第79話 伝説の部長
「ちょ、ちょっと待ちたまえ布津野君!? 今君はサラッと言い流したみたいだが、君のお父さんが『元ポジティ部部長』兼『初代ネガティ部副部長』だと言わなかったかい!?」
「は、はい、そうです……」
「フフフ……ハハハ……ハッハッハッハッ!! そういう事か!! 何故、学園長が君を越智子君の付き添いにわざわざ任命したのか良く分かった気がするよ。ふーん、なるほどねぇ……」
どゆこと?
「えっ? 海藤君、そうなんですか?」
「ああ越智子君……しかし、まさか君があの『伝説の部長』の息子さんだったとはなぁ……びっくりしたよ。でも当時のお父さんも君みたいな感じだったんだろうと想像はつくがな。越智子君、本当に君は運が良いね? ネガティ部にとって彼はある意味『救世主』じゃないか」
今、海藤会長は親父の事を『伝説の部長』って言ったよな?
あんな、ただのお笑い好き親父が伝説の部長って……なんかピンとこないぜ。
でも、あのルイルイが尊敬しているくらいだしなぁ……マジで親父は謎だらけの人だよな?
「そうですね。私も海藤君のおっしゃる通りだと思います。あの時の『占い』のお陰で一矢君と巡り合えていなかったらと思うとゾッとします。ほんと、私はいつも一矢君に助けられっぱなしで……『ブス』で『のろま』で『全然頼りなくて』……」
美代部長、あの占いはルイルイのインチキ占いだつてこと、もう忘れたんですか?
「あ――――――っ!! ず~っと、大人しくしていたら疲れてきたよ~っ!! こんなに大人しくしたのは、もしかしたら新記録じゃないのかな~っ!! カイカイ、そうじゃなぁいぃ~ッ!?」
急に大きな声を出したりしてビックリするじゃないか、テンテン部長!!
「うるさいぞ天翔、まだ話の途中だろっ!!」
「でも、もうヒトヤン君の話で決まった様なもんじゃないか~っ!? どう考えてもネガティ部は世の中に必要な部で、尚且つ四大茶部にもふさわしいって事だろう? でも僕としてはネガティ部には廃部になってもらって、ミヨミヨもヒトヤン君もポジティ部に入部してもらいたいんだけどね~!! でもヒトヤン君の話を聞いていたら《《しばらく》》は誘いづらくなったよな~!!」
しっ、しばらくなのかよ!?
「でも、海藤、珍しく俺も天翔と同じ意見だぜぇ。どう考えたってネガティ部は四大茶部にふさわしいだろ~? でもまぁ俺も正直言ってこの布津野君って子はうちの部にやっぱり欲しいけどよぉ!! どうだ布津野君? ネガティ部はこのまま四大茶部として存続できるんだからさ、安心してうちのアクティ部においでよぉ!?」
「えっ!? そ、それはお断りします。俺は超が付くほど運動音痴なのでアクティ部のお役には立てませんから!!」
「え―――っ!! やっぱりダメなの―――っ!?」
「ンアァアもう!! ホンットにうるせぇ2人だな!? ネッチーもテッチーも少しは布津野君の気持ちを考えられねぇのか!? まぁ、お前等の頭じゃまぁ無理だよなぁっ!」
「ちょ、ちょっと待ってよ~っ『バクバク』!? なんかこの僕も『テッチー』って『チー』がついているんだけど??」
「あぁ、そうだ。お前の事も見下しているからなっ!」
ガァ―――――――――――――――――――――ンッ!!!!
テンテン部長、津田部長の事を『バクバク』って……プッ……
「どうだ、布津野君? アタシも君が気に入った。アタシは別に君にネガティ部を辞めろとは言わないからさ、どうだろう? うちのクリエイティ部と掛け持ちってのはどうだい? だってそうだろ? 君の親父さんも昔、ポジティ部とネガティ部を掛け持ちしていたんだから同じ事じゃないか。そう思わないかい?」
「い、いや、掛け持ちは無理です!! 部活も忙しいですけど、俺はバイトもやってますし……それに毎晩、部員達から次から次とメールが届きまして……それの対応で1日があっという間に終わってしまうもので……絵を描くのは昔から好きですが、今はやはり掛け持ちはできないです。す、すみません……津田部長……」
「ハッハッハッハ!! そうかそうか。君も大変だねぇ~? 部長でも無いのになぁ!? まぁ良いさ。とりあえず《《今日のところは》》諦めるよ。だがその代わり、たまにウチの部に遊びには来てくれよな!?」
「あっ、はい! 喜んで!!」
今、今日のところはって言わなかったか?
「喜んでいるところ申し訳無いのだが、私はネガティ』を四大茶部に存続させるとは一言も言っていないぞ」
「えっ、存続できないんですか!?」
「カイカイ、僕達が存続に賛成しているんだから、それで良いじゃないか~っ!!」
「そうだぞ海藤!! 今までの流れからしてここは存続だろぉ!?」
「フン、この『クールメガネ』め……」
「私としてもネガティ部の四大茶部存続に関しては反対ではない。しかし、要求をしてきたエグゼクティ部の連中はかなりプライドが高くてねぇ。そしてほとんどの部員が『大金持ち』ときている……」
「カイカイ、『大金持ち』なんてこの件には関係ないじゃないか~っ!?」
おっ、テンテン部長がとても良い事を言ってくれたぞ。
「いや、関係無くは無い。彼等の親御さん達のほとんどが、この学園に多額の出資をしているのだ。現在、建設中の『名染伊太大学』等もそうだ。だから彼等の要求を簡単に断ると後でややこしい事になるのも必至なんだよ。なので彼等が四大茶部に入るのを諦める理由を考えなくてはならない……」
諦める理由?
そんなプライドの高い連中が諦めてくれる理由なんてあるのか!?
「そして私は考えた。誰もが納得する理由……いや『勝負』をな……」
「『勝負』!? 海藤、何の『勝負』だよ!? もったいぶらないで早く言えよぉ!!」
「皆も知っているとは思うが、1学期最後の『イベント』は何かな?」
あっ!!
もしかして『期末テスト』での『総合得点勝負』か!?
それならうちの部員は学年トップクラスばかりだから、絶対に『金持ち集団』なんかには負けないぞ!!
「『名染伊太球技大会』……」
えっ!?
海藤会長、今『名染伊太球技大会』って言いました?……
「1学期最後のイベント『名染伊太球技大会』にてネガティ部対エグゼクティ部による『特別競技』として『ドッジボール対決』をしてもらう!! そして勝った方が『四大茶部』として認める。これは生徒会長としての決定事項だ!!」
「ドッ、ドド、ドッドォ、ドッジボール対決!!??」
海藤会長、聞いていましたか!?
俺、さっき超が付くほどの運動音痴って言ったばかりですよね!!??
そして球技は更に超苦手なんだよ!!




