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レイナと転生と王族

「はーい、それじゃあ横一列に並んでー」


神殿に付くと、私は大老達に並んでもらうよう告げた。


「それで、この後は何を?」

「うん、祈りをささげると、ハイエルフに転生するための儀式が始まるからね」

「そうですか……ところで、師匠」

「ん?」

「師匠の神はどちらでしょう」

「お?」


 私の神……信奉ってこと?


「えっと、特にないかな」

「無い? ではどの神に祈りを捧げれば?」

「おおぅ」


 そう来たかぁ……嘘でもハラルド神って言っといた方が、よかったのかな。


「今回儀式に協力してくれるのはハラルド神なので、そちらでお願いね」

「そうですか…………わかりました」


 なんか今、間があった気がするけど、まいっか。


「それじゃ、始めてくれる?」

「「はい」」


 返事と同時に、並んだ大老達が屈んで祈りを捧げ始める。

 さて、どうなるのかな。なんかこう、転生演出とかあるのかなぁ。

 そんなことを考えていると、大老達が光り始めた。転生開始かな?

 ひとしきり光ると、光が徐々に落ち着いていき、大老達の姿が視えてくる。


「お、若返ってる……けど」


 うん、でも、これは……。


「若返り過ぎでは」


 見た感じ、どう見ても10歳前後くらいだ。いやいや、これは……。


「皆、大丈夫? 変なところない?」

「師匠、問題ありません」

「そ、そう?」


 問題……ではないけど、若返りすぎているのはどうかなぁと思う。


「ちょっとステータス見るね」


 元大老達のステータスを見る……うん、ハイエルフだね。


「おめでとう。これでみんな私と同じ王族。ハイエルフだよ」

「ありがとうございます、師匠。これからもこの国のため、精進いたします」

「う、うん」


 見た目子供なのに中身がね……うん……。


「それじゃあ、私は少し用があるから席を外すけど、皆はどうする?」

「はい、我々は王族の責務を果たそうかと」

「早速お仕事か……」


 この見た目の子達に仕事任せて国を出るとか、なかなか鬼畜な気がするけど、まあ中身は大人だし、いいのかなぁ。


「ま、いっか。じゃあ、私は席を外すね」

「はい」

「転移」


 私はそれだけ言うと、転移魔法を行使。

 行先は……。


「あら、また来たの?」

「そりゃ来ますよ」


 私はハラルド神の元に転移した。色々聞きたいことありすぎて。


「質疑応答の内容なら教えないわよ?」

「それはいいです。それより、あの若返り様はなんですか」

「まあ、転生だしねぇ」

「そういう問題ですか?」


 それなら赤子でもいいのでは。


「一応仕事ができないと困るんだろうなと思ったから、加減はしたつもりよ?」

「そ、そうなんですか?」


 そういわれちゃうと、何にも言えない。一応考えてくれた結果らしい。


「そうよ? 他には?」

「うーん、じゃあ、アレはなんですか?」

「うん? アレ?」


 私が一番気になったこと。ちょっとややこしそうだから、無視してこっちに来た、大きな問題。


「……なんで一人だけ転生してないんですか?」

「あー」


 そう。光輝いた大老達。しかし一人だけ、光らず、ステータスもエルフのままの大老がいた……。

 あれは結構びっくりした。普通に顔が引きつった。


「あの子、私の質問に何一つ答えなかったのよ。きっと私のこと嫌いなのね」

「そうなんですか?」


 そういうの、あるのかな? 宗教的な問題?


「多分、シュレリアの信奉者なんでしょう」

「そこは敵対するんですか?」

「敵対っていうか、まあ、一応ライバルってことになっているからかしら」

「そうなんですか?」

「そうらしいわよ?」


 それはつまり、実際は違うけど、宗教上の理由でライバルにされてるってこと?

 で、シュレリア神の信奉者だから、ハラルド神とは口もききたくなかったと。


「うーん……」

「まあ一人だけアレなのも可愛そうだから、シュレリアに聞いてみたら?」

「シュレリア神でも、転生はできますか?」

「できるわよ」


 それなら、ハラルド神がいいのなら、相談してみようかな。


「ありがとうございます。相談してみます」

「そ。あとはあるかしら?」

「無いです」

「ん。じゃあまたね。レイナ」

「はい。転移」


 そんなこんなで、今度はシュレリア神の元に転移する私。

 さてさて、シュレリア神はお話聞いてくれるかなぁ?


ご読了ありがとうございました!

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次回更新は次回日曜日の21:00までを予定しております。

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シュレリア神もいきなり来てびっくりしそう
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