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第65話 ネガティ部初代部長

 し、しかし驚いたぜ!!


 まさかあのルイルイがあの時のアイドルだっただなんて……でもよ~く見たら、ポスターの右上のところにローマ字で小さく『Ruirui』って書いてあるじゃないか!!


 それにルイルイの特徴の1つのあごの下にあるホクロもポスターの顔にもちゃんとあるし!!


 ううっ、俺は今までどこを見ていたんだ!?

 けっ、決して胸ばかり見ていた訳じゃ無いからな!!


 まぁ、親父が言うには高校時代にスカウトされてデビューしたそうで、当時はポジティ部での活動と併用しながらアイドル活動もやっていたそうだが数年で引退したらしい。


 おそらくルイルイの事だから子供の頃、うちの親父に『アイドルになれ』って言われたから、その言葉を忠実に守り『アイドル』になっただけで、芸能界にあまり興味無かったんじゃないのか?


 きっと芸能界よりも部活動の方が楽しかったんじゃないのかな?


 だってあの『ポジティ部』だぜ。前向きな性格の奴等が集まったところだからなぁ……きっと楽しかったはずだし、憧れの親父が在籍していた部活だしな。


 ルイルイが部長の時代だって近所の幼稚園に訪問したりして色々と楽しそうな活動をしていたと思うからな。(恥ずかしいけどネガティ部とはえらい違う活動だよな……)


 でもまぁ、テンテン部長みたいなのが居ればちょっと引いてしまうけどな!!


 それで結局、板挟みの結果、アイドル活動は中途半端な形になって人気もあまり出ず、仕事も減って最終的に芸能界を引退したんじゃないのかと俺は勝手に分析してみたんだが……


 えっ、俺が分析の天才だって?

 そんなに褒めるなよ~照れるじゃないか。


 ただ、今思い出してもにアイドル時代のルイルイは5歳児の俺から見ても本当にめちゃくちゃ可愛かったんだよなぁ……それが今は何であんな女に? って思ってしまうぜ!!


 まぁ顔はあの頃と変わらず超美人なんだけども……ああ、勿体ないよなぁ……


 それにしてもルイルイはいつからあんな口の悪い女になったんだろうか?

 昔はあんなにも可愛らしかったのに……そういえば合宿で他に師匠がいるって言っていたよな? よし、今度聞いてみるか。


 

 親父はここ数年ルイルイとは会っていないらしく、ルイルイの今の『本業』は知らないそうだ。まぁ、それも本人に聞けば済む事さ。別にルイルイの本業なんて俺は興味無いけどな。


 ということで俺はルイルイが昔憧れていたアイドルだったって事が驚きの中心だったけど、他の人達は親父の言う事、全てが驚きで美代部長なんか驚き過ぎて口が『あわあわ』している。


 まず、うちの親父が『元ポジティ部部長』兼『元ネガティ部初代副部長』って事に驚いたようだ。菜弥美先輩は自分が現在副部長で目の前に初代副部長が居るとう事だけで感動しちまって涙まで流していたもんな。


 あと親父の旧姓が『丘志那一志おかしなひとし』である事や親父が『ポジティ部部長』時代に入部した1年生部員『布津野八芽ふつのやつめ』そう、俺の母さんと数年後に結婚した際に『婿養子』となり名前が『布津野一志ふつのひとし』になった事。ついでに俺の1つ下に妹『八花やつか』がいて現在アメリカに留学中である事など……どの話もみんなにとっては驚きでしか無かったようだ。


 その後、予想通り母さんと女性陣とで夕飯の支度をする事になった。そして結局みんなで食卓を囲みながら話の続きが始まっちまったんだ。


 夕飯の時は妹の八花やつかの話題が中心になった。うちの両親も喜んで八花の話をしている。ただ俺としては皆に妹の事はあまり知られたくなかったんだけどな。


 何故かと言えば前にも少し触れただろう?


 そう、あいつは小さい頃から俺と比べようにもならないくらいの超天才だからだ。

 それに比べて俺はごく一般的な普通の少年……いや普通ではないけど、話が前に進まないから今は普通って事にしておこう。


 あいつは一体誰に似たのか、それとも『突然変異』か分からないが天才過ぎて小学生の時にはもう大学生レベルの知識があったんだ。


 その天才っぷりは小学校の中だけではとどまらず、日本中、そして世界へと知れ渡る事になり、ついにアメリカの『どっかの有名な科学者』から八花を研究させて欲しいと両親に直にお願いをしてきたのだ。


 まぁ『あんな』両親だから喜んで当時小学5年生の娘をアメリカに送り出しちまったんだよなぁ……なんか昔のギャグ漫画にこれと近い内容があった気がするが……


 そんな妹に俺はずっとコンプレックスを持っていた。両親は俺も妹も平等に優しくしてくれていたし、妹も俺の事を『お兄ちゃんお兄ちゃん』と『こいつブラコンじゃね?』と思ってしまう程なついてくれていたんだ。


 でも、どうしても俺は心の中で妹を拒絶し、可愛がる事ができなかった。俺は妹の才能に対して嫉妬をしていたんだ。だからそんな妹がアメリカに行く事になっても俺は全然寂しい気持ちにならなかった。っていうか、どこかホッとしている自分がいたんだ。


 そして俺は、そんな自分が嫌になった。



 それから俺が中学3年になり、進路で悩んでいると、親父が自分の母校でもある『名染伊太学園』を勧めてくれたんだ。前にも言ったが『行けば分かる』とだけ親父は言って、俺はそれ以上何も言わず自分を変えようという気持ちでこの学園に入学したんだ。



「一矢~お前、学園に通い出して何か分かったみたいやな~?」


「えっ、何が? 俺はまだ何も分かってないよ」


「そんな事ないやろう? めっちゃ分かってるやん!! ここに居る子らが全てやん!!」


「へっ? 部活のみんなが全てってどういう意味だよ!?」


「まぁ、ええわ。俺に言われて分かってもオモロないからな。その内、ちゃんと理解できるわ~」


「なっ、何だよ。教えてくれても良いじゃんか!?」


「フフフ……」



「と、ところで一矢君のお父様?」


「ん、ミヨミヨどうしたん?」


「はい、一つ気になる事がありまして……」


「ほう、言うてみぃ~」


「はい、ネガティ部の初代副部長は一矢君のお父様だという事は分かりましたが、それでは初代部長はどういうお方がされていたのかなと思いまして……やはり現部長の私としてはとても気になります」


「ああ、初代部長かいな~? 初代部長もみんながよく知ってる人やで~」


「え、そうなんですか? 一体どなた何でしょうか?」


「あぁ、ネガティ部初代部長の名前はな~」


「はい、初代部長のお名前は?」


「現名染伊太学園学園長『名染伊太一郎なぞめいたいちろう』俺の同級生で昔からの親友や~っ!!」



 ・・・・・・・・・・・・


「 「 「 「 「 「えっ――――――――――――――――――っ!!!!」 」 」 」 」 」

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