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レイナと海と料理大会

「海かあ」

「海ですねえ」


 私とアイシェは東の帝国だかにある魔導都市レイナールを目指して旅をしている。

 そしてその道中。海を渡る必要があるらしく、貿易都市レーカンに寄った。

 ここなら船が出ているらしい。というのはアイシェの情報だ。


「アイシェって物知りだよねえ」

「国の図書館で勉強しただけの知識ですが……役に立ってよかったです」


 イヤほんと、持つべきものは可愛い弟子だね。


「さて、ところでアイシェ」

「なんでしょう」

「もう早速嫌な予感がするのは私だけ?」


 そういって周りを見渡す。見渡すほどじゃないけど、見渡す。

 すると、あるわあるわ木造の船。でっかい船にちいさい船。色々あるね。

 でもね、数が少ないのよね。


「そうですね、人の数があまりにも少ないです。本では賑わっている町だと記載されていたのですが」

「そう、だよねぇ」


 こういう町はゲームとかでも賑わっていたイメージがある。物の流通が多いところは、必然そうなる。


「なんでだろうね?」

「うーん、ギルドか酒場で情報を集めてみますか?」

「そだねえ」


 うーん、嫌な予感しかしないね!


 私は道行く人に声をかけ、ギルドと酒場などの情報を聞き出すと、それを頼りにまずはギルドに向かう。


「親切な人で良かったー」

「そうですね、町の人の少なさのわりに、深刻な印象はなかったですが」

「それは不思議だよね」


 一体どうなってるんだろうね。


「おじゃましまーす」


 私は元気よくギルドの扉を開ける。

 すると中にはほんの数人の冒険者らしき風貌の人たちと、カウンターにお姉さんが一人。

 閑古鳥が鳴いてそうだね。



「お姉さん、この町っていつもこんなに人が少ないの?」

「はい?」

「レイナさん、いきなり過ぎます」

「おっとっと」


 いけないいけない、つい急ぎ過ぎたね。


「こんにちはお姉さん」

「はい、こんにちは」

「それで、この町っていつもこんなに人が少ないの?」

「もしかして旅の冒険者さんですか?」

「そうですね」

「じゃあ知らなくても無理はないか……」


 そういってお姉さんは笑う。可愛い!


「この町と海を越えた先、帝国の港町では年に一度、料理大会が開かれているのです」

「ほほう?」


 料理大会。楽しそうだね?


「それで、毎年順番に開催地を変えているのですが、今年は帝国側の町、レコンで開催されるので、人がそっちに集まっているんですよ」

「なるほど」


 それでさっきの道端のいいひとも人がこんなに少ないのに深刻な様子がなかったんだね。


「うーん、そうだ。帝国に行く船ってある?」

「ありますよ。こちらでも手配できますので、しますか?」

「お、話が早い!」


 できるお姉さんだね。ありがたい!


「それではギルドカードの提示をお願いします。ギルドが仲介するので、手数料をいただきますね」

「おおぅ」


 ホントにできるお姉さんだね……強かだよ。

 私とアイシェはギルドカードを提示、その後私が手数料を払い、明日には船が用意できるとのことで、宿を求めて町に繰り出す。


「宿の場所も聞けばよかったかな?」

「こういうのも楽しみの一つでいいんじゃないでしょうか」

「うーん、そだね」


 確かに、新しい街を散策するのってわくわくするかも。

 まあ、人気がなくて寂しいのはちょっとあるけど……。

 こうして私たちは新しい街で、新しいイベントの予感にわくわくしながら、宿を探すのであった。


ご読了ありがとうございます!


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次回更新は不定期ですが、書け次第更新とさせていただきます。

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