天国。
人は、心に花を咲かす。
「感情」や「想い」が花を咲かす。
寂しがり屋の神様が、ほんの出来心で作ったその庭は、たくさんの人から贈られた花で埋め尽くされている。
「希望」のガーベラ。
「絶望」のマリーゴールド。
「思い出」のライラック。
「信頼」のマーガレット。
「裏切り」の月桂樹。
「絆」のヒルガオ。
「魅惑」のオレンジのバラ。
「上品」のピンクのバラ。
「嫉妬」の黄色いバラ。
「失われた愛」の白いチューリップ。
「永遠の愛」のキキョウ。
「期待」の白いアネモネ。
「新しい恋」のハイビスカス。
「望みのない恋」の黄色いチューリップ。
「小さな幸せ」のスミレ。
どの花も綺麗に咲いていて、朝霧でたまに葉を濡らす。
人が誰かに出会うほど、その花畑は彩られていく。
そして、人が死んでここを訪れた時、揃って思うんだ。
「あぁ、ここが天国か」ってね。