レイナと聴取と探索
「大麻王の居場所は知ってる?」
「いや、知らないなあ」
馬車に追いついた私達は、山道の途中で足を止め。積み荷のごとく詰まれていた山賊達の一人から情報を引きだそうと試みていた。
しかしやはりと言うべきか、この山賊達は知らないらしい。
どうしようかな。
「じゃあ大麻王の居場所を知っている人は?」
「心当たりはあるなあ」
「ほほう」
これはヒットしたようだ。うん、一歩前進だね。
「マリファナって奴が組織に居てな。そいつなら大麻王の場所を知ってるかもな」
「え? ああ、うん?」
マリファナって、それ大麻王本人じゃ……。
いや、気にしないでおこう。とりあえず今は居場所を知れればそれでいい。
「マリファナの居場所だが、彼の名を冠した街の外れにある砦跡に居るらしいぜ」
「らしい?」
「俺も正確な場所までは知らないからな」
「そっか」
なるほど、それならこの山賊さんから訊ける情報はここまでかな。
「さて、アイシェ、マリファナって街は知ってる?」
「いえ、知らないです」
「うーん、御者さんなら知ってるかな。おーい、御者さーん」
私は御者さんを呼びながら彼の方に向かうと、話を聞くことにした。
「マリファナって名前の街知ってる?」
「うん? ああ、それなら先日嬢ちゃん達を下した街だな」
「あそこかあ」
やはりあの人気のない街に何かあるようだ。
「ありがと、ちょっと行ってみる」
「あぁ、気を付けろよ」
「はーい」
そんなわけで、早速マリファナに出発だね。
「さてアイシェ、昨日の街にまで戻るよ」
「あの街に何かあるんですか?」
「うん、あの街の外れに砦跡があって、そこに大麻王の場所を知る人物がいるみたい」
「なるほど……そこで大麻王を見つけて倒すんですね」
「いやいや。倒すかどうかはまた別の問題だよ」
まあでも、流れ的に私がやることになる気はしているけど。
「さて、いこっか」
とは言えここは狭いのでシロちゃんを呼び出して帰る訳にも行かない。
ちょっと広い道になるまでユニちゃんで移動することにした。
暫くユニちゃんで移動すると、広めな山道に出たので、そこでシロちゃんに乗り換えてマリファナまで移動する。
「空から砦跡見えたりしないかな?」
『砦跡か? それならあそこに、見えるな』
「ホント? じゃあそこに降りてもらおうかな」
『了解した』
「流石シロさんですね」
「シロちゃんは優秀だよー」
さて、これで地面から歩き回って砦跡を探す手間も省けたね。
砦跡に着いた私達は、シロちゃんを送還すると、早速、探索を開始した。
「さーて、マリファナさんは何処かなっと」
マップでサーチを掛けてみるけど、それらしき人物はいない。
まあマリファナが本名ってことはないよね、知ってた。
「とりあえず砦の中を探索してみますか?」
「そだね。流石に外に何かあるってことはないでしょ」
そんな不用心な事は無いハズだ。
「さてさて、おじゃましまーす」
「うわ、埃っぽいですね」
「うん。そうだねえ」
砦の中は埃っぽく、長い間人の手が入ってない感じだった。
「でもそんな中に誇りを被ってない床があるわけですよ」
「本当ですね、なんでしょう」
「隠し通路……この場合隠れてないけど。かなあ」
私は埃をかぶってない床に向かうと、そこで軽く床を叩いてみた。
「……うん、先に空洞がありそうな音だね」
「流石です、レイナさん」
「いやいや、これは誰でもわかるでしょう」
こんなバレバレで良いのかなあ。ちゃんと掃除してればここまで分かりやすくはならなかっただろうに。
まあ掃除してたらしてたで人が入った痕跡になっちゃうんだけどさ。
「入りますか?」
「うん、入ろうか」
どうやって開けるのかまではさっぱりわからないけどね!
「どうやって開ける?」
「斬りましょうか?」
「おおぅ」
力業だね。
「やってみる?」
「はい」
私はアイシェの為に場所を開けると、アイシェが即座に床を斬りつけた。
「お、開いた」
「これで入れますね」
開いたというかなんというかだけど、まあ、開いた。
「さてさて、この先はどうなっているのかなあ」
「ちょっと冒険みたいになってきましたね」
「そだね、アイシェも楽しそうで何よりだよ」
どうせなら何をするにも楽しい方がいいよね。
そんなこんなで、ようやく見つけたマリファナ……大麻王への手がかり。
この先どうなっているのかな??
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