俺たちの反抗期
アビが俺の中から音信不通になって8年の歳月がたった。
未だにその真相は分からず。アビは転生ときに死ぬまでお供しますとか何とか言っていたのに・・・
消える前の最後の日もいつもより口数が多いなと思ったが、アビはいつもと変わらなかったと思う。
急の出来事であり、音信不通になってから数日間はいないといないで寂しかった。
しかし、それも数日くよくよはしていられなかった。
アビとの策を実行するために動かなくてはならなかったからだ。
それと、よくよく考えると、ふらっと俺の元に返ってくる気もしていた。
それとアビの突然の音信不通によって俺の思考での独り言、一人会話の癖が板についてしまった。
なのでこれもまた独り言・・・
そして、この世界の勉強をしていき留学の準備を着実に整えていった。
そのことはお姉ちゃん、ミーシャさん、沙織さんにも話した。
彼女らは少し悩むそぶりを見せたが、何故か快く引き受けてくれた。11歳の決断力は恐ろしものだ。
不安よりも好奇心の方が勝ったのだろう。
しかし、まだ問題は残っている。
しかも最大の関門・・・
両親の説得である。
幾ら子供が日本へ外国へ留学に行きたいと言っても、二つ返事で了承する親はさほどいないだろう。
なので、時を待った。8年も待った。
その間に俺たちは転生前の記憶にはあまり触れず、留学のための語学の勉強に励んだ。
そのようなことがあり、俺は13歳、お姉ちゃんたちは17歳になった。
機は熟した。
流石に小学生での留学は気が引けたので中学生になるまで待ったのであった。しかし、日本の学校に合わせると中学2年生からの転入になった。。
お姉ちゃんたちは高校に編入して日本の大学を目指すという算段だ。俺も一応最終的な目標も大学にしておく。お姉ちゃんの留学を機に見聞を広めておくという事だ。
そしてカレンが
「お母さん、お父さん話したいことがあるの、ちょっと時間いい?」
ついに留学のことを切り出した。
「なーに?カレン?」
「どーしたカレン?急に改まって」
ついに
「私を日本に留学させてください!」
・・・・・
・・・・・
沈黙が続いたが、
それに便乗して
「お、俺も行きたい!」
・・・・・
・・・・・
またもや沈黙となった。
そして
「えええーーええ!!」
「なっ、にににーーーーー!!」
「「日本へりゅうがくー!?」」
「それに、ノアちゃんも!?」
「お前もかっ!?」
驚いている両親を皮切りにカレンは自分の考えを明かした。
「うん、日本に留学したいの。そして、日本の大学に入りたい。ノアちゃんにもこの事話したらついて行きたいって。それにちゃんと調べてできるだけお金のかからないように勉強して、奨学金をもらって行く。お母さんたちには迷惑はかけない。だからずっと日本語の勉強をしてきた。ノアちゃんも頭がいいから多分大丈夫。だから、もしそれが受かったら日本に留学させてください。それに友達と一緒に留学する。だから、生活面も大丈夫・・・・と思う。」
そこまで裕福ではないアルフォード家だから前世の知識で知っていたスカラシップでいくことにしたのだ。
ミーシャ、沙織はもう既に両親の了承を得ている。二人はあとスカラシップをとるだけだ。
そして、残るノア、カレンが両親から了承を得れば、恐らく問題なく留学できる。
「そうか。」
キラはその短い返事をした。
「キラ・・・」
クレアはキラの事を見つめ答えを待った。
いつもは尻に敷かれているキラであるがここぞとばかりに父親としての威厳を取り戻し、一家の大黒柱となる。それを分かっているクレアは黙った。
そして、カレン達には永遠とも感じられる時が過ぎ
ついに
「よっし!よかろう!留学を許可する。ただし・・・」
「「ありがとう!おとうさ・ん?ただし?」」
その言葉の後、二人はごくりとつばを飲み込み、固唾をのんだ。
キラは真っすぐと二人の目を順番に見ていき
そして
「ただし、俺とクレアも日本に行く!!」
「「ええええーえええ!?」」
二人は予想外の言葉に驚いた。
それに対しクレアは
「あらあら、キラったら、ふふっ」
あたかもその答えが分かっていたような、落ち着いている。
「そうと決まれば、即行動!クレア!カレン!ノア!日本に行くぞ!」
「はいはい、でも色々と手続きが発生するから勿論今日明日では無理よ。それにカレンが言っていた奨学金の選考があるみたいだし。だけど、最速でやるわ!一か月ってとこかしら」
「そうか、助かるクレア、よしお前ら一か月でここ出発するからさっさと奨学金をもぎ取ってこい!」
「ちょ、ちょ、ちょっと待って!!本当にいいの?しかもついてくるって!?話をしだしたのは私だけど全然話が見えないよ!」
話がとんとん拍子で進んでいく中、事の発端であるカレンがもはや話についていけていなかった。
「おねーちゃん、もう、あきらめよ・・・そんなこんなでも留学の許可が出たわけだし、上々だよ。」
このやり取りで何故キラがお母さんと結婚できたかの所以が見えた気がしたな・・・
「もー、せっかくの娘の決断を踏みいじるなんてー、なんか逆ドッキリされたみたい・・・」
分かるわーそれもうこれ事前にわかってたんじゃないってくらい話が進む進む。
まぁ、何はともあれ日本行きが決まった。
キラは仕事とかどうするのやら・・・
特に言葉の壁とかに」
それでもなんやかんや、何とかなりそうで怖いけど・・・
意外と商社マンとかになってそう。
それからすぐにスカラシップの選考が始まり、早くからの日本語の勉強のおかげで留学に行く4人は無事に選考が通り奨学金を獲得が出来た。
その間にクレアがミーシャ達の両親との話が付き、日本での留学にはその二人も一緒に暮らすことになった。グッジョブ!ママン!
その後も一か月後まで基本的な会話ができるまでクレア、キラに毎日日本語を教えた。(カレンが)
カレン達同様呑み込みが早く、この国の人たち?の才能を垣間見た気がした、ノアであった。
なので、一か月が経ち読み書きはまだ拙いが、話や聞き取りはできるようになった。
そして、遂に日本へ旅立つ日が来た。
この一か月のおかげでパスポートやビザの申請も終え、日本での住居も確保し準備万端で迎えた。
ノア的に前世の経験から比較すると異様に早かった気がするが、カレンの手腕のたまものであろう。
それでも、お金は足りたのであった。不思議なことに・・・
「みんなー、準備できたー?飛行機に乗るわよ!」
クレアの号令から始まり
「「「「はーーい」」」」
と子供たちは答え。
「やっとこの時が来たか、俺が日本で活躍する日も遠くない・・・」
「キラ!置いていくよ!」
「ま、待ってクレアー!」
キラがいつも通り平常運転で尻に敷かれている。
あの時はホント誰だってのやら・・・
それでも全員無事に乗り、離陸にこぎつけた。
半日もすれば日本との再開だろう。
まってろ!
マイジャパン!
これから少年編かな?時系列が難しい・・・
調整としてカレン達の年を9歳にしました。こっちの方が都合がいいので。
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