レアが来て
シャネルちゃんもヒロインでした。レアの前にでてましたね。
レアが寝ているときにステータスを覗いてみたら、ヤバかった。
名前 レア (3歳) 龍人
体力 E( 潜在 S)
魔力 F (潜在 C)
筋力 E (潜在 S)
生命力E (潜在 S)
理力 F(潜在 B)
素早さ F (潜在 A)
なんかどこまで延びるかまで見えたし種族が龍人になってるし。Sが大量にでてるな。レアは英雄の器だってことだな。やっぱり運命だったのか。・・・胸糞悪いな、俺がいなければレアは捨てられずにすんだんじゃないか?親と離れないで幸せになれたんじゃないか?
・・・考えてもしょうがないか。今はちゃんとレアを育てることだけを考えよう。
あの後俺たちは、レアを連れて家に帰った。レアは俺が貴族だったことに驚いていたけど、
「リューがリューならきぞくなんてかんけいない」
と言ってくれた。いい子だなーレアは。
レアを出迎えた母さんは、娘が出来たと喜んでいた。レアは竜人だけど羽が無いことを伝えたら、『それがどうしたの?』とみんなに言われて困ってしまった。竜人族以外には伝わってないのかな?
夜、夕食に来たレアは白いワンピースを着てきた。髪も梳いてもらってサラサラになっていて、可愛いすぎてビックリした。兄さんも「ずいぶん可愛い妹ができたな」
と嬉しそうだった。
レアが「にあう?」と聞いてきたので「可愛いよ」と答えたら、顔を赤くしながら「えへへ♪」とすり寄ってき悶え死ぬかと思った。親父がニヤニヤしてるのが癪だったけど、そんだけの価値はあった。
寝るときにレアがきていっしょに寝たいと部屋にきたので、いっしょに寝ることになった。レアは俺の腕に抱きつきながら寝た。寝るまでの間、頭を撫でてあげた。
レアが家にきて数日経った朝俺が素振りをしていると、レアがやってきた。
「どうしたの?まだ朝早いよ」
「リューがいなかったから、なにしてるのかなって」
「剣術の稽古だよ」
「けんじゅつ?」
「うん、剣を使いたいから」
「・・・わたしもやる」
「え?どうして?」
「リューがやってるから」
「そう。じゃあ、父様に頼みにいこっか」
「うん!」
それで親父のところに行くと、
「あれ?レア、なんでこんなところにいるんだ?」
「レアが父様に頼みたいことがあるって」
「頼みたいこと?なんだい、レア?」
「えっと、わたしにけんじゅつをおしえてください!」
「・・・剣術を?どうしてだい?」
「リューがやってるから、わたしもやりたいなって」
「・・・そうか。でも稽古は厳しいぞ。ついてこれるかい?途中でやめられないよ?」
「が、がんばります!」
「よし、じゃあ明日からリューといっしょにおいで。動きやすい格好でくるんだよ」
「は、はい!ありがとうございます!」
と言ってレアは家に入っていった。そのあと、親父が
「ちゃんと面倒みてやるんだぞ」
と言ってきたので「勿論です」と返したら親父はそうか、と言って素振りを続けるのだった。
「リュー、魔術というのはなに?」
「魔力を使って、事象を発生させる術です」
「そうね。じゃあ、魔力はどう生まれるの?」
「空気に含まれる魔素を吸って体の中で、魔力になります」
「正解。魔素はこの世界を作っているものだと考えられていて、世界が存在する限り魔素は湧き続けると言われているわ」
午前中は母さんと魔術の勉強だ。レアもいっしょに受けている。今は基本的な魔術の勉強だ。
「それじゃあ、この上に手をおいて」
ついでにレアの適性も調べようとなり、今レアが水晶玉の上に手をおいた。
「・・・もういいわよ〜」
と言ってレアは手をあげ、母さんは水晶をのぞく。
「どれどれ〜、・・・あら〜、レアは魔術の適性が特にないみたいね〜」
「そう、ですか」
残念ながらレアには魔術の適性がないみたいだ。
「わたし、まじゅつつかえないの?」
レアが母さんに不安そうに聞く。
「そうね。でも竜人族は特殊な魔術が使えるみたいだし、魔術が使えなくてもレアはレアよ。だからそんなに不安そうな顔をしないの」
「・・・うん!」
レアが微笑んだ。・・・大丈夫みたいだな。
「もう大丈夫ね。それじゃ、続きを始めるわよ」
そう言って母さんと魔術の勉強を再開した。
「で?リュー、その子誰?」
「えっと、姉ちゃん?どうしたの?」
昼食の後はシャネルちゃんと遊ぶのだが、何か様子がおかしい。
一緒に遊ぼうとレアを連れてきたのだが、レアをみたシャネルちゃんが俺に詰め寄ってきた。
「その子誰って聞いてんの」
「誰ってレアだよ。この前家族になったの、ほらレア挨拶」
「・・・こんにちは、レアです」
レアが俺の背中から少し顔を出しながら言う。まだ人見知りするか、これからなおしていかなきゃな。
「レアって、家族になったってどういうこと!?」
「この前引きとったの。だから家族」
というかシャネルちゃんなんでこんなにこだわるんだ?まさか嫉妬?
「・・・そう。それでいっしょに遊びたいって連れてきたってわけね」
「そうだよ。レア、ほら」
そんなこともあろうかと、仕込みはしてきた!
「うん。・・・お姉ちゃん、いっしょにあそんで?」
レアは首を傾け、上目遣いでシャネルちゃんに頼む。
「ッ! ええいいわよ!私はお姉ちゃんだから一緒に遊びましょ」
シャネルちゃんもまんざらでもないようで、尻尾が振れている。あの顔には誰も勝てないよな〜。
「それで今日はなにしましょうか?」
シャネルちゃんが聞いてくる。
「森に行こうよ。レアはまだ行ったことないし」
という俺の提案により森に行くことになった。
「それじゃレア、何して遊ぶ?」
森の広場に着いたあと、シャネルちゃんがレアに聞く。
「なんでもいいよ?」
とレアが答える。レア、何でもいいって・・・。
「何でもいいって、それじゃあ倒し合いよ!」
えっとシャネルちゃん?それって?
「たおしあいって?」
「一番長く倒れてた人が負けよ。行くわよ、リュー!」
と言って、シャネルちゃんが飛びかかってきた!っていきなりかよ!
「うわっ!」
とシャネルちゃんに押し倒される。
「ほらレアも!」
「う、うん!」
とレアも押さえてくる。クソ!立てない!
「ちょ、ちょっと!二人掛かりなんてズルいよ!」
「問答無用よ!レア、もっと押さえて!ぎゅーって」
左からシャネルちゃんが抱きついてくる。ちょっとシャネルちゃん!?何してんの!?
「えい!ぎゅー」
右からレアも抱きついてくる。ああ、もう二人ともいい匂いだし柔らかいしで役得!?役得なの!?
「えへへ♪リュー♪」
レアが嬉しそうに頬ずりするので、右手で頭を撫でる。そうするとより嬉しそうにするレア。可愛いな〜。
「むっ!リュー私も撫でなさい!」
シャネルちゃんも催促してくるので、撫でる。レアの髪はサラサラだけど、シャネルちゃんの髪はフワフワだな。撫でてて気持ちいい。
シャネルちゃんは「わふん!」といったあと俺を見て、頬を赤らめながら気持ち良さそうに目をつむった。耳を触ってみるとフニフニしていて気持ちいい。シャネルちゃんも尻尾をブンブン振って、喜んでいる。
午後はそういう風に過ぎていった。
「全くそんなに汚してきて。早くお風呂に行ってください!」
夕方になって家に戻ったら、ヘレナさんに見つかりお風呂に連行された。森の中でゴロゴロしてたら、ドロドロにもなるわな。
そういえば、この世界にはちゃんと風呂があるんだよ。貴族は家にちゃんとしたものがあって、平民は銭湯みたいなところがあるらしい。魔術で水と火がだせるから、沸かすのは案外楽らしい。
そんなわけで、今は家の風呂場にいる。浴槽も結構大きくて大人二人入っても大丈夫。
「ほら、レア。脱いで」
「うん」
さっさと服を脱いで風呂場に入る。幼女相手に欲情しないので、問題ない。あとからレアとシャネルちゃんが続く。
「わーい!」
シャネルちゃんが浴槽に突っ込もうとするので、尻尾を掴んで引き止める。
「ひゃん!ちょ、ちょっとリュー!何すんのよ!」
「湯船に入るのは、体を洗ってから」
「そうだよ、おねーちゃん」
レアもシャネルちゃんに注意する。
「ううう、分かったわよ」
シャネルちゃんがしぶしぶこっちにくる。俺はレアの後ろに座って、頭を洗う。
「レア〜、目つぶって」
「うん」
髪を傷つけないように丁寧に洗う。
「じゃあ、リューの頭も洗うわよ」
「はーい」
俺の頭をシャネルちゃんが洗う。柔らかい手が頭を洗っていく。気持ちいいなぁ〜。
「リュー、気持ちいい?」
「うん、気持ちいいよ。レアは?」
「きもちいーよ」
ひとしきり洗ったあと、桶にお湯をいれてレアの髪を洗い流す。しっかり洗い流したあと
「じゃあ、お姉ちゃんの頭洗うね〜」
シャネルちゃんの頭を洗い始める。レアは俺の頭を洗っている。シャネルちゃんはいつも後ろで結んでいる髪をおろすと、少し印象が変わる。結んでいると活発そうだが、おろしているとおとなしそうだ。髪の量が多いためしっかり洗っていく。耳も忘れずに洗っていく。
頭と体を洗ったら、3人で湯船につかる。
『はぁあー』
とハモりみんなでクスクス笑う
「ふみゅー」
とレアが俺にしなだれかかり
「わふーん」
とシャネルちゃんが肩に頭をのせる。
ふわぁー。眠くなってきたなー。ねむ・・い・・。
その後、ヘレナさんが起こしにくるまで俺たちは湯船で寝てしまい、今度は心配させてしまったのは悪いと思ってます。はい。