誕生
すいません。また長くなりそうなので、分割します。
ん?ここどこだ?なんだ真っ暗なんだ?
俺は確か、えーと・・・そうだ!転生したんだった!
けどここどこだよ。うまく動けねぇし。なんだか水っぽいな。
は!まさか、母親の中か!こっからかよ!
・・・予想はできたたけどね。テンプレだし。 しっかし、子宮の中って狭いな。周りのも水は羊水か?
誰かー。俺をこっから出してくれー。って、
うわっ!なんか動き出した!出れるのか!俺、いっきまーイテテテテッ!痛い痛いマジで痛い!泣く!これは泣く!
頭がっ!頭が締めつけられる!痛い!痛い!
「オンギャーーーーー!!!(痛ってーーーーー!!)」
・・・あれ?今俺なんつった?せーの
「オンギャーーーーー!!ギャーーーン!(痛ってーーーーー!!ってうわーーー!)」
(赤ちゃんだよ!いや、なるって分かってたけど結構ショックだよ! うわっ!持ち上げられた!)
俺は誰かに持たれ何か柔らかい物に包まれ、少し離れた場所に運ばれた。そこには、
(うわー、すっげー美人。この人が俺の母親か。俺の顔にもきたいできるな!)
とんでもなく美しい女性が、グッタリして横になっていた。俺はその人に抱きかかえられ、
「scheme。£ustakepx」と言われた。
(流石に何言ってるかわかんねーな。ここは…笑って誤魔化すか)
「うあーーー♡(にぱーーー♡)」と俺のできる最高の笑顔でこたえた。キモくないよな?赤ちゃんだから大丈夫だよな?
すると母(仮)はニッコリと俺に微笑みなでてくれた。気持ちいいなぁー。あー、なんか眠くなってきた。意識が…。
(知らない天井だ)
俺が目を覚した後の言葉だ。すんなり出てくるもんだな。
周りを見渡すと、低め(今の俺だと十分高い)の柵があった。いまはベビーベットで寝てるんだろうな。右には窓。左には机が1つ、椅子が二つある。部屋の大きさは8畳くらいかな?
しっかし、お腹空いたなぁ。お腹空いたぁ。ぅぅぅ。う、う、
「ウワーーーーン!!」
すると、知らないメイド服を着たおばさんが走ってきて、俺を抱きかかえ胸を出してきたので俺は夢中で吸いついた。しばらく母乳を飲みお腹いっぱいになったら、強烈な眠気が襲いそのまま寝入ってしまった。
(うぅ、恥ずかしい)
次俺が起きたのは日が傾きかけているころだった。さっきはまだ高かったから6時間は寝ていたのだろう。
(いくら腹が減っていたからって、あれはダメだろ!おばさんだったのは不幸中の幸いだったけど)
というか、あの人は乳母さんかな?メイド服を着ていたから、家政婦さんだと思うけど。ということは、俺の産まれた家は人を雇えるくらいの規模の家ってわけか。貴族かな?それなら俺は御曹司か。長男は嫌だな。家は継ぎたくない。と、自分の立場について考えているとドアが開いて人が3人部屋に入ってきた。一人目はさっきの家政婦さん。二人目は母親らしき人。そして三人目は、引き締まった体をした金髪のイケメンだった。
このイケメンが近寄ってきて、
「ギャーーーーー!!(ギャーーーーー!!)」
いきなり思いっきり持ち上げて揺らし始めやがった!
「ギャーー!イウーー!ウエー。(ギャーー!死ぬーー!うえっ、吐きそう)」
俺の悲痛の叫びを感じとったのか、家政婦さんと母親がすぐに止め父親に怒りだした。
その間俺は、母親の胸に抱きしめられていた。Eはありました。ごちそうさまです。
それから1年くらいはずっと腹が減っては泣き、漏らしては泣きのくりかえしだった。だがただ1年無駄に食っちゃ寝していたわけではない!絵本を読んでもらって言葉を覚え、自分で読み大体文字も読めるようになった! 文法は英語と日本語が混ざってる感じだったから、割と楽に覚えられたな。
この世界での俺の家族を紹介しよう。父親と母と兄がいる。母親は、ファイーナ・ガランド。髪は銀髪のロングヘアで目は赤い、淑女という言葉がピッタリの女性だ。
顔は目が大きく、まつ毛も長い。鼻は高すぎなず、唇はキレイなピンク色だ。胸はEはある。愛情をたくさん注いでくれる、良い母親だ。父親は俺をぶん回した金髪碧眼のイケメン、ジェイル・ガランド。前は騎士団長をやっていたらしい。あのあともたまにやってきて、撫でたりぶん回したりしてくる。(高い高いのつもりらしい)油断できない。兄は、ジュリオ・ガランド。今は5歳だ。父親に似た金髪の美少年で、将来は父みたいに騎士団に入りたいらしい。最後にこの俺、市野 一誠改めリューテシア・ガランドだ。髪は母親譲りの銀髪で、目は青い。顔は鏡を見たことがないのでわからないが、イケメンだと信じたい。
俺の産まれたガランド家は伯爵家だ。今はシュバルツ王国の領主をしている。なんでも前は男爵だったが、数十年前の戦で武功をたて伯爵になったと父が言っていた。当然家もなかなかデカイためメイドさんやコックさん、それに執事もいる。彼らは、また後で紹介しよう。
一歳になった俺は、離乳食を食べるようになった。母乳から解放されたのである!・・・別に母乳がまずいわけじゃないよ!?いくら乳母さんでも恥ずかしいもんは恥ずかしいんだよ!わかんないだろ! それはおいといて、俺は今、昼食を食べている。いや、食べさせてもらっている。
「リュー様、お口を開けてください」
「あーん」
「はい、おいしいですか?」
「おいしー!」
「それは良かったです。コックもよろこびます」
俺にご飯を食べさせている人は、ヘレナ・コサック。ウチの家政婦で、俺の乳母だ。気のいいおばさんで、経験も豊富なのでメイド長をやっている。
昼食を食べ終えたあとヘレナは他の仕事を、俺は昼寝の予定なのだが今日は1年間温めてきたある計画を実行する。その計画とは、『そうだ!書斎にいこう!」だ! ・・・名前に異論は認めない。
書斎といっても、この家のある本が集まってる部屋だ。この部屋には、絵本とか簡単な本しかないためこの世界の情報を得るためにも本を読まなければならない。俺はいつもこの時間は寝ていて、メイドさんたちは他の仕事があるから部屋には誰もいない。というわけでミッション開始だ!
はいっ!書斎到着! え?移動中?何もなかったよ。移動方法?ハイハイだよ!みんな忙しそうにしてたな。お仕事お疲れさまです。さて、じゃあ本を探すか!目標は魔法関連だ!
30分くらいで、良さそうな本が見つかった。「基礎から徹底解説!今日から君も一流魔術師!」という題名の本だ。・・・なんか日本チックだな。まぁいいか。早速読んでみよう。
『やぁ!君がこの本を読んでいるってことは魔法を覚えたいけど、魔法って何?とかどうやって練習すればいいか分からない!って言う感じなんだね?もしそうじゃない人が読んでるなら、別の本を探そう!
まずは魔法について説明しよう!魔法とは、魔力を使って事象を発生させる術のことだよ!強い魔法を使うにはより多くの魔力が必要になるね。たくさん走ったらとってもおなかが空くのと同じだよ!
魔法を使うには、魔力を感じることから始めよう!自分のおへそあたりに意識を集中させよう!そこに何かあるのが感じられるかな?それが魔力だ!最始は、動かないだろうけど動かそうとすればそのうち動くようになるよ!まずは、そこから始めよう!』
テンションがやけに高いけど言ってることはちゃんとしてるな。へそあたりにあるのか。どれどれ・・・おーあったあった、よく集中しないとわかんないけど。これを動かせばいいんだな。フンッ!・・・うまくうごかないな。ちょっとは動くんだけどな…。しばらくは、これを動かす訓練になりそうだな!