レイナと船酔いと海鮮?
「うっきもちわるい」
船酔いしてそれを魔法で治しさて自室に入るかと思ったら、また気持ち悪くなった。
「なんか揺れが激しいような……襲ってきている魔物のせいかなあ」
そうだとしたら自室に戻るのは判断ミスだ。さっさと倒してしまう方がいいかもしれない。
「……まあ、いっか」
多分アイシェが何とかするよね。そう思い、私は部屋の戸を開ける。
「はー、きっつい」
そういいながら、私は魔法で症状を和らげる。
「ふぅ……う?」
なんか、生臭い。おかしいね、吐いたりしてないのに。
「って、魚?」
この感じ、海関連の香りな気がする。
そう思い、窓を見ると……。
「うわあーすご」
どうやら今船を襲っているらしい魔物。その一部が窓から見える。
白く、とても大きい。クラーケンかな。
「まあ、アイシェが何とかするよね」
私としてはこの揺れと磯臭さがなくなってくれればいいなと思いつつ。うん、だからと言って手は出さないんだけど。
「さーて、何して過ごそうかな」
部屋に戻ったはいいが、うん、何しよう。
「そういえば帝国の港町では料理大会があるんだよね……」
こんなでも私は女子力は高い方だ。まあゲームの話の段階でこれを女子力というかは人によると思うけど。
とはいえ、うん、高い方なので、料理とかも嗜む。
なので大会に参加できないものか、ちょっと気になっている。
「何かいい料理でも考えとこうかな?」
うん、これはいいかもしれない。
そう思い、早速メモ帳を取り出す。
「うーん、大会ってくらいだし、何試合かするのかなあ」
だとしたら複数の料理を用意しておく必要があるだろう。
「海の町だし、魚介系は美味しく食べてもらえそうだけど」
でも逆に言えば面白みと新鮮味はない。いや、ネタは新鮮だけど。
「となると、山の幸なんか喜ばれそう?」
だとしたら山菜丼とか、ステーキとか……。
「ドラゴンとか出したらびっくりするかな」
楽しく美味しく食べてもらえたら、それはとてもいいことだと思う。
などと、色々考えているうちに、初めての船旅と船酔いによる体力消耗のせいか、眠気が来る。
「うーん、一旦寝ておこうかなあ」
旅はまだまだ長い。ここでゆっくりするのは決して悪いことではない。
そう思い、ベッドに潜り込む。
「おやすみー」
誰がいるわけでもない部屋で一人、おやすみの挨拶をして、私は眠りについたのであった。
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