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第83話 鼻持ちならん女

「まぁ、本当は私の立場でネガティ部を応援するのはどうかと思うのだけど……布津野君がどうしてもって、しつこいメールが何度もきてね。それに天翔部長の許可も頂いたし……」


 前妻木先輩、しつこいメールって……俺、1度しかお願いしてないんですけど……


「えっ、メール!? 前妻木さんも一矢君とメール友達になっているのですか? そ、それは衝撃の新事実です。ひ、一矢君……いつの間に彼女と仲良くなっていたのでしょうか……?」


「そうですね。私も一矢君に聞きたい事が増えちゃったわ!! それに何故か私の悩み事が増えそうな予感もしてきたし!!」


 いや何で美代部長も菜弥美先輩もそこに食いついてくるんだ!?


「えっ? いや、前に前妻木先輩と校門の前で話をした時に意気投合しちゃいまして……それで別れ際にメアド交換をしたんですけどダメだったんですか?」


「えっ、前妻木さんと意気投合になったのですか!? そ、それは良かった……ですね……」


「布津野君、別に私は君と意気投合だったとは思ってないよ。勝手に決めつけないでくれるかなぁ?」


「えっ? あっ!? すっ、すみません!! そうだったんですか!? 俺とは話も合うし、てっきり意気投合したと思ってました……勝手に決めつけてしまいすみません……」


 何気にショックなんですけど……


「フフフ……」


 あ、もしかして前妻木先輩、俺をからかって……


「一矢、ちょっとおかしくないかしら!? あの時一矢は遅刻寸前だったでしょ? それで慌てて教室に向かったのにどうしてあの状況で前妻木先輩とメアド交換ができるのよ!?」


 まっ、舞奈お前、そんなところまで見てたのかよ!?

 なんか恐ろしい奴だな!!


「あっ、ああ……あれから直ぐにメアド交換の事を思い付いてさ、すぐに引き返したんだよ。そうしたらまだ前妻木先輩は下足箱付近にいたんで、慌てて声を掛けてメアド交換したんだ。でも舞奈、それがどうかしたのか?」


「べべべべ別にどうもしないわよ!!」


 舞奈は何をムキになってるんだ?

 ほんと、おかしな奴だなぁ……


「ところでネガティ部の皆さんは『ドッジボール』をやった事はあるのですか? 私は球技の中では小学生の頃から結構得意な方なんですが……」


「そっ、そうなんですかっ!? それは助かります!! ねっ、やはり前妻木先輩を誘って良かったじゃないですかぁ!! そういえばテルマ先輩達はどうなんですか? 『ドッジボール』は得意なほうですか?」


「『ドッジボール』……相手チームの人にずっとジロジロと見られる球技……私、みんなの視線に耐えられるかどうかが心配だわ……」


「テルマ先輩、ドッジボールだけに限らず、どんな競技でも周りに見られまくりなんですから、どうか今回だけは耐えてください。お願いしますよぉ?」


 それにこれだけの美少女がいればテルマ先輩だけに視線が集中するとも思えないしな。


「一矢君、小さい頃の僕は球技全般得意だったんだけどねぇ、ここ数年は苦手な部類になってしまってさぁ……」


「子龍先輩、それは先輩の顔が横を向いているからじゃないんですか!? その顔の角度じゃまともにボールなんて見えないでしょ!?」


「ひ、一矢君、突っ込んでくれて有難う!! ぼ、僕は最近一矢君に突っ込まれるのが『快感』になってきたよぉぉ!!」


 なっ、何が『快感』だっ!! 

 沈黙の……いや、『変態の45度』め!!


「おーい、フツオ~? 『ネガティ部コント』はそれくらいにしてさぁ、真面目に作戦会議をやろうぜぇ? じゃないと、ほらっ、聖香ちゃんが茫然としてるぞぉぉ」


 えっ!?


「す、すまん聖香!! 『ネガティ部初心者』のお前にはこの場の雰囲気はちょっとキツかったよな?」


「だだだ大丈夫よ!! 私はいたって冷静だから……」


 嘘をつくな、聖香。

 めちゃくちゃ目が泳いでいるぞ!!


 (ヒソヒソ……)「と、ところで一矢君? ネガティ部の皆さんって、噂通り本当に『美男美女』ばかりなんだね? それもさっきから驚いていてさ……」


 (ヒソヒソ……)「だろうっ!? でもそれを言うと、皆さん思いっ切り否定するんだよなぁ。毎日『俺なんかがこの人達と一緒に居て良いのかな?』って思うくらいなのにさ……あっ、でも聖香ならウチの部の人達と引けを取らないくらいに美人だから、聖香さえよければ直ぐにでもネガティ部にスカウトするぞ」


(ポッ)「バッ、バカな事言わないでよ、一矢君!?」


「おいおい聖香ぁ、大きな声を出すなよなぁ……」


「聖香、どうかしたの? また一矢が聖香にバカな事を言ったのかしら??」


「な、何でも無いよ舞奈……ん? 『また』ってなんだよ!?」



「いずれにしても、うちも『エグゼクティ部』の人達もお互いの事を知らないから作戦の立て様が無いですね……」


「美代部長は『エグゼクティ部』の部長の事もあまり知らないのですか?」


「そうですねぇ……名前くらいしか知りませんねぇ……今まで1度も同じクラスになった事がありませんので……」


「そ、それじゃあ、名前だけでも教えて下さい」


 これまでの経験からして名前を聞けばその人の性格がある程度分かるんだ。


「えっ? あっ、はい……彼女の名前はですね……」



 ガラッ、ガラガラッ!!



「……ッ!!??」



 な、何だ!?

 急に女の人が部室にやって来たぞっ!!

 だ、誰なんだこの女は!?


「あ、あなたはエグゼクティ部の……」


「皆さんごきげんよう!! えぇそうよ! 私はエグゼクティ部の部長で、この学園に多額の寄付をしてくれている資産家のパパを持つ『花持蘭那はなもちらんな』と言いますのぉ!! どうぞ宜しく~っ!!」(フン、この低階層どもめ……)


 んん!? 


 最後の言葉、『地獄耳』の俺にはしっかりと聞こえたぞ!!


 それに名前が『花持蘭那はなもちらんな』だと!?


 はなもちらんな……はなもち……


 名前の雰囲気といい、この第一印象最悪の感じといい、高飛車で俺達の事を上から見ているこの女は……どう考えても


『鼻持ちならん女』だなぁ―――――――――――――――っ!!!!

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