襲撃、変身、初ロリ
「うお!」
ガキンとヒレを、刀で受ける。が、蛟が強い力でヒレを押し込んでくる。押し切られそうになるので、慌てて後ろに飛ぶと。
「リューに何するのよ!ブリザードジャベリン!」
「どくネ!乱草!」
大量の氷の大槍と草の槍が、蛟目がけて放たれる。俺もフレイムジャベリンで追い討ちする。
ドドドドド!
「グゥゥ...」
槍の雨をくらって、後ずさる鮫。少しは効いたか!?
「グアアア!!!」
突然、蛟が咆哮する。空気がビリビリ震え、発生した衝撃波で吹き飛ばされる。
「うおおお!?」
「きゃああ!」
「うわわワワ!?」
ゴロゴロ転がっていき、木にぶつかってようやく止まる。痛ったー...。
「ギャア!」
「おっと!」
斬りかかってくる蛟を躱し、少々距離をとる。俺以外には興味はないようで、ビアンカ達を放って俺の方を向く蛟。警戒しているようで、攻めてこない。くそ、強くて知恵もあるって、勝ち目がなさそうだぞ。
「ググ...。二、ニゲテ...。シナナイデ...」
さっきも言ってたけど、どういうことだ?今度は死なないでだって?今までの行動は、本意じゃないってことか?
「リュー!あいつの胸に、何かついてる!あれのせいで、暴走してるんだわ!」
蛟の胸を注視すると、黒い宝石がついているネックレスをしていた。その宝石から、闇の気が溢れ出ている。あれは、呪われてるのか!?
「フェイさん!アレを壊せば、こいつは止まりますか!?」
「そいつ自身の意思で攻撃してないなら、止まるハズダヨ!さっさとやっちゃッテ!」
あの宝石を壊せばいいんだな!それなら気導術で...。
「グルアアアァァァ!!!」
弱点が分かったと思ったら、蛟が大きく吠え、口に気が集まりだした。これは、前にも見たことがある。白雪のブレスの時だ!
「ブレスがきます!隠れててください!」
「ブレス!?隠れるってどこに...」
「こっちにキテ!盾を作るカラ!」
ビアンカとフェイさんは、岩の盾の後ろに隠れる。俺は迎撃をしなければ!
右手でイグニスイレイザー、左手にトネールスマッシャーを準備し、両手を合わせて合成する。両方が高位の魔術なだけに、合わせるのも容易ではない。だけど、俺なら!
俺が魔術を合わせている間にも、蛟はブレスの準備をしていく。口には高密度の気の塊が現れ、渦巻いている
「グワアァァァ!!!」
大きく咆哮し、ブレスを撃ってくる鮫。魔術は・・・出来た!急ごしらえだけど、そこそこの威力はでるはず!
「いけ!レーヴァテイン(気バージョン)!」
炎で出来、稲妻をまとった剣身が、蛟に向かって放たれる。
レーヴァテインはブレスと衝突し、カッとまばゆい光をだしながら爆発する。
ドゴオオオォォォン!!!
「うわあああ!」
エアクッションを風属性をつけず、形状を丸くして十枚展開する。気製の障壁だ。
衝撃は障壁を九枚砕き、そこでようやく止まった。あぶねー、死ぬとこだった。
煙が晴れると、そこにはグッタリとした蛟がいた。さっきの衝撃で、胸の宝石が砕けたようだ。案外脆い。
「リュー!大丈夫!?」
「ウワ!?周りがボロボロ!何をやったら、こんな風になるノ!?」
ビアンカとフェイさんが、盾の後ろから出てきた。あっちも無事のようだ。
「大丈夫だよ。倒れてるけど、こいつは大丈夫なの?」
「大丈夫デショ。竜の体力は半端じゃないシ。すぐに目を覚ますよ」
「グウゥ…。イタイ…」
そうこうしているうちに、蛟が目を覚ました。もしもの時のために、刀は構えておく。
蛟は立ち上がり、俺の方を見る。な、何だ?またやる気か?
「アナタガ、ホウセキヲコワシタノカ?」
「え?あ、ああ。俺だけど…。まずかったか?」
「イヤ、ダイジョウブダ。コワシテクレテ、アリガトウ」
ペコっと頭を下げる鮫。むう、さっきとは態度が大違いだ。
「それで、お前は何であそこにいたんだ?何かあるのか?」
「カベニシカケガアッテ、オクニハハコガアル。メイワクヲカケタカラ、オマエガモラッテクレ」
そう言って、湖の中に潜っていく蛟。しばらく待っていると、両手に収まるほどの箱を持ってきた。
「コレダ。ヤル」
「ああ、ありがとう。お前は、昔からここに住んでいるのか?」
「イヤ。ワタシハ、ツクラレタイキモノダ。リュウトヒトガマザッテイル。ムカシニ、アルケンキュウシャニツクラレタ。ソレイライ、ココヲマモッテイル。ソノナカノモノハ、タブンソノケンキュウシャノモノダロウ」
「創られた生き物?それって、禁術じゃないか!?」
「そうね。生き物を混ぜるなんて、生命への冒涜よ」
「よくわかんないけど、駄目ダヨネ。かわいそうだよ、龍も人モ」
合成生物って奴か。こんなことされた上に、無理やり戦わされるなんて。可哀想すぎる。
「・・・ソノオンナハ、ヒトデハナイノカ?」
「ん?ビアンカのこと?そうだよ。ビアンカは吸血鬼だ」
「オマエハ、カイヲシタガエラレルノカ!?ソレナラ、ワタシモツレテイッテクレ。モウ、ヒトリハサビシイ…」
そう言って、俺に詰め寄る蛟さん。と言ってもなー。
「その姿じゃ目立つし、半竜って分かるしなー。姿が変えられれば、俺は構わないんだけど…」
「スガタヲカエレバイイノカ?スコシマテ」
そう言って、ブツブツ呟きだす蛟さん。次の瞬間、パッと体が光りだす。そして、光が収まるとそこにいたのは
「これでいいの?人の姿をとってみたんだけど…」
ワンピースを着て蒼い髪を頭の両側で結い、腕にヒレ、尻から尾ビレを生やした幼女が立っていた。目は少し吊り気味で、気の強さを伺わせる。
「えーっと、君は?」
「何だ?話していた相手のことが分からないのか?」
・・・俺の周りの女の子は、どうしてこんなのばっかりなんだろう。これ、前も言った…?
「あなた、人の姿になれるの?半竜なのに?」
「半竜でも、このくらいは出来る。まあ、体は小さいけどね」
「可愛いネー。名前は何てイウノ?」
「名前はない。お前がつけてくれ」
鮫さんらしき幼女が、俺を指名してくる。そうだなー、
「ミズキでどうかな?蛟ならぬミズキ」
「ミズキか…。・・・ふふふ、いいな。気に入った。響きが良い」
気に入ってくれたようだ。笑いながら、「ミズキ、ミズキか。私の名前…」と呟いている。
「リュー、本当に従魔にするの?あんな見た目でも、竜の一種なのよ」
「それなら、尚更だ。このまま放っておいて、暴れられたら寝覚めが悪い。大丈夫、ビアンカのことも大切にするから」
「・・・そんなこと言われたら、反対しようがないじゃない。ずるいわよ…」
何かブツブツ言ってるが、反対ではないようだ。良かった。
「それじゃあ、契約するぞ。サーヴァント!」
従化の魔術をかける。黒い気がミズキを覆い、吸収されていった。
「く!・・・ふう。これが下僕になるということなのか。くせになりそうだな」
「クセ?どんな感じナノ?」
「体の中に気が侵入していって、魂ごと縛られる様な感じかな。束縛感が気持ちいい…」
「・・・そうなんダ。気持ちいいンダ…」
「何話してるんですか。早くこの箱を開けちゃいましょう」
こうして、半竜のミズキが俺の従魔になった。始めての幼女だな…。
初めてロリを出してみました。結構好きですよ、ロリ。肉体的にはババアですけど、精神的にはそうじゃないです。