レイナと病魔と決着
「アイシェ、そっちも終わったみたいだね」
「はい、レイナさん」
アイシェは涼しい顔をしてそう答えた。人くらいのサイズのあるネズミの相手は気持ち悪かったのでアイシェに任せられてよかった。
まあ、ネズミ頭の筋肉モリモリマッチョマンもそれはそれで気持ち悪かったけど。
「レイナさんはもう魔王を倒したんですか?」
「一応ね。でもあれ魔王なのかなあ」
病魔王って魔王でいいのかな。もっとシンプルに魔王とかじゃなくて?
「レイナさんには弱すぎて区別が付かないですか?」
「いやいや、結構強かったよ」
レベルの割に大分強かった。そういう意味では魔王種なのかもね。
「私なんてこのブローチが無かったら死んでいたと思いますし」
「え、そう?」
そう言えばなんか戦闘中常にレジストしている感覚があったような気がするけど。
「この森、どうやら全体が病魔に侵されている様です」
「マジかあ」
それは困ったね、今後この森には誰も入らない様に注意喚起するか、それとも……。
「そういえばネズミの死体燃やさないとマズいかな」
「病気の事ですか?」
「そうそう。病原菌を燃やし尽くしておこうかと思って」
そう言いながら私はファイヤーボールでネズミを焼いておく。
「これでいいでしょう」
「魔王も同じ処理を?」
「あ」
あっちは森の鎮火はしたけど他は何もしていない。マズいね?
「ちょっと見て来るよ」
「私も行っていいですか?」
「そだね、一緒に行動しようか」
何かあるとは思えないけど、何かあった時に私の手の届く範囲じゃないと守ってあげられないからね。
「ところでレイナさん、この森、滅茶苦茶寒いんですけど、さっき吹雪もあったし」
「あぁ、そういう魔法を使ったからね」
「そうですか、おかげでこちらはネズミの動きが鈍って楽でしたけど、凄く寒かったです」
「あ、うん」
何かアイシェ、ちょっと怒ってる?
「あぁいう広範囲に効果のある大魔法を使うときは、事前に言って欲しいです」
「は、はい」
うん、怒ってるね。まあ、巻き込まれたわけだし、怒りもするか。
「ごめんね、次からはちゃんと言ってから使う」
「そうですね、できれば使わないで済むほうがいいですけど」
そんな話をしていると、遂に病魔王の死体の所に着いた。
「あれ、死体動いてない」
「うごめいてますね」
そう、アイシェの言う通り、死体のハズの体部分がうごめいていた。
「生存力すごいなあ。ファイアーボール」
「言いながらも気にせず魔法を放つんですね……」
いやあ、だって気持ち悪いし、このままだと明らかにバッチいし。
暫く炎で焼ける死体を見ていたが、どうやら火力が足りないらしい、まだ動いている。
「レイナさん、魔核を潰さないと駄目かも知れません」
「まかく?」
なんだろうそれは、聞き覚えがあるような、無いような。
「魔物や魔族の心臓みたいな物ですね」
「なるほど」
それを潰さないと死なないわけだ。ふむふむ。
「ソードビット、切り刻んじゃって」
ソードビットに任せてネズミ頭の体部分を切り裂く。
すると……。
「魔核ってこれ?」
「ですね、破壊しましょう」
「ソードビット」
丁度胸の中心辺りを斬ったソードビットのおかげで魔核がチラっと見えた。
なのでそこにソードビットの攻撃を集中した。
「ふう、これで終わったかな」
「そうですね。後は森の異変を何とかしないとですが」
「あー」
その辺どうなんだろう、首謀者を倒したから解決って訳には行かないのかな。
「それにしてもこの一帯、木が焼けてる上に病気に毒されている気配がないですね」
「あー。一回大火力で燃やしたから」
「レイナさん、森で火を使ったんですか……」
「あはははは」
あの時は一刻を争う事態だと思ったのだ。仕方ないよね。うん。
「ですが燃やせば菌は消えていくみたいですね」
「まさか森全体燃やすの?」
「場合によってはそうなるんじゃないでしょうか」
まあ事が事だからね……相手はペスト菌だし。
「まあその辺は街に戻ってから相談しよう。勝手に燃やすのもね」
「そうですね、一旦街に戻りましょう」
そう言って私達は森を出て街に向かった。
あ、森を出た後は一応消毒を兼ねてキュアを使っておいたよ。
さて、あの森どうしようかな……?
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