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レイナと親子と師弟

「よく考えたら0歳児と遊ぶのは無理あるね?」

「何の話ですか」


 アイシェ達の家に帰って来て早々、私の大きな独り言にアイシェが返事をしてくれる。


「いやあ、お子さんと遊べないかなあとか、考えたんだけど」

「子守を手伝って下さるんですか、師匠」

「え、いや、うん」


 子守っていうとちょっと違うんだけど……まあ、いっか。


「それでしたら、この子たちが5歳になったら、師匠に師匠を頼みたいです」

「……ん?」


 師匠に師匠を頼むとは、えっと、つまり?


「私がこの子たちの師匠になるってこと?」

「はい、お願いできればと」

「おおぅ」


 マジか、この子たちも強く育てるの? なんで?


「別に、平和になったんだし、無理に強くする必要は……」

「何をおっしゃいますか師匠。この世界はいつだって魔物や盗賊がはびこる世界です。力を持っていて損は無いですよ」

「うーん、デンジャラス」


 そう言われるとそうなんだけど。なかなかに物騒な世界だよね。


「ダメですか? レイナさん」

「う」


 アイシェにまでお願いされる。このパターンで断れた試しがない。


「いいけど……この子たちが嫌がったら、話は別だよ?」

「ありがとうございます、師匠」

「きっとこの子たちも喜びます」

「そ、そうかな……」


 2人みたいに戦闘狂じゃないといいなぁ……。


「でもそうなると、5年後に私が暇じゃないといけないね」

「そうですね……師匠には王族の務めが……」

「うーん」


 どうしたものかねえ……。


「ま、そこは後で考えるよ」

「お手数かけます、師匠」

「いいよいいよ。二人の頼みだし」


 断れないよねえ。うん。

 さて、そんなことより。


「私、レナとレイに挨拶しないと」

「ん、そうですね、ほら、レイ、レイナさんだぞ」

「レナ、貴女の師匠になる方よ」

「おおぅ」


 紹介の仕方が……。師匠になる方て。いいけど、なんか堅いよ。


「二人とも、これからよろしくね」

「「あー」」

「かわいい……?」

「なぜ疑問形なんですかレイナさん……」


 子供の可愛さがイマイチわからない私。

 アイシェ達二人の子だから、大事な存在ではある。大切にしてあげたい気持ちは大きい。

 でも、赤ちゃんが可愛いかと言われると……ルックス的には、うん。


「赤ちゃんって概念的には可愛いけど、ルックスはそうでもない?」

「概念的にはって……るっくす? はわかりませんが、可愛いですよ」

「そ、そうだね」


 流石に子の親に可愛くないは失礼だね。可愛いと思います!


「レイナさん、やっぱり抱いてみませんか?」

「え、うーん」


 大丈夫かなぁ、加減、できるかな。


「はい、レナ、レイナさんだよ」

「うー」

「うん……力を抑えて……よ、よし」


 力加減を間違えないようにレナを抱かせてもらう。

 そして。


「さ、さわっても?」

「いいですよ。ぷにっとしてますよ」


 そういわれて触ろうとする。と。


「あ、掴まれた」

「ふふっ、レイナさんと遊びたいのかもしれませんね」

「うーん」


 これはちょっとかわいいね? きゅんとした。


「可愛さは十分伝わったよ……」

「そうですか? それでしたら、これからもたまに遊びに来てくださいね?」

「うん、暇を作って来るようにするよ」

「よかったです」


 まあ、アイシェ達に定期的に会う口実も欲しいし。

 アイシェは私にとって妹みたいなものだし、数少ない家族だ。


「そしたら、今日はこの辺で」

「そうですか。師匠、次に来るときはもっとゆっくりできるといいですね」

「そだね、私もゆっくり過ごしたいな」


 実際、今までは夫婦水入らずを邪魔したくない気持ちもあったんだけどね、二人が私を求めてくれるなら、それに応じるのはやぶさかではない。というか嬉しい。


「じゃ、またね」

「はい、あ、ハイエルフだからって『また』が数年後とかやめてくださいね」

「エルフ基準で考えられると困るかもな」

「ははは、大丈夫、私も退屈な毎日だからね。必ず近いうちに来るよ」


 私はアイシェとサロスにそう言って。転移魔法を準備する。


「それじゃあね。また来るよ」

「はい、レイナさん」

「お待ちしてます、師匠」

「うん。それじゃ。転移」


 私はサクッと執務室に戻る。さーて、娘さん二人の師匠する為にも、暇を作らないとね?


ご読了ありがとうございました!

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次回更新は次回日曜日の21:00までを予定しております。

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