1.少女との登校風景。
ここから、第1章(*‘ω‘ *)
気軽に書くぞい。
――翌朝のこと。
「ケイネス様の取り巻きが、新入生に負けたらしいぞ!」
「嘘だろ!? あの二人だって、学年順位は相当上のはず……」
「しかも、噂によると新入生は平民を守ったらしい」
「貴族が平民を!? 馬鹿な話あるかよ……!」
なにやら、昨日の一件のことが早くも噂になっていた。
学園生は校舎に向かう最中、口々にそれを話す。いったい誰がそんな――と、あらぬ憶測が飛び交っており、俺も思わず苦笑いをしてしまった。
たしかに、第四王子に逆らったのは不味かったかもしれない。
それでも俺はイジメ――強者が弱者を一方的に、というのが許せなかったのだ。だから昨日、ベネットを助けたのであって、英雄気取りをしたいわけでもない。
「そんなわけだから、あまり寄らないでほしい……」
「え、駄目なんですか!?」
さらに加えて言えば、隣を笑顔で歩く緑髪の少女――ベネットのように、俺を特別扱いはしてほしくなかった。先ほどから彼女は、俺のことを『様付け』で呼んでくる。まるで、こちらに仕える従者であるかのように……。
「アタシはただ、ジーニアス様にご恩返しを――」
「いいから、そういうの。俺は別に、何かしてほしくてキミを助けたんじゃないんだ。普通に同級生として、普通の学生として扱ってくれ……」
「…………!」
なので、ついに限界に達してしまった。
俺はベネットにそう伝えると、彼女は驚いたように目を丸くした。
そして、今度は嬉しそうに笑うのだ。
「それじゃ、ジーニアスくん! これからいっしょに、頑張ろうね!!」
手を差し出してくる。
これは、いったいどういう意図があるのか。
俺はしばし考えてから、ひとまず少女の手を取った。すると――。
「おわ……!?」
「それじゃ、早く学校へ行こう!!」
「待てベネット、キミ……足速くないか!?」
なにやら、超特急で引っ張られてしまうのだった。
そんな感じで、学園での最初の一日は幕を開けるのである……。
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