レイナと既視感と町
「さて。今日も元気だありがたいっと!」
謎の既視感を感じた翌日……っていうか、あれ?
「既視感のこと、覚えてるんだ?」
なぜか昨日の既視感について覚えている。
こういう展開って大体前の世界のことは覚えてないものだと思ったんだけど。
っていうか実際に既視感はあっても何度も繰り返している自覚はなかった。
でも今回は、覚えている。
「何かちょっとでも前進したってことかな?」
「何か前進したんですか」
「あ、アイシェ」
私が一人つぶやいていると、アイシェに声をかけられた。
「アイシェは昨日の既視感について覚えてる?」
「昨日の既視感ってなんですか?」
「あー」
これは私だけっぽいね、うん、どうしよう。
「説明すると長くなるからいいや、とりあえず、私今日は別行動するね?」
「え、はい、いいですけど」
というわけで、私は今日はアイシェと、そして今までとは別の行動をしてみることにした。
「さて、何から手を付けたものか」
こういう時、漫画やゲーム、ラノベのキャラ達はどうやって切り抜けていただろう。
うーん?
「とりあえず、町に出てみようかな」
私は一人ごちると、町に繰り出した。
「さーて、どうしよっかな」
正直怪しいのは住吉なんだけど、かといっていきなり行っても解決になるだろうか。
とりあえずほかのことをしてみるとか、気になったところを片っ端から調べてみよう。
「と思ったんだけど、何も気にならないね?」
正直、今のところ情報がなさ過ぎて何かを気にするとっかかりすらない。
さて、ホントにどうしよう。
「場所を……変える?」
そういえば、多分だけどこの繰り返す毎日の中で町を出たことは一度もない。
というわけで、私は町から出てみることにした。
「あいてっ!?」
そして失敗しましたとさ。
「なんで??」
何かバリアのようなものがあって通ることができなかった。
「こんこん」
叩いてみる。硬い、反応なし。うーん?
「どうしよ」
とりあえず私は門を離れて、観察する。
「あれ、全然出入りがない」
不思議だね、たまたまこの時間に出入りがないだけなのか、それとも何か人払い的な結界なのか……。
「よし、空から出られないか試してみよう」
私は魔法で空を歩けるようにして、裏路地で誰にも見られていないのを確認してから空に駆け上がった。
「いだっ?!」
そして頭をぶつけた。
「なんで空にも結界が……。でもなるほど、空にも高度限界があるんだね……これじゃあ上から出る手もなさそうだね」
なんでか知らないけど、私はこの町から出られないようだ。
「うーん、謎」
でもとりあえず、異常事態だということは分かった。
「さて、どうしようかな」
場所を変えるっていう手はなくなったわけで、さて、どうしよう。
「やっぱり住吉なのかなあ」
彼と会うと頭痛がする。こういうのはお約束だと何かの予兆だったりする。
「会いに行くかあ」
というわけで、私は住吉に会いに行くことにした。
さてさて、今回はどういうアプローチを掛けようかな?
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