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一風変わった婚約破棄

同音異義語って怖い。

作者: BrainOfKeios

その国で最も大きい大神殿でその悲劇は発生した。


「私の呼びかけに応じ、皆の者が集まってくれて大変嬉しく思う。今日ここで2つの大きな発表と

そして一つの断罪を皆を証人として行いたいと思う。」

その国の第一王子アトラスが言った。


集まった中から宰相を務めるクロス公爵家ボーンが一歩前に出た。

「アトラス殿下、王家のものだけが使える緊急召集令状を使っての貴族の全召集とは一体何事ですか?」


「お前には心当たりがないのか?」


「殿下?私ですか?いえ、現在我が国を攻めようとしている国もなく、災害などもない、若干の渇水や

飢饉はありますが対応はうまく言っていると把握していますが……」


「惚けるのならいい、アトラス第一王子の名においてここに宣言する!俺は偽りの聖女クリスとの婚約を

破棄し、真の聖女ミカと婚約を結ぶ!!」


「王子それは一体?」


「そして偽の聖女クリスが、真の聖女ミカに対し数々の失礼な態度、いじめ、虚偽を行なったことにたいする

罰として、王家のものが生涯1回だけ使える特権を行使し、死刑を宣告する!!」


「王子、まず我が娘がなぜ偽の聖女と呼ばれるのですか?」


「そんなこともわからないのか、この愚か者!それともお前の画策か!」


「王子、私や我が家はなにも/何ひとつ画策などしておりません。そしてなぜミカ令嬢が真の聖女であり

我が娘が偽の聖女であると思うのですか!証拠はあるのでしょうか?」


「大司祭ここに来てくれるか?」


「はい殿下!」


「王子、まさか?」


「そうそのまさかだ」


「ミカ令嬢、ここに!!」


「はい殿下」

ミカ令嬢が一歩前に出てきた。


「今より真実の誓いの儀式を行う、この儀式中に嘘を言うと神罰の光でその体が塩の柱となる。

もう一度言う虚偽は許されないが本当によろしいか?」

と大司祭が言った。


「はい、私は一切嘘をつきません。」


「よろしい、それでは真実と計量を司る神ライブラの御力を持ってここに 真実の誓いの場を形成する。

真実の誓いを行うものはその中へ!」


祭壇の前に青く光る場が生まれた。

そしてミカ令嬢は、その場の中に入りこう言った。


「私はまちがいなくせいじょです。」


そして何も起こらなかった。そして彼女はその場から離れる。


「宰相!どうだ、何も起こらなかった。そうつまり彼女こそが聖女。聖女は同時に世界には一人しかいない

つまりお前の娘は、聖女ではない!!」


クリス令嬢が一歩前に出てきて言った。

「殿下、私は教会から聖女の認定を受けたものの、自分から聖女と名乗ったことはありません。

それがなにか罪にあたるのでしょうか?」


「聖女を騙ったのは罪だ!」


「殿下、教会の認定が間違いであると私に言えとおっしゃられているのですか?」


「そうだ!自分で自分が聖女ではないことぐらいわかるだろう。」


「殿下、教会の認定は神託であり、それに逆らうことはできないのをご存知ですか?」


「それがどうした」


「殿下わかりました。それでは、それが私の怠惰の罪であると言うなら受け入れましょう。

ただミカ令嬢への誹謗中傷やいじめなどは私は一切おこなっていないのですが…」


「何を言うミカ令嬢は会うたびに人前で叱責を受け恥をかき。あえてゆるい表現としたが

学園ではお前に色々なものを盗まれたと聞いているぞ!!この泥棒め!!」


「殿下、なにか誤解があるようですが?」


「なにが誤解だ!この犯罪者め!!嘘だと言うならそこで神への宣言をやってみろ!!」


「はい殿下、私は一切の嘘を言っておりません。それを証明させていただきます。」


クリス令嬢は、少し震えながら真実の誓いの場に入りこう宣言した。

「私、クロス公爵家令嬢クリスは、正当なる男爵家令嬢ミカに対し、

この国の法に裁かれる犯罪行為を一切おこなっていないことを

ここに神の名の下において宣言します。」


そして何も起こらなかった。


「大司教!これは本当に真実の場か?おかしくなったのか?クリス令嬢が塩の柱にならんぞ?」


「殿下、これは正しく神の場です。私をお疑いになるのですか?」


「ああ、クリス令嬢の言葉には嘘がある。なのに塩の柱にならないのはおかしい。

私の言葉が真実であると誰か証明せよ、証明したものには私が王になった暁には

厚遇しよう。」


一人の若者が出てきた。

「私は、アーレン騎士爵家嫡男グルカです。王子の名に従いここにこの神の場が偽物であることを

証明して見せます。」


「よく言った!さあ証明してみせろ!!」


グルカは、神の場に入りこう叫んだ!!


「俺は、自分が女性であると神に誓おう!!」

そして何も起こらなかった。


「どうだ、この神の場はおかしくなっている!!つまりお前の宣言は認められない」


クリス令嬢は言った。

「殿下、なら先のミカ令嬢が聖女であると言う宣言も証拠にもなりませんが・・・」


「うるさい、もうそんなことはどうだっていい!!お前は死刑だ!!」


クロス公爵家ボーンが言った

「アトラス殿下、何も罪がない我が娘に何の嫌疑での死刑宣告でしょうか?」


「うるさい、うるさい、うるさい!!死刑と言ったら死刑だ!!」


「殿下、我が家の爵位とを宰相の地位全てを陛下にお返しし、できるだけ早く我が家は

娘も含めこの国を去りますのでそれだけはご容赦いただけないでしょうか?」


「全てを国に返上しての国外追放か……それならいい、本日中にこの国をでよ!!」


「殿下、お言葉ですがこの国は大国、早馬を乗りつぶしながらでの緊急移動でも

一ヶ月はかかります。せめて準備も含め1年はいただけませぬか?」


「1年はだめだ、3ヶ月だ!!」


「殿下わかりました。それでは急ぎ返還と退去の準備にかからないといけないため

失礼させていただきます。王国のますますの繁栄をお祈りしております。」

そして公爵は渋るクリス令嬢を引っ張りながら大聖堂をさっていった。


その後全ての貴族がさった後、下男の男が清掃していたとき

「試しに俺も宣言してみますかな、俺は女だ!!ははは…」

男は塩の柱となった。その後見つかった塩の柱は誰かのいたずらであり

下男は行方不明とされた。そして最後のチャンスは失われた。



        ーー そしてその夜  ーー



「父上、なんであのとき反論もせずに全てを捨てる宣言をしたのですか?」


「それはこの国がもう終わるからだ。」


「え?国が終わる?」


「お前は気がつかなかったか?ああすまんあれは当主のみへの引き継ぎ事項だったな」


「父上、引き継ぎ事項ですか?」


「ここだけの話だが、彼女はおそらく せいじょ であって 聖女ではない」


「???」


「ああ、こう言うとわからんな紙に書いてみよう」


「せいじょ?なぜこれは庶民のつかう口頭語でかかれているのですか?」


「お前は同音意義語と言うのは知っているか?」


「はい同じ読みで違う意味ですよね?」


「そうだ、そしてあのせいじょと言う読みには色々ある、聖女、星女、清女、声女、凄女 まあこの辺は

いい意味だから国は滅ばないが、問題は性女だ」


「性女?」


「言い方を変えればサッキュバスだ」


「え?サッキュバスですか?まさか?」


「そう、そのまさかだ。お前も王子があまりにも馬鹿すぎることに気がついたか?」


「ええ、最近とみに異常な行動が増えてきて不思議に思っていました。」


「そうだな、そして今日のことはおそらく仕組まれていたんだろう。」


「仕組まれていた?」


「そうだ、大司教の権威を下げ放逐することと、聖女であるお前の排除だな」


「ま・・・まさか?」


「そのまさかだ、おそらくこの国の上層部はすでにあのサッキュバスに支配されているんだろう。

そして聖女が生まれてくる我が家のものにはその力が及ばないのでそれが目障りだったんだろう」


「父上一大事ではないですか」


「ああ、そうだそしてもう手遅れだ。」


「なぜ手遅れと…」


「先日王妃が逝去なされたのは知ってるな?」


「ええ、葬式には私も参加しましたので。」


「あれはおそらく事故ではなく事件だ。」


「え?事件?まさか」


「そう、おそらくあのサッキュバスの仕業だ。そうなるとすでに王も取り込まれていると考えたほうがいい、

実際最近王の私への態度も変わってきていたしな。」


「父上この後どうなされるのですか?」


「もう対処するのには遅すぎる。あとは領民を連れて逃げるだけだな」


「領民を連れて逃げる?それはいったい?」


「我が家が、隣国から誘いを受けていたことはお前も知っているだろう。」


「ええ、隣国のアーレン聖王国から我が家の血を目的とした誘いですね。」


「あれに乗って、領地丸ごと出奔しようと思う。」


「え?」


「流石に謀反を疑われては困るので、すでに破棄したが、あの国からは、もし鞍替えするなら

領地も踏まえ安堵するとの書状をもらったことがある。」


「まさか?」


「そうだ、我が家は明日からはこの王国を捨てて、アーレン聖王国に逃げる」




         ーー そして1年後 ーー



「父上、早かったですね。」


「ああ、予想より早かった。まさかあの国が、我が家が所属するアーレン聖王国を魔の国として

攻め込むために勇者召喚をするとは…」


「ええ、そして召喚された聖なる勇者によって、サッキュバスが討たれ全ての洗脳が解けるとは…」


「正直、前代未聞だがいきなり最強の力を持った勇者を召喚するとは、これも神のお導きかな?」


「ですわね。えっと勇者様のお言葉を借りれば、聖なる勇者ではなく オレツエー系勇者でしたっけ?

オレツエー系ってすごいんですね。」


「ああ、そしてサッキュバスを倒したあとは、女神によって天界に昇天なされたと聞く。もしかすると神の

一柱だったのかもしれないな・・・」


「まあ、それはいいんですが父上、王子がすごい勢いで迫ってきて大変なんですがどうにかなりません?」


「いやぁ、聖女の力目的の勧誘だと思ったのだが、まさかお前目的だったとは…」


「父上困ります。まさか今年で8歳の王子に見初められて、私が欲しいからって戦争を

起こしかけていたなんて聞いていません。」


「といってもだなぁ…」


そこに聖王国第一王子カーンがやってきた

「逃げちゃダメです。あなたは悪役令嬢なんだから目を話すとすぐ死亡フラグを立てるんだから。

死亡フラグを全部乗り越えて、私のお嫁さんに絶対するんですからね!!」


「王子、さすがに10歳差は無理です。あなたが適齢期には私はおばちゃんですよ」


「大丈夫、さっき神様脅して若返りの薬もらってきたから大丈夫、えい!!」


あまりに咄嗟のことで誰も止められず、王子がクリス令嬢に何かの薬をふりかけた。

そしてクリス令嬢の体が光った


「え?私?」


「これでクリスも5歳になったから大丈夫、さぁこれでかなりの数の死亡フラグが減ったぞ!!

さぁ悪役令嬢物語第二章のシナリオをぶち壊し私の推しを嫁にするぞ !!」


「えーーーーー!!」

補足


勇者 

この世界が乙女ゲーの世界と知らないオレツエー系勇者

魔王を倒したらご褒美に女神とうふふなことができると言う

契約でこの地に降りたつ。


隣国

この乙女ゲームの第二章の舞台の国

予算不足で悪役令嬢の立ち絵を流用するためだけに

前作の悪役令嬢を無理やりこの国の王子の婚約者に・・・



隣国の王子

同人誌でみかけた悪役令嬢に一目惚れ、死んだ時

に神に転生先を聞かれた際に悪役令嬢への愛を語り

ドン引きされた過去があり。


もともとリアルチートな能力を持った上に転生時に

チート能力もらったおかげで世界のバランスブレイカーに・・・

正直すでに神でも抑えられない化け物で死後、嫁も連れ

最低でもこの世界の管理神になることが決定ずみ


あと例の灰にならなかった人は本人も知りませんが

見た目だけ男性で実際は女性という半陰陽です

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― 新着の感想 ―
[一言] クロス公爵家令嬢クリスが元々の聖女、男爵家令嬢ミカがサッキュバスという理解で合っておりますでしょうか。 クリス令嬢があちこちで「クロス」令嬢になっているのと、クリスとミカの表記が逆ではないか…
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