レイナと旅と家族会議
「そうですか……それでいつ出発なさるんですか?」
「早ければ明日かな?」
神様同伴の旅が決まった後、話をアイシェにもしておくことにした。
でも、アイシェの表情はあまりよろしくない、反対されちゃうかな。
「レイナさんとアシエさんが一緒ですから、安全だとは思うのですが、それでも心配です」
「まあ、可愛い娘ちゃん達が心配だよねぇ」
「えぇ、レイナさんは女の子が好きなので」
「そっち?」
ここでその冗談をツッコんでくるとは、やるねぇ。
「まあ、冗談はさておき、レナ、レイ。貴女達、ちゃんとレイナさんの言うこと聞ける?」
「きく!」
「従う」
アイシェの言葉にお返事する娘ちゃん達。相変わらずレイは言い方硬いなぁ。
「そう。それじゃあ家族会議をしましょう。お題は『世界の裏側までの旅』について」
「ん?」
世界の裏側ってなに?
「どうかしましたか? レイナさん」
「ん、世界の裏側って何?」
私は疑問に思ったことを率直に聞いてみた。
「相変わらずですねレイナさん。ガザンという国は、この国から遥か遠く、世界の裏側とも呼ばれる程の遠方にあるんですよ」
「まじか」
そんな遠いの? それって徒歩で何年かかるのさ。
「一度旅に出れば、数年会えない距離です。ですから、会議が必要です」
「う、うん」
それはそうだね、うん。
「レイ、サロスを呼んできて」
「はい、母さん」
それにしても、家族会議かぁ。
アイシェは何を話したいんだろうね。
「アイシェ、家族会議って聞いたんだが、なんだ?」
「サロス、貴方、ガザン行きを許したの?」
「ん、あぁ。アシエ様が一緒に行くと聞いてるしな。大丈夫だろ?」
「確かにアシエさんが一緒だけれど、レイナさんも一緒よ?」
「それが何か……?」
「レイナさんは可愛い女の子が好きなの。レナとレイが旅の途中で女の子らしさを増したら、手を出すかもしれないわ」
「え、そうなんですか、師匠」
「まてまてまて」
さっきの冗談じゃなかったの? 私そんなことしないよ? しない……しないよ……?
「そういう冗談で脱線させるのはね、良くないよアイシェ」
「でも、可能性はありますよね」
「おっと、今回は本気か」
さっきは冗談だって言ってたのに!
「流石に可愛い愛弟子の娘ちゃんに手を出したりしないよ」
「本当ですか?」
「もちろん。そもそもそこまで節操無しだったら、アイシェに手を出してる」
「……レイナさん、冗談ですよね?」
「いや、これはマジ」
「…………」
私の言葉にアイシェが絶句する。
「レイナさんが、その、まっとうな理性をもってるのは、わかりました」
「そうだね、今までアイシェに手を出してないもんね」
「……まあ、そうですね」
アイシェが複雑そうな顔をする。まあ、うん、気持ちはね、察する。
「それで、師匠」
「ん?」
「レナとレイなら、どっちが好みなんですか?」
「レイかな」
「レイ、気を付けるのよ」
「はい、母さん」
「あははははは」
私がその気になったら、気を付けても意味ないと思う。
まあ流石に、お預かりした大事な娘ちゃんに手を出すような真似、しないけどね。
「で、本題は?」
「あ、話が逸れてましたね」
「うん」
私の好みの話とか、正直どうでもいい。
「ガザンは世界の裏側なので、行くだけで数年かかると思って下さい」
「うん、歩きでね」
「……歩き以外があるんですか? 馬ですか? 結構かかりますよ?」
「んや、ドラゴン」
「……え?」
私の言葉にサロスが疑問形である。
まあ、サロス知らないもんね、シロちゃん。
「明日見せてあげるね、ドラゴン」
「どらごん!」
「竜、興味津々」
私の言葉に、娘ちゃん達が喜ぶ。
可愛いねぇ。
「他に話は?」
「実はそんなに大事な話はありません。ただ、家族の時間を過ごしたくて」
「そか」
まあ、数年がかりの旅、だもんね。
「それじゃあせっかくだしゲームとかしちゃう?」
「ならリバーシを」
「お、いいねぇ」
アイシェお得意の奴だね。サロスをこてんぱんにしたヤツ。
「話は纏まったみたいね?」
「そうですね」
ここにきてハラルド神が声を出す。
「それじゃあ私も準備があるから、一旦神域に戻るわ」
「はい、また明日」
「えぇ、また明日」
そう言い残してハラルド神は消えた。
「さ、遊ぶぞー」
こうして家族会議は終わり、ゲーム大会が始まった。
長旅かぁ、楽しみだなぁ。
ご読了ありがとうございました!
感想、評価、ブックマーク等頂けますと励みになります!!
次回更新は次回日曜日の21:00までを予定しております。




