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レイナと住吉と魔王

「それで、住吉はどんな魔王に召喚されたの?」

「魔王様の話か……」


 私達は詰所に入ると、早速住吉のところに案内してもらい、話を聞いた。


「俺を呼び出した魔王様は薬災を司るパキリノ様だ」

「名前ださ」


 なにそのパキリノサウルスみたいな名前。


「お前の考えていることが手に取るようにわかる。そう、パキリノはパキる魔王様だ」

「パキる?」


 なにそれ、何々るってことは、何かする魔王なの?


「会話がかみ合っていないようですね。レイナさんは多分別のこと考えてましたよ」

「何?! そう、だったのか。まさかパキるを知らない?」

「知らない」

「そ、そうか。パキるというのはだな……」


 そこからは人にはあまり言えないことだからと、耳打ちで教えてくれる住吉。

 なるほど、そういうことね。


「で、そのパキリノはどこにいるのかな」

「今は魔王城で魔王会議中のはずだ」

「魔王会議」


 イメージ的には魔王同士の会議ってところかな。


「なんでも、話の内容は勇者以上に危険な流星の魔女の話らしい」

「ぶはっ」


 それ、私のことじゃん!


「名前は確か……レイナ……ん?」

「そこまで来て、私をじっと見るってことは」

「お前が流星の魔女か!」

「うん……」


 まあ、そうなるよね。


「なんだろ、デジャブを感じる」

「いろんな人に流星の魔女って呼ばれてますからね」

「そ、そうだね」


 それだけかな、なんか夢の中でも同じようなやり取りをした気がしてるだけかな。


「で、魔王城はどこにあるのかな」

「知らん」

「そかあ」


 知らないかあ、じゃあ仕方ないね。


「ほかに知ってる魔王っている?」

「いないな。ただ魔王が何人いるかなら、知っているぞ」

「おぉ」


 なんて協力的なんだろうね、住吉。

 観念したってことかな。


「噂では流星の魔女に倒された病魔王を除けば、後……」

「後?」


 そこまで来て、住吉の顔色が変わる。

 いや、本当に。真っ青だ。


「どうしたの」

「ま、まおう……数……」

「住吉?!」


 住吉の顔がどんどん青ざめていく。

 これは、どういうこと?


「よくわからないけど、キュア」

「ぶはあ!」


 私がキュアを掛けると一気に息を吹き返し、顔色の良くなる住吉。

 何かの状態異常だったようだ。


「まさか……魔王様の情報を話すと発生する毒か?」

「あぁ、なんかありがちだね」


 なるほど、あるかもね。まあもう、名前とかは知っちゃったんだけど。


「すまないが、魔王の数は自分で確認してくれ」

「うん、わかった」


 また同じことになっても可愛そうだしね。


「それで、これからどうするんですか?」

「ん? エルフの国を探す続きかな」

「そうですか」


 まあ、もともとそれが目的で、魔王とか、住吉は旅のついでだしね。


「さーて、行きますか」

「また事件が起こらないといいですね」

「そだねえ」


 ホントに、そうだねえ。

 こうして私たちは魔王の情報をほとんど得られず。それでもパキリノとかいうヤバい魔王がいることは知れたわけで。

 私とアイシェはまた、エルフの国探しの為の旅に出ることにしたのであった。


ご読了ありがとうございます!


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次回更新は不定期ですが、書け次第更新とさせていただきます。

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