表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メガロポリス未来警察戦機◆特攻装警グラウザー [GROUZER The Future Android Police SAGA]《ショート更新Ver.》  作者: 美風慶伍
第2章エクスプレス サイドB① 魔窟の洋上楼閣都市/死闘編
470/470

Part 40 死闘・武人タウゼント/折れぬ闘志

 そして数歩進みだしながらタウゼントは言葉を残していく。

 

「准尉殿もご武運を!」


 その言葉と同時にタウゼントが脚底部から電磁遊離プラズマガスを噴出させて一気に飛び出せば、権田は完全に両足で立ち上がり再び攻撃態勢を整えると、電磁破砕ハンマーを振りかぶろうとしていた。そこに攻撃布陣の両サイドから、左右に4名つづ展開した右左翼のグループが牽制攻撃を始めた。重比重フレシェット弾と高出力電磁放電ショットシェルを敵の頭部メットに叩き込みつつ、権田の行動を阻害していく。

 その間にタウゼントは権田の右脇をすり抜けると、巧みに敵の背後へと回り込んだのである。

 

「小僧!」


 低く抑えつつもよく通る声で権田へとタウゼントは声をかける。それに対して権田は静かなる男たちからの攻撃をかいくぐりつつ、背後に視線を向けようとする。その仕草を認めたタウゼントはさらに荒々しくこえをかけたのである。

 

「大概にするのである! 貴様に逃げ場は無い!」


 だがその権田の方も、周囲を包囲されての牽制攻撃の弾雨に晒されたことで、イラつきは頂点に達しようとしていた。


――ギリッ!――

 

 メットの中で奥歯が割れんばかりの歯ぎしりを立てると、怒号一閃大声で叫んだのだ。

 

「やかましぃ!! 犯罪者ァ!」


 そしてその怒号をスイッチにするがごとく権田が身に纏っていた装甲スーツは変化を見せたのだ。

 

【 回折レーザー誘導式           】

【       超高電圧流曲射攻撃システム 】

【      ―― 雷神咆 ――      】

【                     】

【 >レーザー誘導放電端子         】

【  ≫肩部、背部、前腕部 ――展開――  】

【 >スーツ内高電圧昇圧トランサー     】

【     ――作動開始、昇圧スタート―― 】

【 >アイドリング放電 ――スタート――  】


 権田の装甲スーツの6箇所に放電端子が展開される。背面、肩、そして前腕、そこから放たれる放電攻撃を駆使する物と推測される。さらに権田は両脚の抗地磁気反発加速システムを駆使して勢いよく背後へと振り向いたのだ。

 

「潰れろぉ!!」


 6箇所の放電端子から6条の紫電が稲光となってほとばしり、静かなる男たちはもとよりタウゼントの体にも雷撃を正確に浴びせたのだ。そしてその雷撃が隙を生み、タウゼントは2度目のハンマーの打撃をもろに食らうこととなったのである。

 

――ガァアアン!!――


 金属へと大型ハンマーが打ち据えられたような異音が響いた。その後にタウゼントが放物線を描いて飛んでいく様がボルツの側からも見えていた。闇夜の中を弾き飛ばされるタウゼントの姿にボリスも思わず叫んだ。

 

「伍長!」


 雷撃と打撃の連鎖攻撃にさしものタウゼントも為す術なかったかのようにも見えた。ボリスとは裏腹に権田が口にしたのは喉の奥から異物が取れたかのような心地よさに満ちていた声であった。

 

「目障りなんだよ!」

 

 しかしだ――、これで終われるはずがなかった。

 

「我輩の闘志と矜持を、これくらいで折れると思うたのか?! 若造!! 甘いわ!」


 怒りに震える声でタウゼントは叫んでいた。そしてその身を空中で翻して姿勢を制御していく。戦いは終わらない。今再び、全身全霊をかけて戦いが再開しようとしていたのである。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ