表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/110

ロマン!


「ここなら、あいつらは入ってきそうにないわね。休憩にしましょ」

「ソウダネー。暗い所を歩くのは疲れるヨ...」

遺跡を探索すること一、二時間。俺たちは、遺跡内の小部屋で小休止していた。

あの機械たちは、50mくらいの範囲で音と魔力、気を探知するらしい。しかも避けられないように配置されていて、戦闘になりやすかった。一機に見つかると、周りの奴らも寄ってくる。幸いにも、一度に多くの数は寄って来ないので、窮地には陥っていない。

通路には光る石が置いてあり明かりはあるものの、そこまで強い光量ではないのであまり前が見えない。だから自然と警戒してしまうので、体力と精神を消耗しやすい。休息を時々とらなければ、いざという時に戦えないだろう。

「それにしても、不思議な遺跡だな。敵は多いし、このようなわざわざ休憩させるような空間もある。殺したいならこんな部屋もいらないだろうし、この遺跡を作った奴は何をしたいんだろうな」

「そうだな...。この遺跡には偉い人が、埋葬されているんじゃないか?墓荒らしを撃退するために、警備を厳重にしてあるんだろ。王と一緒に、財宝も墓に入れるって聞いたことあるぞ」

ピラミッドにも、そんな仕掛けがあったしな。あんな機械は巡回してないけどな。

「それじゃあ、こういう部屋ハ?これこそ、ある意味がないんじゃナイ?」

「そうですね...。一応、なんであるのかっていうのは、予想はつくんですけど...。言わなくても、問題ないでしょう。あって困るものでもありませんし」

「見当はついてるの?知っていたのかしら...」

多分だけど、恐らくセーフティーエリアみたいなものだろ。ゲームとかで、休憩するところだ。なんでこの世界の遺跡にあるのか分からないけど、それは今はどうでもいい。神界で聞けば分かるだろうしね。

「それでは、出発しましょうか。フェイさん、行きますよ」





それから歩くこと数十分。俺たちは、広場に出た。そこそこの広さで、バスケくらいなら出来るかもしれない。

奥には通路が続いており、

「急に広場に出たわね。今までは、狭い通路ばっかりだったのに」

「いいじゃん、ノビノビできテ!こういうところばっかだったら、いいのにナー」

「そうだな。戦闘もしやすいしな。あんな通路ばかりじゃ、うまく戦えない」

「えーっと、戦いやすいなんて言っちゃうと、本当に敵が...」

俺が言葉を言い終わるより早く、上から何かが落ちてきた。手遅れだったか...。

落ちてきたのは、機械の亀だった。甲羅に砲を装備した大きな亀だ。ミドリガメみたいな可愛い奴ではなく、カミツキガメみたいな厳つい奴だ。大きいので、威圧感が半端ない。

「みんな、戦闘準備。甲羅に乗ってる筒からは、何かを撃ってくるだろうから気をつけて。他にもまだなにかあるかもだから、すぐに離れられるように」

「何かを撃ってくる?魔術でも撃ってくるの?」

「まあ、そんなものだと思ってて。来るよ」

「GYAAAAAA!!!」

亀が砲を俺らに向けて、ドウ!と撃ちだす。気が集まって収束し、太い光線が放たれる。ビームか!かっこいいけど、受けたくはない!

横っ飛びで避ける。ビームは柱に直撃し、粉々に粉砕した。

「リュー、あれ何!?光の魔術!?」

「そんなこと聞いてる場合じゃない!次くるぞ!」

亀はどんどんビームを撃ってくる。それを避けながら、亀の懐に入る。これなら、ビームも撃てまい!

刀で亀の腹部に斬りかかる。が、ギィン!と弾かれる。くそ!全体が金属で出来てて、刃がまったく通らない!

「兄者!全然刃が通らない!どうする!?」

ミズキもヒレで斬れないらしく、俺にどうするか聞いてくる。魔術で攻めるか?

フレイムジャベリンで亀を囲み、一つの足に集中砲火を浴びせる。

「GYAAAA!!??」

これは効いたらしく、叫び声をあげる亀。足は焦げ、ところどころ穴も空いている。よし、これならいける!

「フェイさん、ビアンカ!気導術が効きます!一点に集中させてください!」

「了解!まっかせなさイ!」

「OK。私は前足を狙うわ」

ビアンカは氷の塊を、フェイさんは岩の槍を作り亀に向かって撃ちだす。だが、

「GYAAAA!!!」

亀の甲羅が開き、中からミサイルポッドが多数出てきて、ミサイルが一斉に撃ちだされる。ミサイルの大半はビアンカ達が撃った魔術を迎撃し、残りは壁にぶつかり爆発した。おいおい、ミサイルまで装備してんのかよ!

こっちの魔術は迎撃され、刀は刃が通らない。どうしようか...。

「大丈夫!まだ、手はアルヨ!」

フェイさんが背中に背負っていた棒を構える。フェイさん、棒術も出来るのか!?

フェイさんは自分に札をはり、亀に向かって走り出す。亀のビームを避けながら、亀に接近する。

「セイ!」

亀の足に向けて棒を振り下ろすフェイさん。フェイさんが振るった棒は、亀の甲羅に命中し、ボゴン!とその甲羅をへこませる。マジか!?一体どうやったんだ!?

「気を武器に乗せて、そのまま叩き込むんダヨ!中から壊すんダ!」

なるほどー。浸透する攻撃なら、いくら堅くても問題ないな。

再び亀に接近し、刀に気を込めて峰で足を殴る。ドゴン!と大きな音をたてて、足が変な方向に曲がる。地面にまで衝撃が伝わったのか、床が陥没している。これなら、勝てる!

攻略法が分かってから、亀を倒すまで時間はかからなかった。みんなが自分の武器で囲んでたこ殴りだ。たまに攻撃してくるけど、簡単に躱せるので余裕でした。

壊れて煙を上げている亀を刀に吸収させる。すると、ピカッと刀が輝いた。また進化かな?


 銘 絡繰丸

 種類 打刀

 素材 謎の合金 亀砲台の素材

 値段 ただ

 属性 なし

 制作者 かみ☆さま

 特殊能力 吸収成長 硬化 血強化 バースト

 成長値 33/600


 丈夫さ A

 斬れ味 B

 使いやすさ F


どことなくメタリックな刀になった。峰のほうに排熱口的な物もあるし...。バーストって能力も気になるな。

えーっと、一時的に武器と使用者のステータスを爆発的に上昇させる、か。効果時間は五分間。その後三十分は、排熱をするためバーストは使用不可。丈夫さがDまで、ステータスも低下するらしい。最後の最後にしか使えないな。

「また進化したの?留まるところを知らないわね、その剣」

「なんだか、さっきの亀みたいな色合いだな。かっこいいな!」

「もしかして、あの光ってどーーーん!ってやつを撃てるノ!?撃って撃っテ!」

フェイさんがビームを撃てと催促してくる。・・・撃てるのか?いや、そんな特殊能力ないし撃てないだろう。

「撃てませんよ。そんなこと言ってないで、早く奥に進みましょう。遅くなったら、ここで一晩明かさなきゃいけなくなりますよ」

さっきの亀。まるで、ゲームの中ボスみたいだったな。入り口からの距離といい、そこそこの強さといい。俺の考え過ぎかもしれないけど、あのセーフティーエリアみたいな部屋のことも含めて考えると、この遺跡を作った奴は転生した奴なのかもしれない。そうだとしたら、奥には何かいるはずだ。気をつけて進もう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ