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おまけ
天界の龍の国。辺りは七色の光に包まれ、花々の咲き誇る草原、花の間を蝶や妖精たちが飛び交う。背中に羽をつけた子供たちが草原をはしゃぎ回っている。
子供たちの走る先のに、横たわる男の靴先が見えた。
「見て、見て、誰かいる」
子供の指差す先に、草花に埋もれて、大地を抱くように眠る男の姿があった。銀色の長い髪に花の香りを漂わせ、黒いジャケットに包まれ、どこか気品を感じさせる顔立ちである。
「わぁ、天使だ」
子供たちは男を囲んだ。
「天使だ。天使がお昼寝しているよ」
「しっ、目を覚ましちゃう」