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第82話 作戦会議だ

「一矢君、一矢君?」

「一矢、私達の話ちゃんと聞いてる!?」


「えっ? あぁ、聞いてる、聞いているよぉ……」


「一矢君、生徒会室で何かあったのですか? 生徒会室から戻って来てから何だか様子がおかしい様な気がするのですが……なんだか元気が無い様な……あっ? 私のせいですよね!? きっとそうです!! 私が部長として頼りないから……」


「み、美代部長、 俺は全然大丈夫ですから!! 心配させてしまい申し訳ありません。四大茶部総に出席して、少し疲れただけですから」


「そうだよね。本当に申し訳無い事をしたわ。本来なら副部長の私が美代部長に付いて行かないといけなかったのに……でも私じゃなくて少しホッとしている自分がいるのも事実で……やはり一矢君を疲れさせた事は私としてはとてもショックだなぁ……これは『ランキング上位』に食い込む案件だわ……」


「いやマジで大丈夫ですから!! くれぐれも『菜弥美の悩み事ランキングトップテン』には入れないでくださいよ!? それに菜弥美先輩が悩む事は無いですよ。だって俺を指名したのは名染伊学園長なんですから」


「それはそうなんだけど……」


 しかし、学園長、勘弁してくれよぉ。いくら俺が学園長の親友の息子だからって、俺に何を期待して指名したんだよ?


「学園長が『初代ネガティ部部長』って事はエグゼクティ部より私達の味方だと思っても良いのかしら? 総会にうちだけ2人の出席を認めてくれてたんだし……」


「そうだよなテルマ。確かにそれは言えるかもしれないよ。学園長が指名した一矢君のお陰で、今のところは四大茶部から外れる事は無くなったんだし……」


「本当にあの時の一矢君はとてもカッコよかったです。隣で見ていて、ほ……いえ、何でもありません……」


「『ほ』? 美代お姉ちゃん、『ほ』って何なの?」


「えっ? 舞奈ちゃんの聞き違いではないですか? わ、私『ほ』なんて言っていないと思うのですが……」


「言ったわよぉ。今『ほ』って言いかけて止めたじゃない!」


 何で、舞奈の奴はそんなどうでもいい事に突っ込むんだ!?


 俺にも『ほ』は聞こえたけど、そんなのどうでもいいじゃないか。いつも俺の近くにいるんだから、もっと俺の突っ込みを見習えよってんだよ。ったく……


「も、もし私が『ほ』と口から出たとすれば『砲丸投げ』の『ほ』じゃないでしょうか。今度の球技大会で私、『砲丸投げの球をちゃんと投げれるかしら』と心配していましたので……」


 『砲丸投げ』なんて球技大会でやらないでしょ!?


「ふーん、そうなんだ。『砲丸投げ』かぁ…分かったわ! 私もちゃんと投げれるか心配だわぁ」


 舞奈、何で、そこは素直に聞き入れるんだ!?

 どうでも良い『ほ』にはあれだけ食いついていたのにさ。


「いずれにしてもウジ虫共、さっき新ヒトヤン様から幾つかの情報を得たんだから、少し整理をしたらどうなんだい?」


「ル、ルイルイ、居たのかよ!?」


「あぁいたぞ『ダーリン』……さっきからずーっと新ヒトヤン様の背後に妻の様におしとやかな感じで立っていたじゃないか」


「誰が妻だ!? ってか、『ダーリン』も止めろ!!」


「ハッハッハッハ!! 照れるんじゃないよ〜『ダーリン』……」


「照れてねぇよ!!」


「前々から『新ヒトヤン様』ってのは呼びにくいし、鬱陶しいと思っていたから、お前の事は今から『ダーリン』って呼ぶぞ」


「なに勝手に決めてるんだよ!! それに『新ヒトヤン様』って呼ぶのが前から鬱陶しかったならそんな呼び方をするんじゃねぇよ!!」



 あぁ、いつもの事ながら疲れるぜ……


 しかし皆には、さっきの生徒会室での出来事は絶対言えないよなぁ……




 まさか海藤会長と卯馬副会長が1年生の頃から付き合っていて、それも『超ラブラブ』でその事は学園内では内緒にしている事……


 常にクールな津田部長の言葉を借りれば『クールメガネ』の海藤会長は誰も居ない時は卯馬副会長の前では『超甘えん坊さん』である事……


 毎日、生徒会室で『膝枕』をやってもらっている事……


 たまに『耳かき』もしてもらっているそうだが、そんな情報はどうでもいいんだよ!!


 しかし、あの2人……


 俺にバレて逆に開き直ったのか、ベラベラと話してくれたよな~

 本当は、皆に付き合っている事を知ってもらいたいんじゃないのか?


 でも絶対に俺の口からは言えねぇ……


 でも言いてぇ……


 でも言ったら最後、今度こそ『刺される』に違いない!!



「で、一矢君から頂いた情報ですが……」


「え―――っ!? 俺何もバラしてないですよ!!」


「へっ? バラす? 一体何の事でしょうか??」


「えっ? あっ、スミマセン……俺の勘違いでした……」


 ヤ、ヤベェ……俺、かなり動揺してるぞ……


「一矢君が海藤君から教えて頂いた情報は、まずエグゼクティ部の部員は全員で9名いるそうです。部長は3年の女性の方で、私もお名前は存じている方です。部員全員がお金持ちの御子息ばかりで、この学園にかなり寄付をされていると聞いています。だから学園長としてもエグゼクティ部からの要求を無視できないんだと思います。そして今回対決する競技の『ドッジボール』ですがうちの部は全員で6名しかいませんので、海藤君が特別に3人の『助っ人』をお願いしても良いとの事です。そうですよね? 一矢君……」


「……えっ? あっ、はい、そうなんです。但し、2年生以下での『助っ人』厳守だそうです。何故、2年生以下しかダメなのかは謎ですが……」


「そ、それは私にお友達が1人もいない事を海藤君は御存じだからじゃないでしょうか……」


「えっ、そんな理由ですかねぇ? 俺は他に理由があると思うんですが……っで、ところで2年生の先輩方々も勿論、友達なんていないですよね?」


「ひ、一矢君、いきなりストレートにキツイ事を言うわねぇ!? 悩み事が増えそうな気分になったわ。でもまぁ、本当に『助っ人』をお願いできるような友達なんていないんだけど……」


「一矢君にそんな言い方をされると私……とても気にし過ぎて今夜、眠れそうにないわ。だから今夜はいつもよりも遅い時間にメールするから寝ないで待っててね? いずれにしても私も友達なんているわけないし……」


「ひ、一矢君、なんて言い方をするんだ!? なんか、とても気持ち良い気分になったっじゃないか!! 勿論、僕には一矢君以外に友達なんていないよ!!」


 子龍、お前はもう家に帰ってしまえ!!



「いやっ、皆さんすみません。別にキツイ事を言うつもりなんてありませんよ。ただ、俺がもう『助っ人』を頼んでしまったんで、被ると面倒だなと思いまして……」


「えっ、そうなのかい? 一矢君、仕事が早いねぇ」



 ガラッ、ガラガラッ


 お? 言ってるそばから来てくれたみたいだな。


「チィワーッス!!」「こ、こんにちは……」


「よ~っ!! モブオに聖香、待っていたぞぉ」


「一矢、もしかしてこの2人が『助っ人』なの!?」


「舞奈ちゃーん、よろしくね~?」

「ま、舞奈よろしくね? 私、精一杯頑張るから」


「2人共ありがとう。とても心強いわ」


「舞奈ちゃんに心強いって言ってもらえて更にやる気が出て来たぞーっ!!」

「ままま舞奈に私、頼られてる……」(ポッ)



「それで一矢、あと1人は誰にお願いしたの?」


「フフフ、もうすぐ来るからお楽しみに。ちなみにもう一人の『助っ人』は2年生だぞ」


「えっ、2年生? 一矢君、今きみ、2年生って言った?」


「はい、菜弥美先輩……」


 ガラッ、ガラガラッ…


「こ、こんにちは……」


「 「 「 「 「!!!!!」 」 」 」 」


「ま、前妻木まえむきさん!? 3人目の『助っ人』ってあなたの事だったの!?」

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