武術の授業
なんとかパソコンは使えました。
これからも投稿します。
「知らない天井だ…」
朝、俺が目を覚ますと知らない天井が広がっていた。言いたかっただけです。
昨日は自己紹介の後、学校のことについて説明された。
一日六限で、一限一時間。朝の八時から授業が始まり、授業間には十分休憩がある。十二時半から昼休みで、十三時に授業開始だ。
終わるのは、十五時半くらいでのびることもある。放課後は基本的に自由で鍛錬するも良し、勉強するも良し、ただし校外には出てはいけない。校外に行けるのは光の日だけで、その日以外は授業がある。
その後解散となり、俺たちは校内を探検した。校内には訓練所、図書館、植物園、教会など様々な施設があった。時間がなくてざっとしか見れなかったから、今度また探検したいな。
暗くなってきたので、寮に行った。寮は六つあり、それぞれに属性の名がつけられている。俺たちは、みんな同じ火の寮だった。誰かが仕組んだのか?みんなが喜んでるからいいけど。
夕食の時には歓迎会があり、また自己紹介をさせられた。さらに質問攻めにあい、みんなぐったりとしていた。体育会系のノリにはついていけんよ…。
一年生はそのまま風呂に入って、それぞれの部屋に行き寝た。部屋は二人部屋だったが、俺はビアンカとあわせて二人とカウントされたようで、ビアンカと相部屋だった。
隣を見ると、ビアンカが俺を抱きしめて寝ていた。俺はビアンカを撫でながら、先輩方はもう少し遠慮を覚えた方がいいと愚痴る。
それにしても、ビアンカは体温が低くて夏場は気持ちいいなー。
俺はビアンカが起きるまで、撫で続けていた。というかビアンカに睡眠っているのか?
ビアンカが起き身支度を整えて、食堂に向かった。朝と夜はここで食事する。
食堂ではもう結構人が来て、食事を始めていた。カウンターにはおばちゃんがいて、前に生徒が皿を持って並んでいる。
俺も皿を取り、列に並ぶ。すぐに順番がきて、おばちゃんに皿をだす。
「あら、一年生だね。初日は大変だよ。たくさん食べて元気をつけな!」
「あ、ありがとうございます」
皿を受け取り、席を探す。んー、どっかあいてるかなー?
「リュー!こっちこっち!」
声のした方を向くと、レアが手を振っていたのでそちらに向かう。そこには、もうシャネルちゃんとタマモもいた。
「リュー、おはよう。ちゃんと眠れた?」
「おはようございます、リューさん!」
「おはよう。よく眠れたよ。疲れてたしね」
と言って席に着く。今日のメニューは黒パンとスープ、サラダとミルクだ。
黒パンは固いので、スープに浸しながら食べる。うん、素朴な味で美味しい。ビアンカは、肉を食っている。
けっこう量があるので、さっさと食べる。授業に遅れたくない。
「ふう、ごちそうさま」
十分くらいで食べ終わり、皿を返す。レアたちはもう食べ終わっていた。
「それじゃあ、行こっか。一時間目はなんだっけ?」
「確か、武術だったはずよ」
「なら、着替えて訓練場に集合でしたね。早く行きましょう!」
そうして、俺たちは校舎に向かった。「うわああーー!寝坊したーー!」という絶叫を聞きながら。
「俺がお前らに武術を教えるジェネラルだ!お前らに一つ言っておく。お前らは屑だ!一人じゃ生きていけねぇ社会の屑だ!まだ、魔獣のほうが役に立っている。俺はそんなお前らを使えるようにしなければいけない。だが、お前らが俺の訓練についていけるだけの体力があるとは思えん!だからこれからお前たちには体力作りをしてもらう。今から学院十周だ!何、午前中はずっと武術の授業だ。いくら屑でもこんくらいは出来るだろ。何か文句はあるか!」
シーン…。
「ないようだな、なら行ってこい!走りきれなかった奴は、飯抜きだ!」
『は、はい!』
最初の授業は武術だったが、午前中ずっとだった。ジェネラル先生・・・将軍でいいか。将軍は訓練場に集まった俺たちに、学院を十周してくるようにいった。学院十周って、この学院かなりひろいぞ!?やっぱり、きびしいなー。
そんなこと思いながら走る。体力はまあついてるとは思うけど、十周はきついなー。なんとかがんばるか。
〜四時間半後〜
「ふぅ、ふぅ」
俺は訓練所の地面に、大の字になってねていた。
なんとか走りきった。レアたちも走れたみたいだ。けど本当にきつかったな。俺たちを入れて十人くらいしか、訓練場まで戻ってきてないぞ。あ、アランが戻ってきた。
「はぁ、はぁ。もうダメだ。死ぬ」
「ほう、時間になったんで戻ってみれば。今年はなかなか骨があるが多いな」
将軍が来た。もう十二時半か?
「お前らは昼食を取りに行け。俺は後から来る奴らを、待たねばならん」
将軍にそう言われたので、俺たちは着替えて昼食を食べにいった。
ちなみに、遅れた人たちは将軍からありがたい罵倒が待っていたらしい。鍛えといて良かったな。
午後の授業は、魔術と数学だった。どちらも基本的な知ってることだったので、寝た。みんな、疲れて寝ていた。
三ヶ月はこういうことが繰り返されていった。
そして、三ヶ月後。将軍は
「お前らもただの屑から、体力がついた屑になった!これから、武器を使った訓練を開始する!」
『はい!』
三ヶ月間、学院内を走り回され最初のうちは毎日クタクタになっていた一年生だが、体力がつき顔も心なしか引き締まっている。
ていうかタマモの魔術、訓練してないじゃん!そんな暇なかったよ!今日から始めなきゃな。
「まず、武器を使える者と使えない者に別れろ!」
将軍の号令と共に、生徒たちが二つに分かれる。三十人くらいが使ったことのないほうにいった。残った十人は、使える人か。ってこいつらって、初日に走りきったやつらだな。武術をやってたから、いけたのか。
「別れたな。それでは、使ったことのないやつらはそれぞれ後でどの科に行くかで別れろ!使ったことのある奴らは、準備体操をしておけ!」
科で分けるのか。まあ、商人がハンマー使えても意味ないしな。
準備体操をしながら見ていると、将軍は武術科を目指す奴らには剣、魔術や商人を目指す奴らにはナイフ、鍛冶師を目指す奴にはハンマーと武器を配って行った。魔術師でもナイフくらいは使えたほうがいいらしい。
「全員に行き渡ったな!それでは、素振り百本始め!」
そういって、将軍は素振りをさせ始めた。剣筋なんかバラバラだったが、将軍が見て回って矯正している。いつのまにか持ってきた棒でだけど。
「ジェネラル先生は向こうを見るので手一杯だから、君たちは僕が見るよ」
と後ろから声がかかった。振り向くと、サン先生が木剣を持って立っていた。
「さあ、得物を取ってきてとりあえず構えてごらん」
先生に言われるままに、木剣をとってくる。タマモも剣を使うようだ。シャネルちゃんはグローブをつけている。
そのまま構えると、先生が近寄ってきて見る。
「ふぅん。なかなか良いね。もう実戦を経験してるでしょ」
「分かるんですか?」
「隙がなくなるんだよ。隙を見せたら死んじゃうでしょ?・・・うん、リュー君は大丈夫そうだね」
他の生徒を見に行く先生。構えが変わってたのか…。全然気づかなかった。
レアとシャネルちゃんも特に何も言われず、タマモは少し足を開き過ぎと言われてた。アランは
「先生!どうですか!?」
「重心がぐらついている。足は狭すぎ。もっと腰を落として、足は開いて。あと、剣の握る手が逆」
けっこう直されていた。かわいそうなアラン、すっかりへこんじゃって。自業自得だけど。
「こんなもんかな。それじゃあ君たちには、これから私と試合をしてもらいます。全員でかかってきていいよ。魔術の使用は禁止だよ」
な、なんだってー!