エピローグ
2026.6.11 投稿
この世は、夢から生まれた。
それが誰の夢であったのか。
それを知る者は、もういない。
ただ、その者は静寂の中で夢を見た。
燃えるものを。
巡るものを。
満ちるものを。
芽吹くものを。
還るものを。
轟くものを。
照らすものを。
見つめるものを。
夢は言葉となり、
言葉は形となり、
形はやがて世界となった。
人は後に、それらを神と呼んだ。
神々は語らない。
炎は燃えるだけであり、
海は満ちるだけであり、
月は巡るだけである。
語る必要がないからだ。
世界はそうして続いていた。
永く・・・あまりにも永く・・・
だから誰も気づかなかった。
最初の夢が、いつしか途絶えていたことに。
神々でさえ、気づかなかった。
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人は生まれた。
神々のように永くは生きられず、
炎のように燃え続けることもできず、
月のように天を巡ることもできない。
けれど人は、自由だった。
己の意思で選ぶことができた。
神々が知らぬことを。 神々ができぬことを。
これは、遠い昔の物語。
あるいは、ほんの最近の話かもしれない。
世界は今も変わらず巡り、
命は生まれ、死は訪れる。
人が神と共に生きた最後の時代。
人はそれを、
空蝉の世と呼ぶ。
初投稿です。
どうぞ御贔屓に。




