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vs.魔王"エリア"



―――帝都「グランベル」 近郊



「全部……ハァハァ、ハァハァ、全部、見せてぇえ!! 『ギルベルト様ぁあ』!!」


「……はっ?」



 コイツはイカれてる。

 体感的にはもう何千と"殺している"はずなんだ。


 それなのに……、


 じんわりと染まった頬に整いすぎた容姿。

 理由も分からずビクンッビクンッしている魔王。


(何言って……、何してんだ? コイツ……)


 スローモーションの世界で何回も斬り刻んでいるのに恍惚とした表情を浮かべる魔王に、俺は恐怖しか感じない。



バギンッ! バギンッ! グザッ!




(コイツ……何回、殺せば死ぬんだ?)


 幾度となく切り刻んでいるのに、死ぬ光景が"見えない"。気を抜けば、待っているのは俺の死だろう。


 「黒い手」の合間に、幾度となく放たれようとする死を予感させる魔法? スキル? 正直よくわからないが、対処の仕方はわかってる。



グザッ、グザンッ!!



 魔力供給しようとしてる場所を斬り離せばいい。エネルギーの回路を絶ち続ける事でそれを回避できる。


 俺の『眼』には魔王の中に蠢く"エネルギー"が徐々に、徐々に減っていき、反応(回復)が鈍くなって行くのが分かる。


 これまでには無かった光景。

 斬り刻んでも死滅しない存在。


 だが、それにはおそらく"終わり"があるのだろう。

 

 それにしても、眼精疲労はヤバいことになってきた。1分間、水の中で目を開けていたぐらいの疲労だ。

 ※つまりは、全然疲労はない。



 正直……、



(飽きた……)



 これが率直な感想だ。


 幾度となく『死』を与え、気が済んだ。


 セリアと姉様が"殺された"その数100、数1000倍以上の『死』を与えた結果、俺はすぐにでもカーティス領に帰ってミーシャとユノに癒されたい。


 姉様を放って置く事は出来ないけど、セリアの飯を食って膝枕で仮眠を取りたい。ディナ姉のおっぱいに顔を埋めたいし、紳士の風上にも置けないかもしれないが、さっきの"黒髪天使"をさらって「くっ……殺せ」って言われたい。




グザグザグザッ、グザッグザンッ!!



 『死』を与える度に悦んでいるように見える魔王には、ドン引きする。


 それに、気のせいなんだろうが……、



(な、何か乳デカくなってないか?)



 初めは一切なかった胸が、《再生》するたびに、大きくなっている気がする。



プルンップル……



 控えめにして小さく揺れる……。


 こ、これはコレで……。



 "人間"とはなんと業が深い生き物なのか。

 おっぱいには世界を平和に導くだけの力があるように感じる。


 それがこの世の"真理"であり、"正義"。



「ギ、ギル……ベルト……、様ぁあ……」


「……」

(うん。怖すぎる)


「……あ、あたし……、"エリア"って言うの」



グザッ、グザンッ!!



 問答無用で細切れをプレゼントする。



「ぁっ! ァア!!」


「……」

(き、気持ち悪ッ!)


「ハァ、ハァ、……お願いがあるの……」



 真っ赤な頬にアヘアヘしてる顔。


 まるで"恐怖"を体現しているかのような表情を浮かべる魔王と、また少し大きくなった形の良い……(おっぱい)。



グザンッグザンッ!!

 

 俺の眉間は深くなるばかり。


 眼精疲労は俺のキャパである水深3メートルに潜った時のような圧迫を感じる。※大した事ない。



「……け、《契約》しよう……!? このままじゃ、あたし、本当に死んぢゃう!!」



 

グザンッグザンッグザンッグザンッ!!!!




 警戒を一瞬も解く事なく、俺は魔王の四肢を地面に貼り付ける。



「あ、アァ……、か、かっこいいよぉお」


「……何を考えてる? 魔王"エリア"……」

(《契約》ってなんだ? この苦痛に満ちた時間が終わるのか!? もう、帰れ!! もう寝たいし、コイツ、違う意味で何か怖いッ!!)


 おそらく、あと2時間くらい戦闘が長引けば魔王の中の魔力は無くなり消滅させる事が出来るのだろうが、俺はもう疲れた。


 『契約』の意味はわからないが、帝国への、いや、"人間領"への侵攻、人間の生殺与奪の権利を奪えるのであれば、別に許してやってもいい。


 決して! コイツを屠る事で、黒髪天使に嫌われたいからではない。あわよくば、1度くらい……とか考えているわけではない!! 世界平和のために仕方なく……とか不貞の理由を考えているわけじゃないのだ。


 俺は紳士。そう……、俺は紳士なのだ。


 "少女"を相手に激昂し、生命を終わらせる事なんて出来ない。※めちゃくちゃ殺す気だった。



 魔王は両手両足を地面に串刺しにされてもなお、悦に浸っている。



「……無理なの。あたしにはギルベルト様に勝てないの……。すごい熱くて……、頭がおかしくなっちゃいそうなの」


「……」

(なんかエロい)


「ギルベルト様の"熱い"のが奥の奥に入って来て……、もう、ピクリとも動かせない。あたし……、こんなの初めて……」


「お前が"やった"事は見過ごせない……。姉様と俺のメイドに手を出した事……忘れたわけじゃないだろ?」

(エ、エロいな、おい!)


「ギルベルト様が『欲情』するのがいけないの。でも……嬉しい……。『あたしにも』、」


「け、け、け、『契約』ってなんだ!!??」



 エリアの言葉を遮り声を荒げる。




「……"お嫁さん"にして欲しいの」




「………ふぁっ?」



 帝都「グランゼル」近郊。


 『最狂の魔王』の名にふさわしい、狂っている言葉に俺の間抜けな声が響いた。





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