別れ
一応前話を見なくても大丈夫な仕様です。
・・・大丈夫ですよね?
部屋に帰りレア達に襲われ、色々しっぽり済ませたら朝になっていた。
というか凄いんだな、男女の交わりって。気持ちいいし、なにより前よりみんなを好きになっている。正直、離れるのが辛い。
レア達はこのことまで、計算に入れてたのか!?だとしたら、何て恐ろしい子達!
そして次の日。朝早くに起きて、風呂場に直行した。体液とかでカピカピなってるからな。道中、物音がするたびにサンダーを撃とうとしたのは良い思い出?だ。
その日の授業は普通に受けた。レア達は股をすってモジモジしてたけどな。まだ変な感じがするらしい。俺は妙に体が怠いけどな。
放課後になったら、真っ先に校長室に向かった。校長は飛び級を許可してくれた。二つ返事だったので内容は割愛する。エリザさんがおどs、げふんげふん説得してくれたらしい。
その後、校長室から出てきたのを俺を捜していたノエルさんに見つかり、何で校長室にいたのか問いつめられた。
「なんでここに居るって分かったんですか...。普通、こんなとこ来ないでしょう」
「うーん・・・姉の勘ね!なんとなくここに居るって気がしたのよー。それで?なにを校長室でしてたのかしらー?タマモちゃんの様子もおかしかったし」
タマモのことまで感づかれてる。これは誤摩化せないな...。話しちゃうか。
「実は、かくかくしかじかなんですよ」
「・・・そう...。もう卒業するのね、リュー君。寂しくなるわ」
ノエルさんが俺をギュウッと抱きしめる。俺にこんなことをする人は、この人くらいしかいないな。
「もう決めちゃったの?」
「はい。校長も許可してくれました。今月で学院を出ていきます」
「・・・ちょっとくらい、相談してくれても良かったのに」
「え?」
「だから、相談して欲しかったなーって。私はリュー君のお姉ちゃんなのよ?」
「す、すいません」
「まったく...。リュー君が戻ってくるのは二年後かー。私は来年卒業だから、もう会えないかもしれないわねー」
「ひどいなー、リュー君。もう私と会ってくれないなんて...。・・・本当に酷いわよ」
「ノエルさん...」
下を向いてつぶやくノエルさん。ど。どうしよう。怒ってるか、悲しんでるのかわかんない。
「・・・よし!リュー君、良く聞きなさい!」
「は、はい!」
「私は卒業したら、多分皇国の聖教の総本山に行くわ。だから、いつかそこに来て。絶対来るのよ!」
「総本山ですか?分かりました!必ず行きます、それまで待っててください!」
「ふふふ、何を待ってればいいのかしらー?」
「え!?えーっとそれは...」
何を言えば良いんだ!?しかもノエルさんニヤニヤしてるし!何がおもしろいんだ!?
「言われなくても、ちゃんと待ってるわよー。レアちゃん達のはしっかり貰ったんだから、私のも貰ってよね?」
「うえ!?」
貰うって、アレをか!?アレをなのか!?
「ふふふ、じゃあねー。また体には気をつけるのよ?ちゅっ♪」
ノエルさんは、おでこにキスを落として去っていった。マジかよ...。自称姉だろ...?
ノエルさんから衝撃大告白をさらっと告げられた後、興奮冷めやらぬままアルバス先生の元へと向かう。
一応お世話になったからな。
「それで儂のとこに来たのか?」
「はい。お世話になりました」
ペコッとお辞儀をする。そしたらアルバス先生が
「そうか...。それなら時間があったら王都の王立図書館に行くが良い。図書館に入ったら、ここに書いている通りに進め」
と言って一枚の紙を渡してきた。王都の王立図書館?それって...。
「えーっと、ここに何が?」
「ここには、儂の知り合いの魔術師がおる。お主の力になるじゃろう」
「その魔術の名前って、ゲオルグじゃありません?リッチの」
「お主、ゲオルグのことを知っとるのか!?どういう関係じゃ!?」
「一応、魔術の先生ですけど...」
俺の師匠はセラフィムだけだ。他の人を先生とは呼んでも、師匠と呼ぶことは無い。
「なるほどな。道理で、強い訳じゃ」
「俺だって努力してるんですよ?」
「分かってるわ、そんなこと。さっさと行け。こんなとこで油を売るな」
「はい。失礼します」
アルバス先生の部屋を出る。あとはビアンカに知らせるだけかな?
俺の部屋に戻る。ビアンカはベッドに腰掛けてゲオルグさんから貰った、魔術書を読んでいた。
「ん、帰ってきたわね。挨拶はすませたの?」
「ああ、済ませてきた。アルバス先生が、ゲオルグさんと知り合いだったらしい」
「へえー、あのリッチと?世界は狭いわね」
「まったくだ」
ビアンカの隣に座る。すると、ビアンカがピッタリとくっついてくる。
「・・・どうした?」
「・・・昨日、したんでしょ?レア達と」
「・・・ああ、したよ。気づいたのか?」
「気づくわよ。様子がおかしすぎるもの。それで?どうだったの?」
「・・・気持ちよかったです」
「・・・むう。こう直接言われるとむかつくわね...」
「・・・ごめん」
沈黙が痛い。何かしゃべんないと!
「・・・私はまだ吸血鬼だから妊娠とかはしないから、気にすること無く出来るわよ」
「こら!何言ってるんだよ!自分ののことは人と同じように扱えって、言ってたじゃんか!」
「・・・してくれるの?私、魔獣よ?見た目は人と同じだけど、魔獣なのよ?」
「まだ、ダメだけどね。学院内じゃダメだ。冒険者になって、ある程度軌道に乗ってからね。それまで、我慢出来る?」
「・・・うん。我慢する...。だから、約束して?絶対よ?」
「うん、絶対だ」
こうして、ビアンカとスる約束をした。軽い奴だと思われたら、どうしよう...。
そんなこんなで、一ヶ月が経ち学院を去る日がやってきた。これから、とりあえず実家に帰ることになっている。
「それじゃあ、行くよ。みんな、健康には気をつけてね」
「リューも、無理はしないでね」
「絶対、戻って来なさいよ!」
「ビアンカさん、リューさんをよろしくお願いしますね」
レア達と別れを告げる。というか、何でタマモが保護者みたいなことを言ってるんだ?
「リューさんが心配だからですよ!」
俺はタマモの方が心配だけどなー。
「ノエル先輩は来ないのね。絶対来ると思ってたのに」
「もうお別れは言ったから、いいんだって」
「おーい!そろそろ出発するぞー!」
御者さんが出発を告げる。
「・・・元気でね、みんな。絶対帰ってくるから」
「うん、約束」
「信じてるわよ、リュー」
「・・・絶対ですよ」
馬車にビアンカと乗り込む。俺が乗ったのを確認した御者さんは、馬車を出発させる。
ガタガタと馬車が走り出す。レア達は、俺が見えなくなるまで手を振っていた。