淫乱モード
「もうすぐ、私の番ですね…」
魔術試験の順番が、タマモに近づいてきた。うまく制御できないって言っていたからな。怖いのかな?
「タマモ、怖い」
「・・・はい、失敗して馬鹿にされるのが怖いです。でも」
タマモが俺の目を見る。タマモの目には強い決意が宿っている。
「でも、もう大丈夫です。ここで失敗しても、次はその失敗をしないようにすればいいんです。今は出来なくても、次出来ればいいんです!」
手を握りしめて、俺に言うタマモ。でも、ちょっと震えてる。俺はタマモを抱きしめて撫でながら、
「まだ怖いなら言えばいいのに。震えてるよ」
「む、武者震いですよ!ううう…」
そんなことを言いながら、俺に抱きついてくる。強がりだな、タマモは。
「次の方、来てください」
試験官さんが、次の人を呼んでいる。って次はタマモか。
「ほら、タマモいってらっしゃい。頑張れ」
「はい、いってきます。頑張ります」
そう言って、タマモは水晶に歩いていった。
タマモは水晶の前に立って、手を前にだした。どんな魔術を使うのかな?
タマモは目をつぶり開くと同時に、
「フレイムバリスタ!」
と叫んだ。
すると、炎の大矢が現れたがまだ放たない。ってどんどん大ききなってるぞ!魔力こめすぎだ!
タマモも、辛そうにしている。早く撃て!
試験官が止めに入ろうとしたとき、
「はぁはぁ、はあ!」
と矢が水晶に向かって飛んでいった。ドォン!と矢が爆発する。俺はタマモに駆け寄った。周りの奴らは、唖然としている。
「タマモ、大丈夫?」
「はぁはぁ、えへへリューさんやりました。ちゃんと撃てましたよ」
「・・・」
ズビシ!と無言でチョップをいれる。
「ふぎゃ!リューさんなにするんですか!」
「この馬鹿狐!なにやってんだ!あのままじゃ暴発してたぞ!」
「だ、だからうまくできないって言ったじゃないですか!あれでも、かなりうまくいったほうなんですよ!」
「下手すぎるわ!ああもう、学院に入ったら猛練習だかんな!覚悟しとけよ!」
「はい!分かりました!」
嬉しそうにタマモが返事をする。心配かけさせやがって…。
「えっと、もういいですか?次、君ですよ」
「あ、すいません。タマモ、離れてろ」
「はーい」
水晶の前に立ちながら、どうごまかそうか考える。せめて、タマモよりは上じゃないとな。教えるんだし。
・・・。よし!この試験は実力を見極めるためなんだし、全力でいくか!後のことは、おいおい考えよう。
水晶の前に立ち、心を落ち着かせる。今回は、かなり魔力を使うからしっかり練っておく。一応確認しとくか
「すいません。この試験って同時に魔術を撃てば、何個でも出していいんですか?」
「え?いいですけど、できるんですか?もっと強い魔術を一発撃った方がいいですよ」
弱い魔術をたくさんだすとでも、思ってんのかな?まあいいか。
「フレイムジャベリン!」
と唱えると、炎の大槍が現れる。「おお!」と声があがるが、まだまだこんなもんじゃないぞ!
一つ、また一つと槍が増えていく。どんどん増えていき、15個で止まった。周りはしーんとしている。
「フルファイア」
と俺が言うと、槍が一斉に水晶へと向かっていく。ドォォン!と爆音が響き爆発が起きる。
試験官さんは、しばらく呆然としていたがハッとしたかと思うと、慌てて水晶を見に行った。
いやー、やっぱ派手だな。こんくらいやっとけば十分だろ。
タマモのほうに歩いていく。タマモは、ポカンとしていた。
「おーい、タマモ。どうだった?」
「・・・」
へんじがない。ただのしかばねのようだ。
「おーい、大丈夫かー?戻ってこーい」
ほっぺたをムニムニする。お、柔らかい。ひっぱると、のびるなー。
「ふぁふぇふぇふふぁふぁい。ふゅーふぁん」
「ん?何?どうした?」
ほっぺから手を離すと、
「リューさん、なんですかあれ!どうやって、やるんですか!?」
「落ち着け。そのうち教えるから」
「絶対ですよ!絶対教えてくださいね!」
魔力は多いみたいだし、ちゃんと訓練すればできるだろ。
「これで試験も終わりだから、帰るか」
「そうですね。リューさんは、誰かといっしょにきてるんですか?」
「ああ、家族と知り合いといっしょに受けたんだ」
「そうなんですか。お会いしてもいいですか?」
「え?あ、ああいいよ。たぶん…」
どうなるのかな・・・。また怒られる?
タマモを連れて、校門の前まで戻った。レアとシャネルちゃんは・・・いた。どうなるかな…。
「あ!リュー、こっちだよ!」
レアに呼ばれる。近くまできたら、抱きついてきた。
「ちょ、ちょっとレア?何してんの?」
「んふふ〜♪リューの補充だよー。ずっと一人でさびしかったんだから」
なんか年を重ねるごとに、より甘えん坊になっていくな。離れていくと、思ってたんだけどな。
「リュー、どうだった?」
「全然、大丈夫だったよ。お姉ちゃんは?」
「まあ、全力を尽くしたわ。そ、それでえっとう、家に帰ったらそのい、いっぱい甘えていい?」
「いいよー。いっぱい可愛がってあげるからね」
「う、うん。ありがと」
シャネルちゃんが急にデレてきた。シャネルちゃんは、いつもはお姉さんぶってるけど時々ものすごく甘えてくる。いつもの反動かな?
「リューさん、この人たちですか?」
「そうだよ。獣人なのがシャネルお姉ちゃんで、龍人なのがレア」
「リュー、この子は?」
「私はタマモです。リューさんと試験で席が隣で、いろいろお世話になったんです!」
「そうなんだ。よろしくね」
良かった。和やかに進んでいる。
「それじゃあ、タマモ。また明日」
「はい!同じクラスになれるといいですね!」
と言って、タマモは帰っていった。
「僕たちも帰ろうか」
「うん!」
「そ、そうね」
俺たちも三人で、家に帰った。
家に着き軽い食事を済ませた後、俺は部屋でシャネルちゃんを待っていた。
レアは自分の部屋で寝てるし、ビアンカは書斎に行っている。やるなら今しかない!
コンコン
「入っていいよー」
ノックした後にシャネルちゃんが、部屋に入ってきた。
「その、リュー?」
「いいよ、お姉ちゃん。こっちにおいで」
シャネルちゃんが俺の方をうかがっていたので、腕を開いて招き寄せる。シャネルちゃんはフラフラとこっちに来たと思うと、俺の胸に飛び込んできた。
「ふわぁ、リューの臭いだぁ。撫でてぇ」
「よしよし、お疲れさまお姉ちゃん」
頭を撫でると、「くぅ〜ん♪」と、頭をすりすりと擦り付けてくる。
「お姉ちゃんなのに、赤ちゃんみたいだよ」
「だって、いつもレアばっか甘えてずるいの!私もいっぱい甘えたいんだから〜!」
「ん、ごめんね。でも今は、お姉ちゃんが甘えていいんだよ」
黒いイヌミミを撫で上げ、フニフニと揉む。
「んあぁ〜♡気持ちいい〜♪」
シャネルちゃんが、蕩けきった目で俺を見る。口からは、んあぁ、ふわぁと喘ぎ声がもれている。エッチいな。これは、淫乱モードと名付けよう。
「尻尾も撫でて?さびしいのぉ」
シャネルちゃんの要望に応えて、ブンブン振られてる尻尾も撫でる。根元を揉んでシゴく。
「ひやぁぁぁん!それいいの〜!シコシコしてぇ〜!!」
どうやら気に入ったようだ。耳と尻尾は性感帯なのかな?
耳と尻尾を同時に攻めていたら、いつの間にかシャネルちゃんがぐったりしていた。
「お姉ちゃん、疲れちゃった?」
「うん…。気持ちよかったぁ〜」
「部屋に戻って、寝ようか。試験、大変だったでしょ?」
「やだ〜。ここでリューといっしょに寝るの〜」
シャネルちゃんが抱きついて、離れない。しょうがないな。
「そっか。それじゃあ、寝よっか」
そう言って今日は、シャネルちゃんと抱き合って寝た。
次の日起きたら、ビアンカが背中から抱きついて寝ていた。ビアンカが起きるまで、動けなくて漏らすかと思った。
シャネルのキャラが崩れる!