レイナと住吉と異常
「で、住吉、この繰り返してる毎日に関係あったりする?」
「…………」
「ダメかあ」
住吉のところに来てから小一時間程、いろいろな質問をしてみたが、全く手ごたえがない。
「どうしようかな」
この前の経験からチャームは効かないのがわかってるし……うん。
「ウォーターボール」
とりあえず寝てるかもしれないので目覚ましに一発かましてみることにした。
「って痛っ?!」
するとどうしたことでしょう、私はまた頭痛に悩まされることになってしまった。
「いたた……何これ……」
どういうことこれ。
「住吉に干渉すると頭痛がする……? のかな?」
でも、なんで?
「この世界のキーはやっぱり住吉?」
どうなんだろう、確証はない。
「にしても頭痛い……あ、そうだ」
これも一種の状態異常なら……。
「キュア」
私は状態異常を治す呪文を唱えた。
すると。
「はっ?! え?!」
謎。私は見覚えのある、町の外。とある町の郊外。例の大麻栽培していた地下にいた。
「なんだと?!」
「え?」
そしてよく見ると、隣には眠っているアイシェ、そして……。
「住吉じゃん」
「な、なぜ」
私から約5メートルは離れたとこりに、住吉が驚いた様子で突っ立っていた。
「これ、どういう状況?」
「ど、どういうことだ」
おっと、お互いに状況がつかめてない感じなのかな。
「俺のマジックトリップドリームは完璧なチート能力のはず……」
「マジックトリップ?」
なにそれ、マジックってくらいだから魔法なのかな。聞いたことない魔法だ。
「ま、まさかお前もチート能力持ちなのか!」
「え、まあ」
持ってるといえば、持ってるけど。
「くそ! 聞いてないぞ! くらえ! マジックトリップドリーム!」
「うん?」
「何?! マジック――」
「ファイアボール」
「ぐぎゃああああああ!!」
なんか私に魔法掛けようとしていたみたいで、何回かレジストした感覚があった。
なので、うん、攻撃しといた。
「な、ぜだ……」
「よくわからないけど、レベル差あるとレジストされるものだよ?」
どうやら私は彼の、マジックトリップなる魔法をくらっていたようだ。
状態異常完全無効装備をも貫通するチート魔法かあ。
「名前からするに、大麻とかけて、相手をトリップさせる魔法?」
「そ、そうだ……相手を強制的にトリップさせて……夢を見せる……」
「へぇ、便利ね」
でもなんで状態異常耐性が発動しなかったんだろう。
「俺の……この魔法は……幸せの力だ……」
「ふうん」
だから何だっていうんだろう。
私は少なくとも幸せな夢なんて見なかったしなあ。
「あ、もしかしてプラスステータスの扱いなのかな」
だとしたらバッドステータス無効のこの装備じゃダメだった理由も説明がついてしまう。
「そ、そうだ……だというのに……なぜ」
「うーん?」
もしかして頭痛がしたタイミングで使ったからかな?
「まいいや、あ、そうだ、アイシェにキュアっと」
「う、うん?」
「なんだと?!」
私のキュアでアイシェも起きた。
「貴様のその魔法! チート強化されているな?!」
「え、そうなの?」
そんな気は全然してなかったけど、そうなのかな?
「まあとりあえずさ、もうそれ効かないし、使わせる気もないから、降参しない?」
「くっ……殺せ!」
「おっけ」
「え? えぇ?!」
いやだって、殺せって言ったし。
「いや待て、ここは普通ためらう場面だろ!」
「そうだけど、なんかきもいし」
「なんかきもいし?!」
だってなんか、女騎士風なこと言ったし。
「男らしく死んでみたら?」
「いやいやいや!」
どうやら死ぬ気はなかったようだ。
「まあいいや。じゃあ素直にお縄につく?」
「は、はい」
「うん、よろしい」
と、こうして。
私と謎の夢、マジックトリップドリームの日々は終わり。
ようやく黒幕を捕まえることができたとさ。
さて、、この後彼をどうしようね。
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