第102話 メイドさんがいっぱい?
なっ、なんてこった!!
せっかく『ネガティ部』のメンバーだけで、この『夏合宿』を楽しもうと思っていたのに……まさかこんな邪魔が入るとは……
そしてついでに言えば……
「なっ、何で皆さん、メイド服姿なんですか!?」
(ポッ…)「こここれは、あれよ!! 傘下である私達が布津野君をおもてなしするには、やっぱりメイド服を着ておもてなしをするのが一番じゃないかと皆で考えたのよ!! ねっ、二人共!?」
「花持部長、それは違いますよぉ。花持部長が布津野君を喜ばせたいから絶対にメイド服を着るんだって言い出して、無理やり私達も巻き込んだだけじゃないですかぁ」
「ななな何を言ってるの、上空さん!? 私が無理に押し付けたみたいな事を言わないでくれるかしら!! まったく、人聞きが悪いわね……」
イヤ、絶対コレ上空先輩の言う通りだろ!!
「いずれにしても、この別荘は隣にいる私の親友の『師本佳代』ちゃんの別荘だし、それにあなた達に別荘は提供するって言ったけど、私達が一緒に行ってはいけないなんて約束をした覚えは無いわ。まぁ、心配しないで。アナタ達の『合宿』の邪魔をする気は全然無いからさ」
この人、ホントややこしい人だよなってか、師本佳代……?
師本……佳代……しほんかよ……資本家……?
「あ、あのぉ……師本先輩の親って資本家とかですか?」
「あら、そうよ。布津野君よく私のパパのお仕事がわかったわね?」
誰でもわかるわ!!
「ハ、ハハハ……ま、まぁ、それなら良いんですが……ぜっ…絶対に邪魔だけはしないでくださいよ!? 花持先輩いいですね!?」
「わっ、分かってるわよ! 布津野君もしつこいわね! そんな事よりも、私達のメイド姿を見て布津野君は何の感想も無いのかしら!?」
「え感想ですか!? えっと、えっと……感想かぁ……うーん……普通に可愛いとは思いますけど……」
(ポッ)「かかか可愛いですって!? 女子に対して簡単に『可愛い』って言うだなんてほんとアナタは『女ったらし』よね!!」
「はぁああ!?」
「可愛い」って言って欲しかったんじゃねぇのかよ!!
「花持さん、本当にとても可愛らしいです。凄く似合っています」
「おおお越智子美代!! ア、アンタなんかに褒められても全然嬉しく無いんだからね!!」
ツンデレかよ!?
「す、すみません……余計な事を言ってしまいました。私みたいな『ブス』が人様に向かって『可愛い』やら『可愛くない』などの判断をする権利なんてありませんでしたね。本当に申し訳ありません……」
あちゃ~美代部長、他人に自分の事を『ブス』って言っちゃダメですって!!
「おおお越智子美代!! あんた私をバカにしているのかしら!?」
「えっ?? わ、私は何も花持さんをバカにする様な事は……」
「花持部長、もうそこら辺で勘弁して下さいよ。花持部長が可愛いのは本当の事ですから、そろそろ俺達を別荘の中に入れてもらえませんか? ルイルイの運転のせいで、俺達もう疲れ切っているもんで……」
(ポッ)「かかか可愛いのは本当なの!!??」
「もう良いから、早く中に入れろ!!」
「は、はい、ご主人様!!」
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うわーっ、な…なんて豪華な部屋なんだ!!
こんな部屋、テレビでしか見た事が無いぞ!!
「とても広いお部屋ねぇ!! それに天井のシャンデリアも凄く豪華だわ~!! あと壁に掛かっている絵画も美術の教科書で見た事あるものばかりだし!! 自分の家と比較しちゃいけないけど、ツイツイ比較してしまうわ。ああ、なんだか悲しくなってきたなぁ……到着早々、悩み事が増えそうだわ……」
「な、菜弥美先輩、そんな事くらいで悩まないで下さいよ!! 菜弥美先輩は美人だから、きっと大金持ちの人に見染められて玉の輿に乗れますって!!」
(ポッ)「ひひひ一矢君!! 前にも言ったけど、私は決して美人じゃ無いからね!! それに私なんかに大金持ちが好きになってくれるはずも無いし……それに私はお金持ちになりたい訳じゃ無いから……わ、私は愛さえあれば、相手がどんな人でも構わないわ!! たとえ『年下』だろうが……『普通の人』でいいのよ……」
なんか少し引っかかるけど気にしないでおこう。
「私、舞奈ちゃんを部屋に連れて行ってくるわね」
「あっ、テルマ先輩、ありがとうございます!!」
「舞奈ちゃん、大丈夫? 私がおぶってあげようか?」
イヤイヤイヤイヤ~ッ!!
テルマ先輩、それは無理でしょう!!
舞奈の方がテルマ先輩よりも、一回りくらい体大きいのに……
ハッ!!
い、今、俺は心の中で突っ込んだよな!?
口に出して言っていないよなっ!?
一瞬、焦っちまったぜ。舞奈に聞かれたら血を見るところだったぞ。
「ん? そういえば、いつの間にかルイルイが居ないですね? 何処に行ったんだ、あの女は?」
「あぁ、あなた達の顧問ね? あの人なら、運転で疲れたから部屋で休憩すると言って寝室に行ったわよ」
「えっ、そうなんですか?」
珍しくあの女が疲れて大人しく寝室に行っただなんて……いや待てよ、本当に疲れて寝室に行ったのか!?また何か企んでいるんじゃないだろうな……
「んで、俺達の部屋って何部屋お借りできるんですか? こんなに大きな別荘なら、1人1
「いや、ゴメンなさいね。実は少し訳があってお部屋は4部屋しか用意できないのよ。だから、そちらで誰と一緒の部屋にするかは決めてちょうだいね」
「は、はい、分かりました」
うーん、そっか~1人部屋の方が気を遣わなくて良かったんだけど、まぁ、仕方無いよなぁ。とりあえず、4部屋もあれば組み合わせは簡単だな。
美代部長と舞奈の従妹同士に菜弥美先輩とテルマ先輩の2年生女子同士、そしてメッチャ嫌だけど俺と子龍先輩の男子同士……そして顧問のルイルイが一人部屋って感じだろうな。
「ひっ、一矢君!! 僕は絶対、一矢君と同じ部屋だよね!? 男同士だしね。これは朝まで男同士の話ができるよね!? 男同士だから何でもできるよね!? 考えただけで興奮してきたよっ!!」
興奮すなっ!!
んで、「何でも出来る」ってどういう意味だよっ!?
子龍先輩はルイルイの事を憧れているんだから、無理やりルイルイと子龍先輩を同じ部屋にしてやろうか? いや、それもややこしい事になりそうだしなぁ……
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【とあるマイクロバスの中】
ブ―ン……ブ―――ン……
「部長、窓をしめていただけませんか? 強い風が入って来てヘアースタイルが乱れます」
「あっ、ゴメンよ~っ、ムキムキ~っ!!」
「ところで私達はいつになったら目的地に到着するのですか?」
「ハッハッハッハ、そうだね~っ!! いつになったら到着するんだろうね~っ!? でも僕は楽しんでるけどねぇ~っ!!」
「部長は『超ポジティブ』だからこんな状況でも楽しめるんですよ。でも他の部員達はもうそろそろ疲れが限界にきているみたいですよ」
「それもそうだねっ!! 先~生っ!! 『ショウショウ』先~生っ!! あとどれくらいで目的地に到着するのですか~っ!?」
「ゴ、ゴメンよ、天翔君……あともう少しだから……もう少しだけ辛抱してもらえないだろうか……」
実は道に迷ったなんて、彼等には絶対言えないぞ……
「わかりました、ショウショウ先~生っ!! 運転頑張ってくださ~いっ!!」
ショウショウ先生、絶対道に迷ったわね……
嘘をつくと頭が左に傾くクセのある人だけど、今まさに頭が左に傾いているし。でももうしばらく様子を見ましょうか……
「あぁ〜、早くミヨミヨやヒトヤン君達に会いたいなぁ~っ!!!!」
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ゾクゾクゾクッ!!!!
ブルッッ!!
「一矢君、急に震えてどうしたの?」
「えっ!? いや、何でも無いですよ菜弥美先輩……」
「……? なら、良いんだけど……」
今の体の震えは一体何だったんだ!?
い、嫌な予感しかしないぞ。
俺の嫌な予感は毎回当たってしまうしなっ!!
ちょっと作者、いい加減にしてくれよな――――――――――――っっ!!!!




