はレイナ。ちょっと訳あって旅してるハ……エルフです」


 あっぶない、うっかり素でハイエルフって言いそうになった。

 もしこの世界でハイエルフが王族な設定だったらめちゃめちゃ面倒なことになる。


「旅をね……それで冒険者は路銀稼ぎってところかしら」

「まあそんな感じかなあ」


 本当はお金には困ってないけど、良い理由も思いつかないのでそういうことにしておく。


「大変だねー1人旅なんてー」

「まあね。でもこうしてロイド達に会えたみたいに、助けてくれる人がいるから大丈夫かな」


 そんな私の言葉にロイド達は顔を見合わせて困ったような顔をしている。


「どしたの?」

「いや、助けてもらうのは実力的に俺達の方だと思ってな」

「そんなことないよ。薬草採取とか掃除なんてしたくなかったもの」

「そうか。まあ下積みって言うのも大事だが、レイナ程の実力者ならそう感じるだろうな」


 そう言ってロイドは笑う。

 うーん、爽やかなイケメンだなあ。これを女性三人のパーティに入れるとハーレムにしか見えないね。

 あ、今は私も入れて女性4人なのか。


「さて、そろそろ森に着くぞ」

「ウルフが出る森?」

「ああ。今回は数が多い群れが居るみたいでな。本来ならランクは一つ下になるウルフ討伐だが、Cランクのクエストになったって訳だ」

「へぇ」


 そんな経緯があったんだね。

 さてさて、この世界に来て初めての冒険者活動、どうなるのかな??


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ