レイナと弟子と修行
「ふぁー」
昼、娘ちゃん二人の修行をつけている最中。ふとあくびが出た。
「! すきあり!」
「ないよー」
そこにすかさずレナが飛びついてきたので、サッと避けて頭に手刀を加えとく。
「いたっ、ずるい!」
「ずるくないよ。言ったでしょ、隙に飛びついちゃ駄目だって」
「むぅ」
そもそも隙というかただのあくびだけど。
「レイナさん、寝不足ですか?」
「ん。まあね」
レイの心配に、つい肯定してしまった。余計な心配かけちゃうかな。
そう思ったので、私はもうちょっと説明することにした。
「最近夢見が悪くてねー。寝れてはいるんだけど」
「そうですか……夢じゃどうすることもできない……です」
「あはは、そだねー」
まあ、実際は夢というか、修行疲れだ。
ここのところ毎晩神様と修行している。昼は娘ちゃん達と、夜は神様と。休まる暇がない。
「まあ、その内なんとかなるー」
「そうですか?」
「そうそう。そういうもん」
私は案外そうやって生きてきた。なんとかなるなる。
「すみません、そんな師匠にお話があります」
「およ?」
娘ちゃん達とお話していると、サロスが声をかけてきた。
「どしたの」
「実はこういったものが」
「んー?」
手紙……だねぇ。
「内容は?」
「見てないです。師匠充てでしたので」
「そうなの?」
ここサロスとアイシェのお家なので、私宛はなんだかおかしい。
すっごく怪しいんだけど??
「まあ、見てみるだけ」
見てみることにした。さてさて中身は……っと。
「えーっと? 鍛冶の国ガザンまで来てね。by神様……うさんくさ!」
百歩譲って鍛冶の国は、うん、興味あるけど。何最後の差出人。
まあ、神様ならここにいるのを知っていても不思議はない。でも、神様なら夢であったときに言えばよくないかな。
「うーむ」
「師匠、どうなさるんですか?」
「え、うーん」
正直無視したい気持ちもある。でも、行ってみたい気もする。
神様抜きにして、冒険の旅はとても楽しいから。なので鍛冶の国に興味とワクワクはある。
でもなぁ、胡散臭いしなぁ。
「サロス、ガザンって知ってる?」
「えぇ、鍛冶の国ですね。差出人は神様でしたか? 神は確か信仰されているのは太陽神アイネクライネだったかと」
「何その楽曲名みたいな」
なんかそんな曲あったよね。
「でも、そっか、太陽神か」
それは私の存じ上げない神様だ。多分神様繋がりで私を知ったのだろう。
そんな知り合いの知り合いからの呼び出しみたいな……どうしよう。
「修行もあるしなぁ」
「それでしたら、提案があります」
「ん?」
それはアレですか。連れてけ的な提案ですか。
「レナとレイも強くなったようですし、そろそろ世界を見せてもいい頃かと」
「うん……まあ、うん」
そうなるだろうと思ったよ? 思ったけどさ。
「ダメでしょうか?」
「うーん」
正直迷う。今この世界は魔神とかの危機もあって、バイソンですら命を落とす世界だ。
そんな場所を旅する。それも子供を連れて。
私はいいけど、娘ちゃんが心配だ。
「危険だと思うな」
「そう、ですか……レイ、レナ。お前たちはどうだ?」
「父さん私は、行きたい」
「おとーさん、私も!」
「そうか。それで行けると思うのか? 気持ちの問題じゃないんだぞ?」
「ん……」
「うー」
行きたいのは分かったけど、サロスの言う通りだ。
気持ちとして、行きたいのは尊重したい。でも現実問題昔より危険な世界だ。
どしたものか……。
「私も行こうか」
「は?」
「かにたま!」
「ちがう、神様」
なぜかこの会話に、いきなりハラルド神が現れた。
「私も行くならいくらか安全でしょう?」
「え。えぇ?」
まあ、そりゃあ私より強いし、多分魔神相手でも後れは取らない。
でもなぁ……。
「何よ、嫌なの?」
「他の神に会いに行くんですよ?」
「知ってるわよ」
「嫌じゃないんですか? 別の神を信仰している国ですし」
「あの子とその国はいいのよ」
「……あの子と、国……?」
あの子って、子供扱い? それとも?
「さ、どうするの、行きたいの、行きたくないの?」
「そりゃあ行きたいですけど」
「んじゃ行くわよ」
「えぇ……?」
こうして、なぜか神様同伴の旅が決まった。
えっと、大丈夫なのかなぁ?
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