16歳になって
五年飛びました。飛び過ぎでしょうか?
ビアンカが存在進化してから五年がたった。俺たちは十六歳、七年生になった。
この五年間では、特に話すべき出来事は起こらなかった。授業して訓練しての毎日だ。
レアは美しく、強く成長した。髪はまっすぐに伸ばして、腰まで伸びている。身長も伸び角と尻尾は普通の竜人より大きく、立派になった。
シャネルちゃんは長くなった髪をサイドポニーでまとめている。すらっとしたスレンダー美人になった。身長も170cm近い。
タマモは少し幼さを残してはいるが、大人っぽくなった。髪は長くふわっと広がっており、絹のような手触りだ。獣人の耳と尻尾は大人になると大きくならないみたいだが、タマモのは元から大きい。
俺も結構大きくなって、身長は175cmを超えている。銀髪を少し長めに切って、肩にかからないようにしている。体の筋肉は引き締まった細マッチョだ。神界の体みたいになって良かった。
ビアンカはヴァンパイアのままだ。だが、時空間魔術が使えるようになった。まだ簡単な奴だけどね。
新しい魔術も覚えた。ここに書くがけっこうスペースを使うので悪しからず。
火:フレイムミサイル 追尾する炎弾を撃つ。大きさはファイアボールくらい。
サラマンダー 火で出来た竜を召還する。俺の場合は東洋龍。
イグニスイレイザー 50m程にわたり、巨大な熱線を発射する。文字通り消し飛ばす一撃
フレイムミサイル typeパトリオット フレイムミサイルの改造版。紡錘型の炎塊を撃ちだす。もちろん追尾式。
風:ゲイルハンマー 風塊で敵を吹き飛ばす。強い衝撃、人なら全身粉砕骨折になるかもね。
テンペスト 抉り飛ばす龍巻を撃ちだす。射程は50mくらい。イレイザーの風版かな?
グングニル 雷の大槍を撃つ。爆炎雷槍から炎を抜いた感じ。
トネールスマッシャー 魔力を雷に変換して、そのまま撃ちだす。雷は稲妻のような形をとらず、か◯は◯破みたいな感じになる。フェ◯トが撃って たやつみたい。
ウィスパー 風で声を届ける。電話みたいな感じ。
闇:ハイディング 魔力で姿を隠す。カメレオンみたいに周りの景色と同化するみたいだ。
ディレクション 相手の方向感覚を狂わす。同じ場所をぐーるぐる。
バランス 平衡感覚を狂わす。転びまくって動けません。
アビスウェポン チェンジシャドウの改造版。闇の魔力で武器を作る。風の魔力を組み込んでいるので、宙を自由に飛ばせる
インフェルノ バーニングフレアに闇の魔力を組み込んだ魔術。地獄の業火を召還?発生?させる。水では消えない炎。
こうしてまとめてみると、案外種類が少ない。アルバス先生に聞いてみたところ、それぞれの魔術師のよって魔術をカスタムしているらしい。個人個人で魔術が変わるようだ。
それにしても、かなり凶悪な魔術ばっかりだよなー。戦術級の魔術ばっかだよ。一人で一個中隊くらいの戦力になるんじゃないか?
闇の魔術は相変わらず、暗殺者みたいな構成だな。アビスウェポンとインフェルノは俺が改造したやつだしな。
七年生になった俺は、前と変わらず魔術と武術の両方を学んでいる。今は魔術の授業中だ。
「それでは、複合魔術の説明を・・・トリスさんにお願いしましょうか」
「はい。複合魔術とは・・・」
授業中なのだが、複合魔術は五歳の頃からやってるので、はっきり言って暇でしかない。
理論が大切なのは知ってるけど、もうノエルさんに教えてもらったんだよな...。やることがなくて、覚えた魔術を整理してたのだ。
「はい。ありがとうございました。複合魔術は主に別の属性の魔術を合成するので、反発しあい難しいです。これが出来て一流の魔術師です」
はあ。どこの世界の学校も、理解していることを学ぶほどやる気が出ない物は無いな。
「リューさん、授業中は暇そうでしたね」
「ん?タマモか。ああ、暇だな」
授業が終わり、タマモが話しかけてくる。バレてたか。
「暇そうなオーラがプンプン出てましたよ。少しは隠そうとしてください」
「難しいな。自分に嘘はつけない」
「どの口がそんなことをいうんですか...。はあ、とりあえず次の授業に向かいましょう」
「次はなんだっけ?」
「数学ですよ」
「あー、また暇な授業だ。暇を売ったら一儲けできそうだぞ」
「何訳分からないことを言っているんですか。行きますよ」
「はいはい」
はー、何か面白いことはないかな?
授業が終わり放課後になった。すると
「リュー!勝負だ!」
「えー、また?いい加減諦めてください、お願いします」
グルドがまたレアをめぐって勝負を仕掛けてきた。五年やっても諦めないのか。
グルドも大きくなって、イケメンになった。これで少しはまともだったら、モテモテだろうに。
「いーや、まだまだ!俺は諦めんぞ!」
「マジかよ...。ラルカさーん、たーすーけーてー」
「頑張ってください、リューさん。応援してますよ♪」
くそー、他人事だからって楽しそうにしやがってー。あの人、エリザさんと同類だ!覚えてろ!
「それではいくぞ!かかってk」
「そーれ、飛んでけー」
アビスウェポンをグルドに向けて飛ばす。剣を十本だ。全方位から斬りつけ、突き、薙ぐ。
「おお!いきなりか!たまには剣で勝負しないのか?」
「しないよ。グルドに武術で挑むとか、自殺に等しいよ」
この世界での俺の本職は魔術師だからな。そりゃ、剣も使えるけど魔術の方が有利だし。
「ぬおおおおお!!!少しは手加減しろー!」
遠距離から剣を操りグルドをはめ殺す。手加減?なにそれ、おいしいの?
グルドの体力は多いけど、流石に全方位からの剣戟には精神、体力共にすり減っていく。そして
ガキン!
「ぬう!参った!」
隙をみせたところで、剣を弾き飛ばす。同時に首に剣を突きつける。この手もそろそろ見切られるかな?
「いやー、リューは相変わらず強いな!まったく歯が立たない!」
「良く言う。もうほとんど見切ってるじゃないか」
「ぬう、気づかれたか。これで次は勝てると思ったのだが」
まったく。グルドはアホだけど、馬鹿ではないからな。油断も隙もあったもんじゃない。
「だが、俺は諦めないからな!覚悟しておけ!」
そう言って、グルドは走り去っていった。三下の台詞だぞ、それ...。
「はあ。疲れた」
十本も制御するのはかなり脳に負担がかかる。まあ、魔術の訓練と割り切れば何とかやってけるんだけどな。
「リュー君、お疲れさま」
「む、ラルカさん。見てて楽しいもんじゃないですよ」
「楽しいわよ。若の成長も見れるし、リュー君の戦いっぷりも見れるしね」
「そうですか...。それなら良かったです」
見られたかいがあるってもんだ。
「そうそう、この後ちょっと話したいことがあるから、夕食の後私の部屋の来てくれる?」
「話したいことですか。分かりました。後で向かいます」
何だろうな。真面目な顔だったけど。
そうして、俺は寮に戻った。
七年生時のステータス
名前 リュー 16歳 人族
体力 C
魔力 A
筋力 C
生命力 C
理力 A
素早さ B
名前 レア 16歳 龍人族
体力 A
魔力 D
筋力 A
生命力 A
理力 D
素早さ B
名前 シャネル 17歳 獣人族
体力 B
魔力 E
筋力 A
生命力 B
理力 E
素早さ A
名前 タマモ 16歳 獣人族
体力 C
魔力 A
筋力 B
生命力 B
理力 A
素早さ B
4/9 タマモもステータスを変更しました