表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/110

間違ってますよ


機械の亀を倒した後、俺たちは時々休憩を挟みつつ奥に進んでいった。

出てくる敵は変わりなく、しかし数が多くなって俺たちが進むのを阻む。が、

「セリャアー!」

「はああ!」

亀との戦闘で棒での戦闘に目覚めたフェイさんと、なんかすごく張り切っているミズキが敵をなぎ倒していく。何があったんだろうな?

「あの子なりの、リューに対する献身よ。ここを探すのに無理させちゃったから、戦闘では役に立ちたいのよ」

「そうなのか...。自分が出来ることをやっただけなのにな。帰ったら気にしないように言っとくか」

「それより、リューが褒めてあげたほうが喜ぶと思うわよ」

そうかなー?まあ、ビアンカがそう言うなら正しいんだろうけど。嘘を言うような奴じゃないしな。



そして、ついに遺跡の最奥らしき場所に到着した。なぜ最奥と分かるかというと

「見るからに怪しい大きい扉があるからだよ!」

「ウワ!いきなり大声出さないでヨ!ビックリするジャン!」

大きな声を出したら、フェイさんに怒られた。すいません、言わなきゃいけないような気がしたんです。

俺たちの目の前には、豪華な装飾が施された大きな扉がある。高さ5mくらい、いやそれ以上ありそうだ。

「ここが一番奥なのか、兄者?」

「多分な。今まで見た中で、ここが一番豪華な扉だし。王様は豪華なところに埋葬するだろ」

「そうね。それじゃあ、開けましょうか。警戒は怠らないでね」

ビアンカに言われ、自然と手が鞘にのびる。俺もずいぶんこの世界に馴染んでるな...。

扉に手を当てると、ギギギッと軋んだ音をたてながら、扉が開いていく。さてと。何が出てくるかな。

扉の動きが止まる。・・・何も出て来ないな。

「何もいないのカナ?」

「まだ気を抜いてはダメだぞ。安全が確認されるまで、警戒を続けるんだ」

ここで止まってても仕方ないので、部屋に入る。

部屋の中には、複数の柱が立っており、奥には棺が一個だけポツンと台の上に置いてある。

「おかしいわね。どこかの王族が眠ってるなら、もっと色々あっても不思議じゃないのに...」

「隠し部屋とかあるんじゃないか?まあ、あの棺を調べれば何か分かるだろ」

部屋の中心を突っ切って、棺まで歩いていく。何が入っているのかな。

棺は石で出来ており、縦に2mくらいだ。特に装飾はされておらず、簡素な物だ。扉は豪華だったのな。

開けてみようと、蓋に手をかける。すると、

『待て。棺を開けるでない』

「ッ!みんな、下がって!」

後退し、刀を構える。くそ、気配は感じない。どこから声がするんだ!

『こっちじゃ、こっち!棺の中から、頭に直接話しかけてるんじゃ!』

「エエ!?どういうコト!?」

「・・・念話ってやつか。それとも、テレパスか?」

『どっちも同じじゃろ。それで、おんしらはここに何をしに来た。墓荒らしら?』

「そうじゃないヨ!私は仙人の見習いで、試練であるものを集めているんダ。それがこの遺跡にあるらしいんダヨ」

『仙人?・・・ああ、あいつらか。昔、変な珠を渡されたが、あれがそうなのか?』

どうやらここであっていたようだ。ここで間違っていると言われたら、あの棺をぶっ壊してただろうな。多分。

「ソレソレ!きっとそれダヨ!譲ってくださイ!」

『ふーむ,,,。私としては構わないんだが、あいつらに只ではやるなと言われててな。すまないが、試させてもらうぞ』

そう棺の中の人が言うと、背後に何かが降り立つ。またこの展開か。今度は何がでてくるんだ?

振り返ると、そこには機械の竜がこちらを睨んでいる。むう、また機械の獣か。こいつもビームやミサイルを撃ってくるのか?

『びーむにみさいる?そんなもの撃たないぞ。ブレスや気導術を再現したものなら撃つがな』

それだよ!とは言えなかった。なぜなら

「GYAAAA!!!」

と竜がいきなりミサイルを乱射してきたからだ。ちょ、ま!慌てて回避するが

「って、これついてクル!」

追尾式!?ハイテクすぎるだろ!ってそんなこと言ってる場合じゃない!

フレイムミサイルで迎撃する。ミサイルとミサイルがぶつかり、大爆発をおこす。

「くっ...!みんな、大丈夫!?」

ビアンカ達の方を見ると

「ヘイル・ダンス!」

大量の氷塊を作り、ミサイルにぶつけているビアンカ。

「セイセイセイ!」

岩の壁や弾を撃ちながら、棒をぶん回して迎撃しているフェイさん。

「ふ!は!せや!」

ミサイルが当たる直前に、ヒレで斬り裂いていくミズキ。ジャンプして回避し、くるっと一回転してミサイルを両断している。・・・心配なかったな。

全て撃ち終わった竜は、こんどは口を開く。中には、円筒状のものが回転していた。まさか、あれって,,,。

「GYAAA!!!」

口から細いビームを撃ってくる機械竜。やっぱりか!

ビームを回避しつつ、フレイムミサイルtypeパトリオットを数個撃つ。見事命中し、その体を焦がす。・・・不思議に思ってたんだが

「なんで、竜にしたんだ?竜じゃなくてもいいだろ」

『そりゃ、強いからじゃろ。竜の強さは、お主も知っておるじゃろ?』

「・・・そうか。馬鹿だな、この遺跡を作った奴は」

竜の最強たる所以は、空を飛べることだ。空から魔術を撃たれたら回避も反撃もしづらいし、強襲も出来る。こんな閉所じゃ、竜のアドバンテージを活かしきれてない。飛べねぇ竜は、ただの(大きな蜥蜴)だ。

「リュー、どうするの?そこまで強くはないけど、あの巨体で暴れられたら厄介よ」

「そうだな。金属だから体も重いだろうし。遺跡を崩したらいけないから、あまり強い魔術も撃てない。・・・やってみるか」

刀を抜いて構える。この前手に入れた特殊能力、バーストを使ってみよう。多分、斬れるだろ。

頭の中で、バーストと念じる。すると、刀身が赤く発光し体に力が漲ってくる。これがバースト...。これならいける!

竜に向かって走り出す。いつもより速い。ミサイルを撃ってくるが、簡単に躱せる。

腹に潜り込み、瞬時に焔纏を発動させ腹を斬る。刀の刃は金属の体を通り傷つける。

機械竜は腹を落として、俺を潰そうとしてくる。腹の下から抜け出て、瞬動で動き回りながら脚や尻尾、体を斬っていく。

「うっわー...。いつにも増して、人間離れしてルネ...」

「兄者がまったく見えないぞ!?どれだけ速く動いているんだ!?」

「また無茶して...。あんだけ言ったのに...」

しばらく機械竜を斬り続け、俺が動きを止めた時には竜は体中を斬り刻まれ、ボロボロになっていた。

「G、GYAA...」

「ふう。そろそろ五分か。決めるか」

焔纏を最大火力で発動し、機械竜に向かって駆ける。白い炎が渦巻き、刀は炎がまとわり白い太刀のようになっている。

機械竜の頭の前に瞬時に移動し、刀を大きく振り上げ、首に目がけて一気に斬り下ろす。

炎の太刀は、機械竜の硬い装甲を斬り裂き、その首を焼き斬った。

『ほう。倒したか。やるな』

「それはどうも。褒めても何も出ませんよ。それより、さっさと仙人から渡された物をよこせよ、コラ」

『そう焦るな。これがその渡された物だ』

棺の奥から、褐色の宝玉が飛んでくるので、受け取る。これで二つ目。転移の気道具は見つからない。

「ありがとうございます。それではこれで」

『まあ待て。久しぶりの来客だ。少しは儂の話を聞いていけ』

・・・変な奴に捕まってしまった。まあ、気道具のことを知ってるかもしれないから、とりあえず聞いてみるか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ