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第92話 決着!!

「お――――――っと!! 越智子部長が相手チームギリギリのところで立っているぞ―――っ!! 1 メートルも離れていません!! これは一体どんな作戦なんでしょうか!? 私には全然理解出来ません!!」


「なっ、何なの!? 私をバカにしているのかしら!? こんな目の前に立っても私の投げるボールが当たらない自信が有るとでも!? ほんっと、腹が立つわねーっ!!」


 あの美代部長が、よくもあんな思い切った作戦を考えたよなぁ……


 やはり自分の動きに自信があるのかな……いや、違うな。試合をやっている最中に自信がついてきたんじゃないのかな? いずれにしても、美代部長の考えた作戦を成功させるには俺も責任重大なんだよな!!


「そして越智子部長とは逆にあの『普通の子』は一番後ろに立っているぞ~っ!! 私から見れば女性を前に立たせて、自分だけが助かろうとしている『卑怯な普通の子』に見えてしまいます!!」


 何だよ、『卑怯な普通の子』ってよ~っ!!

 そこは『卑怯な子』で良いじゃねぇかっ!!

 それにこれは作戦なんだよ!!


「花持部長、頑張れ~っ!! もう疲れたから早く終わらせてくれ~っ!!」


「そんな至近距離から投げて当たらなかったら凄く恥ずかしいぞ~っ!!」


 なっ、何なの、あの人達!?

 人の気も知らないで、変なプレッシャー与えないでよ!!

 それに何で越智子美代は目を閉じてるのよ!?


「どいつもこいつも私をバカにして~っ! ぜっ、絶対に当ててやるんだから~っ!!!! いくわよ~越智子美代!! 避けれるものなら避けてみなさいっ!! そりゃ~っ!!!!」


 ビュッ、ビュ―――ンッ!!!


 シュッッ!


「おっ、おっ――――――と~っ!! 花持部長が投げた渾身のボールを越智子部長が目を閉じているにもかかわらず、いとも簡単に避けたぞ―――っ!! 越智子部長には何か『特殊能力』でもあるのか!? この小説はそういうジャンルだったのか―――っ!?」


 あのアナウンス野郎、何意味分からねぇ事言ってるんだ!?


「なっ、何で目の前に居るのに私の渾身のボールを避けれるのよ―――っ!?」


「そして一番後方で立っていた『卑怯な普通の子』のところにボールが転がっていったぞっ!!」


 バシッ!!


 よしっ、ボールは何とかキャッチできたぞ!!

 後はこのボールを外野にいる前妻木先輩にパスをすれば完璧だ!!


――――――――――――――――――――


【回想】


「一矢君……私がコートの1番前に立って彼女達が投げるボールを避けますので、一矢君はコートの一番後ろにいてもらって、私が避けたボールを何とかキャッチしてください。一矢君のところにボールがくる頃にはボールの威力が落ちていると思いますので。そして外野に居る前妻木さんにパスが届けば、必ず彼女は2人の内、どぢらかにボールを当てる事が出来るはずです。そうなれば2対1となり、私達が断然有利になると思いますので……」


「で、でも俺のパスが外野の前妻木先輩のところまで届くでしょうか? 今日の試合で俺が投げたボールは、ほとんど外野に届いていなかったんですが……」


「だ、大丈夫です。私が見ていて一矢君のボールはドンドン外野に近づいてきていました。次こそは必ず外野に届きますよ。私は…、一矢君の事を…信じていますから……」


――――――――――――――――――――


 俺みたいな『へなちょこ野郎』の事を信じてくれている美代部長の為にも絶対にこのボールを前妻木先輩のところまで届かせるぞ―――っ!!


「前妻木先輩、俺のボールを受け取ってくださ―――いっ!! うりゃ――――――っ!!!!」


「『卑怯な普通の子』が大きな声を出しながら思いっきり外野目掛けてボールを投げた――――――っ!!!!」


「あっ、しまった―――っ!! せっかく届いたのにボールが右上の方に逸れてしまいそうだっ!!」




「わっ、わっ、どうしよう!? 一矢君の投げたボールが私達の方に向かってるわよっ!!」


「菜弥美、あなたジャンプ力だけはあるんだから、あなたがボールをキャッチして敵の子を当てなさいよ!!」


「何を言ってるのよ、テルマ!! 私が当てれるわけ無いじゃないの!! とはいうものの……多田野君は一番向こうの端にいるし、和久塁さんや舞奈ちゃんも少し離れているし……本当は前妻木さんのところにいってほしかったのに……私がキャッチして直ぐに前妻木さんにパスをしたら敵に後ろに下がる時間を与えてしまうよなぁ……う~ん、どうすれば……やはり私がキャッチして直ぐに投げないとダメなのかしら……」


「オーッホッホッホ~っ!! これなら余裕で後ろに下がれるわね!!」



 ブワァッ!!


「お――――――っと、ここで誰かが凄いジャンプをしているぞ――――――っ!!」



「しっ、子龍!?」


「うりゃーっ!!」(全然活躍できなかった僕だから、ここで頑張らないと一矢君に嫌われてしまう!!)



 バシンッ!! ヒュッ!!


「な、何と!? 仁見子龍が大ジャンプをしながら空中でボールをキャッチしてすぐにボールを前妻木さんにバスケの様な横パスをしたぞーっ!!」


「ナイスパスよ、仁見君!!」


 バシッ!! グイッ!! ギュイ――――――ンッ!!!!


「そしてボールを受け取った、前妻木さんが先ほどまでよりも更に凄い豪速球を投げた――――――っ!! そしてそのボールは芽仙ちゃんに向かっている!!」



「ウワ―――ッ!! に、逃げ切れないわ!!」

「上空さん!!」


 バシンッ!!


「いっ、痛った――――――いっ!!!!」



「前妻木さんの投げたボールは芽仙ちゃんの右肩に当たった~っ!! そしてそのボールは大きく上に跳ね上がりネガティ部側のコートギリギリまで飛んでいく!!」



 よしっ、これで2対1だ!! このボールをしっかりキャッチして、そのまま再び前妻木先輩にパスができれば……んっ!?


 ブォ――――――――――――ンッ!!


挿絵(By みてみん)



「ななな何と、越智子部長が跳ね上がったボール目掛けてジャンプをしているぞ~っ!! そ、そしてあれは!? あれはバレーボールの様にアタックをする体勢だ――――――っ!!!!」


「みっ、美代部長、もしかして!?」


「アタ―――――――――ッック!!!!」


 バッコ――――――――――――――ンッ!!!!


「なっ、何!?」


 バンッ!!!!


「越智子部長のアタックしたボールが、花持部長の顔面に直撃した―――っ!!!!」


「フギャ―――――――――ッッ!!!!」



 ストンッ……


 コロコロコロ……ピタッ





 シ――――――――――――――――――ン…………





 ピッ、ピピ――――――ッ!!



「しっ、試合終了――――――――――――――!!!! ネガティ部の勝利で―――――――――――すっ!!!!」



 マ、マジか…? 

 本マジで俺達が勝ったのか……



「美代部長、一矢君、よくやったぞ――――――っ!!!!」

「ひっ、一矢~っ!! 私達が勝ったわよ~っ!!」

「これで私達の部は『四大茶部』のままねっ!!」

「フツオ~っ!! 最後のパス、ヒヤヒヤしたじゃないか!!」

「ひっ、一矢君……私、全然お役に立てなくてごめんなさい……グスン」

「ひっ、一矢君!! ぼ、僕のジャンピングパス見てくれたかい!?」

「フゥ……布津野君、お疲れ様……」



「ひ、ひ、一矢君……わ、私達……」



「そうです。俺達が……スポコン漫画みたいな形で勝ったんですよ――――――――――――――っ!!!!」

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