表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/110

試験開始


それから一ヶ月は、この国の歴史や周りの国のこと、数学について勉強した。レアとシャネルちゃんは、数学でつまずいていたな。ほかのものは、暗記物だからな。そこで、この世界の国について説明しよう!

この世界には1つの大きな大陸があり、主に3つの大国が支配している。シュバルツ王国・ヴァイス皇国・リュージュ帝国だ。

シュバルツ王国は、大陸の南にある平原あたりを領地としている。農業が盛んで、穀物を輸出している。人族と獣人族が多い。

ヴァイス皇国は、大陸の北西にある大森林を領地としている。林業が盛んで、聖教という大陸で一番普及している宗教の総本山がある。エルフが多い。

リュージュ帝国は、大陸の北東にある山岳地帯を領地にしている。鉱業と魔術研究が盛んで、大陸一の軍を有している。竜人族が王をしていて、ドワーフが多く住んでいる。

どの国も戦争はせず、お互いに協力し合って魔獣に対抗している。共通の敵がいるから、戦争が起きないのか。

貨幣は共通。それぞれの国が、違う産業を行ってるので関税はない。経済が盛んになるわけだ。



そんなわけで、一ヶ月たちました。俺たちは、5年ぶりに王都にきた。ロキは元気にしてるかな…。

そして本日、入学試験当日になりました。

「そんなに緊張しなくても、大丈夫だよ。いつも通りやれば大丈夫だよ」

「う、うん…」

校門の前で、親父がレアに話しかけていた。レアのめちゃくちゃ緊張している。

「それに比べて、リューは全く緊張してないな。もう少し緊張感を持ったほうがいいぞ」

まあ、落ちない入試なんてヌルすぎるぜ!高校入試はめちゃくちゃ緊張したけどな。

「シャネルちゃんを見習えよ。いい具合に緊張してるぞ」

シャネルちゃんは、深呼吸して「よし!」と気合をいれていた。レアはガクガク震えてる。ほぐしてやるか。

「レア。大丈夫だよ」

とレアを抱きしめて、撫でる。少し震えが弱まったな。

「でも、もし失敗しちゃったら…」

レアが泣きそうな顔で言う。まったく、この子は…。

「レアならできるよ。毎日頑張ってたじゃないか」

角を撫で上げる。気持ち良さそうにしているな。そろそろ大丈夫かな。

「レア、もう大丈夫?」

「・・・うん。頑張る!」

笑顔で答えるレア。これでもう大丈夫。

「それじゃあ、行ってこい!」

『はい!』

と言って、俺たちは門の中に入った。


しばらく進んでいくと、人が集まっているところがあった。そこに向かうと

「入学試験を受ける方は、ここで受験票を受け取ってください!」

と男の人が言っているので、受験票を受け取りにいく。

「すいません。試験を受けたいんですけど」

「はい、三人ですね。それじゃあこれを胸につけてください」

と渡してきたのは、74・192・285と書いてあるプレートだ。裏にピンがついていて、胸につけるようだ。

「あの、番号がバラバラなのは」

「ああ、それは不正防止ですよ。複数で示しを合わせて、カンニングなどを出来ないようにするためです」

へぇー、しっかりしてるな。

「このまま道をまっすぐ進むと、会場が見えてきます。頑張って下さいね」

「ありがとうございます」

と言って、レアたちの元に戻った。

受験票は、シャネルちゃんが74番 レアが192番 俺が285番になった。


言われた通りに進んでいくと、大きな建物が見えてきた。ここに着く途中でも、幾つか建物が見えた。どんだけ広いんだ?この学院。

建物の扉を通り中に進むと、大きなホールになっていた。

「うわー、広いね」

「うん。お家より大きいよ」

「スゴイわね。さすが、王立学院って感じね」

そのまま、まっすぐ進むと100番刻みで教室が分かれていた。ここで試験をするのか。

「ここで、一旦お別れだね」

「レア、がんばるのよ」

「うん!リューとお姉ちゃんも頑張ってね!」

ここで、三人は分かれた。


王立学院の試験には、筆記試験と実戦試験にわかれている。筆記試験では、地理・歴史・数学・一般常識などが問われる。

実戦試験では、希望する人が受けれる。商人などを目指す人は、やんなくても問題ない。最初に希望する科を書かされた。俺は、武術科にした。レアとシャネルちゃんが、武術科だからな。魔術は、授業をとることにした。

教室に入ると、結構席がうまっていた。俺の席は・・・お、あそこだな。

席に座って、試験が始まるのを待つ。となりの席を見ると、

ガタガタガタ

机を揺らすほど、震えていた。

「・・・君、大丈夫?」

「ひゃい!!らいじょうぶれす!!」

「大丈夫じゃないよね!?」

俺の隣の席の子は、狐耳の女の子だった。120cmくらいのまだ幼女と言ってもいいくらいの子だ。

「君、ホントに大丈夫!!医務室行く?」

「だいじょうぶ、大丈夫です。私は大丈夫です…。こんなとこで躓くわけには」

狐耳の女の子が言う。なんか、暗い顔したけど大丈夫かな?それに、まだ震えてるし

「緊張しているんだね」

「はい…。情けないです…」

「そんなこと、ないよ。初めてなら、そんなもんだよ」

ナデナデ、と頭を撫でる。撫でやすい位置にあるなー。レアは、もう大きいんだよな。あ、俺が小さいのか。

「ふぇ!」

「あ、ゴメン!嫌だった?いつものクセで、撫でちゃって」

「い、いえ別にいやとかじゃなくて・・・。でも・・・」

ブツブツ言ってる、狐っ娘。どうした?

「えっと、すいません!」

「ど、どうしたの?」

「その・・・撫でてくれませんか?撫でられてる間、落ち着けたので」

「い、いいけど」

もう一回、撫でる。狐っ娘は、耳をフニャっとさせ「くぉん♪」と頬を染めながらじっとしていた。

しばらく撫でていると

「ありがとうございます。落ち着きました」

と俺から離れた。

「そう?それは良かった。もう大丈夫?」

「はい。すいません、ご迷惑をおかけしてしまって」

「大丈夫だよ。撫でるのは好きだし」

「そう言ってもらえると、幸いです」

見た目とは違って、しっかりした子だな。

そんなことを話していると、教室に男性が入ってきた。

「始まるみたいだな。頑張ってね」

「はい!えっと、あなたも頑張ってください」

そうして、筆記試験が始まった。



<side レア>

リューたちとわかれて、教室に入るとたくさん子どもがいました。こんなにいっぱい子どもを見たことがないよ。

私の受験票と、同じ番号の席に行きます。どこにあるのかなぁ〜?  あ!あった!

席に座って、周りを見渡します。知らない人がたくさんいて、ちょっと怖いです。でも、リューと頑張るって約束したもん!!

もしすごい点をとったら、リューはほめてくれるかなぁ?ご褒美くれるかなぁ?

・・・えへへへへ。頑張って、ご褒美もらおっと!


<side シャネル>

リューとレアと別れて、試験会場にはいる。リューはまだしも、レアは大丈夫かしら?

受験票と同じ数の席に座る。目をつぶって、この試験について考える。

実戦試験はいいとして、問題は筆記試験ね。歴史と地理はある程度とれるとしても、数学が心配ね。

リューに教えてもらったんだから、できるだけ高い点をとりたいわ。

そしたら、リューもほめてくれるわよね?いつも勉強してるときには、撫でてほめてくれたし。

・・・ウダウダ考えていてもしょうがないわね。とにかく全力を尽くすわよ!

そして、リューにほめてもらうのよ!



リューは、年下に人気です。

リューは、精神的には500歳をこえてます。

だから、リューがモテるのは自明の理なんです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ