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メガロポリス未来警察戦機◆特攻装警グラウザー [GROUZER The Future Android Police SAGA]《ショート更新Ver.》  作者: 美風慶伍
第2章エクスプレス サイドB① 魔窟の洋上楼閣都市/洋上スラム編
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インターミッション『超人の背骨を作った男』 ―大久保克己―

・超人の背骨を創った男


 人工脊髄


 大久保 克巳

 Katsumi Ookubo

 警察庁第2科学警察研究所


 ロボットと言う物にとって本来『歩く』と言う行為は最大の難関だった。

 一見、何の変哲もない動作だが、実際にこれを機械にさせてみるとなると気の遠くなるような計算と機械の制御テクノロジーが要求される。

 それまではその動きを全て計算で処理してリアルタイムに制御していた。これでも実用に耐えうる動作は可能だがどうも頼りない。

 その後、ニューロ制御などの技術も登場したのだが、やはりどれも人間を超える事は不可能とされてきた。

 だが大久保はこの不可能に敢えて立ち向かった。 

「感」「反射神経」この二つの要素が不足しているためロボットやアンドロイドは人間を超えることが出来ない。ならば『その反射神経その物を作ってしまえばいいではないか』彼はそう結論づけた。

 大久保は、人間の反射の神経機能に相当するものとして、小型ニューロプロセッサを大規模多重化光デジタルネットワークシステムで直列に繋いだ『人工脊髄』なるものを造り上げた。

 これは、一つ一つの小型プロセッサーが脊髄神経の神経節にあたる物で、ロボットのメイン頭脳から発せられる機体制御信号のうち、類似した反復信号を、ネットシステム自身が学習、効率的な短絡回路を自動構築してしまうのだ。こうする事により単純な動作は人工脊髄がひきうけることとなり、いちいち頭脳で計算しながら行う必要が無くなる。そのため運動能力は飛躍的に向上する。さらにはメイン頭脳の負担が軽くなるため、さらに複雑で高等な判断を機械に委ねられるようにもなるのだ。

 これにより、危険個所での救助作業、バランス感覚の要求される高所での作業、など、それまで人間自身でなければ不可能だった分野にもロボットやアンドロイドが参入できる見こみが立つ事となった。

 21世紀の今、機械は、ついに大久保の手により人を超えようとしている。

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