レイナと朝食と歓迎
「流星の魔女バンザーイ!!」
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「どうしてこうなった?」
理解不能な歓迎ムードの中。私は独り言のようにつぶやく。
横にはあまりの歓声に委縮するレナとレイ。そしてゲラゲラ笑っているアシエさん。
いや、ホント、どうしてこうなった?
「一時間前に戻りたい……」
いまだ時空を超えるスキル獲得には至っていない私は、呟きながら、一時間前の自分達を思い起こす――。
――一時間前。
「今日も元気だ! いい感じ!!」
ホレンソの宿で目を覚ました私。灰かぶりな国だが、空気が意外と悪くなく……まあまあだった。
もちろん良くはないが、悪くもない、何と言うか、普通なのだ。
「おはようレイナ。朝から元気ね」
「朝だから元気なんですよ?」
「……そういうものかしら」
アシエさんは低血圧なのかな、朝弱いタイプ?
「レナとレイも朝弱いのかな」
「あと五分とか言い出しそうよね」
「そんなことない」
「あと一時間……」
「おおぅ」
アシエさんの言葉に、レイが否定し、レナが超えてきた。
「レナ、それはないわよ」
「うぅん」
アシエさんがレナを起こしにかかる。まあ一時間も寝られちゃうとね。
「さて、今日の朝ごはんは何かなー」
私はレナのことはアシエさんに任せ、レイの手を引き宿の一階、食堂に降りる。
「……なんか外騒がしくない?」
「はい、煩いです」
「う、うん」
レイはこの物音というか、人のざわめきのような音を煩いと思ったようだ。
「昨日はこんな感じじゃあなかった気もするし、ちょっと宿の人に聞いてみよっか」
「はい、レイナさん」
そんなわけで、私達は席に着き、注文をしつつ、そのタイミングでこの賑やかさについて、聞くことにした。
「……この、朝食セットを二つ、お願いします」
「はい、他にご注文はございますか?」
「えっと、注文じゃないんですけど、質問、いいですか?」
「はい、どうぞ」
「なんか騒々しくないですか?」
「あぁ……今日はその、良いことがあった記念のお祭りがあるのです」
「ほほう」
なんだろうね、良いこと……建国記念日とかかな?
隣国と冷戦中でも、いや、だからこそかな? そういうお祭りは必要なのかもしれない。
「いいタイミングに来たのかも」
「そうですね、レイナさん」
レイと一緒にご飯を待ちながら、お喋りする。
十五分後、レナとアシエさんも降りてきた。
「おはよ、れいなさん」
「おはよー」
レナと挨拶を交わす。まだ眠そうだ。
「ずいぶん騒がしいわね?」
「なんか、お祭りらしいですよ?」
「お祭り……あぁ、そういう」
アシエさんはお祭りと聞いて納得したようだ。なんか妙な間はあったけど。
「何にします?」
「朝食セットかしらね、レナは?」
「おなじのがいい」
「そ。じゃ、そうしましょ」
レナはなんだかアシエさんに懐いているなぁと感じる。
もちろん、レナが私の弟子として、私を慕ってくれているのは知っているけど、それでもアシエさんのこと好きなんだなぁって。
神様オーラが人を惹きつけるのだろうか……?
そんなことを考えながらも、ご飯を進め、おしゃべりし、全員の食事が終わったところで、今後の話をする。
「この後どうしますか?」
「王城に出向いて、喫緊の問題を解決すべきね」
「喫緊の問題」
それはなんだろう、そういうのがある前提なのが気になった。
「どちらにしても王城にはいくべきか……行きましょう」
エルフの国の王族としてきている以上、無下にはされないと思いたいね。
「それじゃ、行きましょうか」
「そうね……ふふっ」
「?」
なんか今アシエさんが笑った気がしたけど、なんだろうね?
そう思いながらも、宿を出る……すると。
「流星の魔女様! バンザーイ!!!!」
「うん?!」
宿の外に大きな行列ができ、そこから歓声があがる。
こうして、私達は、緑ノ国、ホレンソに出迎えられたのであった。
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