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レイナと新しい力と住吉

「朝だ! 今日も元気でありがたい!」


 まだ静謐な空気の漂う早朝。

 神様と会う夢を経て、私は今日も元気なこの身の幸福を噛み締める。神だけに。


「うん、今のなし。さて、それで、謎のチート能力100個の件だけど……」


 どうやって確認したらいいんだろう。一個一個スキルや魔法を試して、何か違うところとかを探せばいいのかな。


「まあとりあえず、キュアはバッドステータス以外も私に都合が悪ければ回復できる優れものになったので、これであと謎の力は99個だね」


 とはいえあと99もある謎能力。どうやって解き明かしていこうか……。


「レイナさん、朝早くから独り言ですか」

「おぉ?! アイシェ、朝早いねえ」


 私が一人で色々呟きながら考えを整理していると、我が妹分たるアイシェが目を覚まし、私の煩い独り言について言及してきた。


「私が朝が早いというより、レイナさんが早すぎて引っ張られた感じですが」

「う……ごめん」


 煩かったってことだね。ごめんなさい。


「それで、何の独り言ですか?」

「あー」


 これってアイシェに説明すべきかな? それとも……うーん。


「私さ、どうやら自分でも知らない力があと99個もあるみたいなんだよね」

「……はあ」


 うん、完全に何言ってんだろうって顔と声だね。気持ちはわかるよ。


「神様からのお告げでね、そういう眠っている力みたいなのがある、的な」

「レイナさん、ただでさえ底知れない強さがあるのに、まださらに自分ですら知らない力があるんですか?」

「う、うん、そうみたい」


 底知れない……かあ。前ならそんなことないよって言いたかったところだけど、今は自分ですら自分の底が知れない。

 こんな状態で下手なことしたら、どんな惨事になるかもわからない。


「魔法とスキルはしばらく使わないようにしようかな……」


 この世界のレベルなら、よほどの敵でもなければ素手で勝てる。

 そうでなくても限界を超えたレベル100プレイヤー専用の装備とかを使えばまあ魔法とスキルは要らないだろうと思う。

 魔王とか出てきたら、別だけど。


「そういえば、魔王といえば住吉」


 魔王に召喚されたという住吉。どんな魔王と関係があるんだろうね?


「住吉……先日の?」

「そ、この町をゴーストタウンにした住吉」


 今はもうみんな町に戻って、今までのことは全部夢だったってことで無理やり片付けたんだけど。

 なぜか私たちが謎の奇病から助けたことになってしまい、今、この宿もタダで借りている。


「魔王の手先なんですか?」

「そう、魔王に召喚された異世界人」

「異世界??」


 あぁ、そうか。アイシェには異世界っていう概念すらないのかも。


「うーん、違う世界、異世界から来た人のことかな」

「違う世界……魔界とか天界ですか?」

「うーん、それとはまたちょっと違うんだよねえ」

「??」


 アイシェは首をひねるとわかりませんというポーズをとる。

 うん、まあわからないよね。


「ま、そこはいいとして、とにかく住吉がどんな魔王と繋がりがあるのか、聞きださないとね」

「……そうですね、異世界については今度調べてみます」

「う、うん」


 調べてもわからないと思うけど、ま、いっか。


「それじゃ、住吉のところに行こうか」

「はい」


 住吉は今、今回の奇病をバラまいた張本人として監禁されている。

 でもまあ、今回の事件を解決した私たちなら、町の人も会わせてくれるだろう。

 と、言うわけで、宿を出て、住吉のもとに向かう。

 道中、町の人からやたら話しかけられたり、何かお礼の品をもらったりしたけど、とりあえずそのあたりは割愛させてね。


「で、着きましたよっと」

「大変でしたね……」


 町の人たちに絡まれまくったのがしんどかったのか、アイシェが疲れた様子で呟く。


「そだねえ、人気者って大変でしょ」

「そうですね……レイナさんの気持ち、少しだけですがわかりました」


 そうそう、流星の魔女とか言われて英雄扱いされて、ホント大変なんだから。


「さーて、それじゃあ住吉に質問タイムと行きますか」


 私はそういって、住吉の監禁されている詰所に入る。

 さて、夢の中ではできなかった話、住吉とできるかな?


ご読了ありがとうございます!


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次回更新は不定期ですが、書け次第更新とさせていただきます。

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