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王都へ

なかなか話が進みません

「王都に行かないか?」

俺が五歳になってしばらくたったある春の日、親父が急に言いだした。

あ、ちなみに俺の誕生日は春だよ。レアは秋。

この世界の暦は1月から12月までの12ヶ月。一月30日で、年末に憩いの時と呼ばれる5日間の休みがある。1週間は6日でこれは火・水・風・土・光・闇の名がついている。(3月の第1の火の日と感じ)


閑話休題(それはおいといて)


「王都って?」

王都だから王様が住んでいる街だよな。

「王都ってのは、この国の王様が住んでいる街だよ」

合ってたか。けど、

「どうして王都に行くの?」

どうして行くんだろう?

「年に1回、領主が王様に前の年にあったことを報告しに行くんだ。それにリューたちもついてこないかなって。それに...」

それに?

「王都に闇の魔術の使い手と竜人の騎士と格闘家の知り合いがいるからみんなでどうかな?って」

おお!ついに闇の魔術を教えてくれる人が見つかったのか。

レアは騎士さんに竜人だけが使える魔術を教えてもらえるし、シャネルちゃんも格闘家の人に鍛えてもらえるしね。

「どのくらいの間行くんですか?」

「二週間くらいかな?行くのに何日か、かかるから実際にほ三週間くらいになるな」

「みんなで行けるんですか?」

「ああ、シャネルちゃんも連れていけるよ」

ちょっとした旅行だな。行くのが楽しみだ。



数日後、荷物をまとめて馬車に乗り出発した。

シャネルちゃんは「いいんですか!?」と言ってとっても喜んでいた。何でも一生に一度は王都に行くのが夢の一つだったらしい。

他の夢は何なのか聞いてみると、

「リューには秘密!」

と言われた。気になるなぁ。

それで出発したわけだが、

「周りに兵隊さんがいっぱいいますね」

俺たちが乗っている馬車が騎兵に囲まれて進んでいるのだ。

「まぁこれでも、貴族だからな。護衛と見栄を兼ねてるんだよ」

見栄か。たくさん兵がいることが、軍事力と経済力を表しているのか。

あっ、女騎士さんと目が合った。笑顔で手を振ると、騎士さんも手を振ってくれる。

「何してるの?リュー?」

「騎士さんに手を振ってるんだよ」

「ホントだ」

と、レアも手を降る。周りの騎士さんも手を振ってくる。人気だな、レア。

「こら!お前ら、真面目にやらんか!」

あらら、怒られちゃった。

「騎士さんたちが怒られちゃうから、やめよう」

「うん。悪いもんね」

と馬車での時間はすぎていった。



3日後、俺たちは王都に到着した。道中、何回か魔獣が襲ってきたがすぐに兵隊さんたちが撃退してくれた。

問題があるとすれば、

「お尻が痛いよう…」

「ううう。リュー知ってたなら言いなさいよ…」

レアとシャネルちゃんが、お尻を痛めたことかな。一度は経験したほうがいいと思って、何も言わなかった。

俺はクッションを持ってきてケツに敷いといたから、だいぶ楽だった。

「ここが泊まる家だぞ」

と親父が指差したのは、家より少しだけ小さい邸宅だった。

家より小さいって言っても、俺ん家はかなりでかいためこの家も十分大きい。

「んじゃ、それぞれ教わる人に会いに行こうか」

部屋に荷物をおいて、リビングに集まった時に親父が言い出した。

「レアとシャネルちゃんの教わる人は、同じ場所にいるからリューも一緒に来てくれるか」

「分かりました。兄様と母様はどうするんですか?」

「僕は家で休んでるよ。馬車で疲れたし、ここで読みたい本もあるしね」

「私は友達に会ってくるわ」

らしいので、4人で行くことになった。


俺たちが連れてこられたのは、騎士団の鍛錬場だ。

「父様、こんなところにきていいんですか?」

「大丈夫だ。許可はもらってるよ」

鍛錬場に入ると、竜人の女性と人間の男性がいた。

「久しぶりね、ジェイル。10年ぶりかしら?」

「まったく。急に俺らを呼び出して、一体何のようだ?」

「久しぶりだなエリザ、ダン。みんな、こいつらは俺の騎士団時代の同僚のエリザとダンだ」

エリザさんは、紫色の髪を上で結んでいるキツ目の美人さん、ダンさんは、スキンヘッドが眩しいいかついおっちゃんだ。

「あら、後ろの子は?」

エリザさんがこっちに気づいたようで、俺らのほうを見る」

「何だ?お前の子は一人じゃないのか?」

ダンさんもこっちを見る。レアが俺の後ろに隠れる。怖いよ、ダンさん。ガン飛ばさないで!

「二人は俺の子だけど、獣人の子は違うよ。ガントルの娘だ」

「ああ、シャルルの子か。大きくなったな」

「青い髪の子は竜人でしょ?何であなたの子なの?」

「いろいろあったんだよ。みんな挨拶して」

「こんにちはエリザさん、ダンさん。リューテシアです。リューって呼んでください」

「・・・レアです」

「え、えっと シャネルです」

挨拶をする。レアは人見知りしてるし、シャネルちゃんは緊張してるな。

「こんにちは。しっかりしてるわね、リュー君」

「ジェイルの子とは思えねぇな」

「何だよ!ファイーナの子でもあるんだぞ!」

親父が怒って言い返す。その返しは次の展開が…。

「そうね。良かったわね、リュー君。お母さんに似て」

「まったくだな。こいつに似たら、目も当てられん」

やっぱり。自分で自分を貶めてるぞ、親父。

「何だよ、みんなして俺に似なくて良かったって…」

親父がいじけてしまった。しょうがないな…。

「父様」

「何だよ、リュー。お前も母さんに似て良かったって」

「僕は父様が、お父さんで本当に良かったです!」

ニコッと笑って慰めてあげる。すると

「はっはっは!そうかそうか、俺が父親で良かったか!」

ふっ、ちょろい。

「おいおい、息子に気を使われてるぞ」

「へぇ…」

エリザさんが近ずいてしゃがんで、俺と目線を合わせる。

「・・・」

「・・・」

な、何だ?

「ふーん。面白いわねリュー君」

「え?」

面白いって何が?

「それで、何しにきたの?」

「ああ、そうだった。レアとシャネルちゃんを鍛えて欲しいんだよ」

何だったんだ?

「ふぅん。レアちゃんには、私が竜化魔術を教えればいいの?」

「ああって、何で分かったんだ?」

「だってその子羽無しでしょ」

ッ! この女どうして!?

「リュー…」

レアは心配そうに俺を見て、俺はエリザさんを睨んでると

「私は、そういうの気にしないから問題ないわ。だからそんな睨まないの。ゾクゾクするじゃない」

エリザさんが俺を見ながら言った。でも、

「なんで分かったたんですか?」

「何となくよ。私、勘が良いの」

・・・油断できないな、この人。

「じゃあ、俺はこいつに教えりゃいいんだな?」

「おう、任せたぞ」

「リュー君は、一緒にやらないの?」

「リューはゲオルグの爺さんに預けてくる」

「・・・大丈夫か?」

「大丈夫だろ。リューだし」

え?ゲオルグの爺さんって誰?大丈夫って何が?

「リュー君が死んだら、私がゲオルグを殺すから大丈夫よ」

物騒だよ、エリザさん!

「それじゃあ、任せたぞ。いくぞ、リュー」

「え?あ、はい!が、頑張ってね!レア、お姉ちゃん!」

親父が行ってしまうので、慌ててついて行く。・・・親父の知り合いみたいだし、とりあえず信用しとくか。

「じゃ、やりましょうか。レアちゃん」

「えっと、よろしくお願いします…」

「俺らもやるか」

「はい!」

こうして、レアとシャネルちゃんの訓練が始まり、俺はゲオルグなる人の元へ連れていかれた。


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