第97話 戦いのあと
【名染伊太学園 1学期終業式当日】
「――であるからして、明日からは皆さんが待ちに待った夏休みが始まります。でもアレですよぉ。くれぐれも規則正しい生活をしてくださいね。2学期に皆さんと会った際、色々な意味で、『君、誰?』みたいな事にならない様に十分気を付けてくださいよぉ」
『色んな意味』って何だよ?
今、俺の頭に浮かんだことを言っているのか? でも浮かんだ内容は恥ずかしくて言えないけどな。
しかし名染伊学園長も名前の通り、『謎めいた』事を言う人だな。
まぁ、あの親父の親友で、『初代ネガティ部部長』だし『普通の人』では無いとは思うけど……
「――――それと、3年生にとっては大事な時期でもあります。ここで受験勉強を怠ると、後で悔やんでも悔やみきれない事になりますので、しっかり計画を立てて、頑張ってください。それではまた2学期に皆さんの元気な顔を見れる事を楽しみにしています」
3年生にとっては大事な時期の夏休みかぁ……
まぁ、そうだよな。うちの学園の大半は進学するらしいからな。美代部長も進学するって言っていたし。そういえば、美代部長はもう、どこに進学するのか決めたのかな?
前に来年開校する『名染伊太大学』か『名染伊太短期大学』か『名染伊太専門学校』のいずれかで悩んでいるって言ってたもんな。
いずれにしても、この学園って結構、儲かっているんだろうな。じゃないと、3つの学校の建設を同時にするなんて、普通考えないし出来ないよな!!
あっ、そっか!!
そう言えば金持ち集団『エグゼクティ部』の保護者がかなりの寄付をしていると言っていたな……それに他の学園性もそこそこ裕福な家庭出身のように見えるし……
でも不思議な事が1つだけあるんだよなぁ……
なんで、この学園は『高校』からなんだろうか? 普通、私立の学校って小中高一貫の所が多いのにさ。マジでなんでだろう? これもまた謎めいているよなぁ……
しかし、そんな事よりも、あの『ドッチボール対決』以降、俺の身の回りは大変だったんだ!! マジで勘弁してほしいぜ!!
さっき言った金持ち集団、花持蘭那部長率いるエグゼクティ部の人達は俺の『傘下』になるって言って聞かないしさぁ……全員、俺より年上だぞ。あんた達が気にし無くても俺は気にするしめっちゃ気を遣うっつーの!!
それに『四大茶部』の部長さん達に胴上げされていた俺を見ていたクラスの奴等以外は何故だか分からないけど俺の事を陰で『名染伊太学園の異端児』って呼んでるみたいだしさぁ……
一体、何がどうなって俺は『異端児』って呼ばれる事になったんだ!?
俺は、そこらへんにいる『普通』の高校生なんだぞっ!!
いや、『普通』では無いけどなっ!!
……でも、これもアレなのか? 俺があまりにも『普通』って呼ばれる事を嫌がっていたから神様が俺の願いをついに叶えてくれたって事なのか?
イヤイヤイヤ~っ、俺は『異端児』って呼ばれたいなんて1度も神様にお願いした事なんて無いぞ!!
―――――――――――――――――――――
【終業式後の廊下】
はぁ……やっと終業式が終わったぞぉ。
後は教室に戻って成績表をもらうだけだな。先輩や舞奈のお陰で期末テストも中間テストと同じくらいの成績が残せて順位も連続で学年10位だったしな。
とりあえず高校最初の成績表はルンルンな気持ちでもらえるってもんだぜ。
ん?
あそこにいるのは2年生トリオの先輩達?
どうしたんだろう? なんか子龍先輩が変な首の角度で落ち込んでいるのを、菜弥美先輩とテルマ先輩2人が慰めている様に見えるけど……
めっちゃ気になるな。よし、どうしたのか聞いてみるか。




