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希望と絶望を繋ぐ月世界  作者: 黒丸
第一章 陰から影へ(日月編:兎と影を繋ぐ世界)
7/22

第七話 再会と絶望の繋がり

 先程、わざわざ前世の思い出話をしたのにはちゃんと意味がある。


 僕がこの世界に転生したのは、月影浸夜が二歳の時。

 前世で僕が父親に憧れ、陽キャとしての人生が始まったのも二歳の時。


 そして、僕が初めて失敗し。

 新たに前を向いて進もうとした時……。


 ――全ての始まりだった時だ。


 それは、月影浸夜にとっても同じだった。


 陰歴二〇九八年九月九日。


 僕が月影浸夜に転生した日。

 母親は、僕に抱きつきながら泣いていた。


 最初は訳がわからず、放心状態だったが、その理由は直ぐに判明した。

 どうやら、月影浸夜は僕が転生するまで、一度も覚醒していなかったらしいんだ。


 それ故、二歳なら身に付いているはずの筋力と声帯。

 この二つが全く発達していない状態だった。


 覚醒しなかった原因は、よくわからないらしく。

 医者は、未知の病だとか口にしていたそうです。


 その後は、特に後遺症などもなく。

 肌質も良く、至って健康状態でした。


 つまり、月影浸夜にとっても。

 全ての始まりだった時ということになる。


 極め付けが、この容姿。

 そして、この世界にのみ存在する適性能力だ。


 適性能力とは、人それぞれに適した性質から備わっている能力のこと。

 必ず、一人一つだけ備わっていて、二つ以上備わっている人は存在しない。


 因みに、適性能力は魔力を利用することで使うことができる。

 魔力について簡単に説明すると、要するに体力のことを指している。


 では、まず容姿について。


 月影浸夜は黒色の髪に、紫色の瞳をしている子供。

 母親に似て、かなりの美少年だ。


 前世とは違う姿だったが。

 なぜか、とてつもなく違和感があった。


 それは、シャドウの面影を感じること。

 もちろん、人間と兎とでは容姿が全く異なる。


 けど、うまく言葉にできないが。

 初めてこの容姿を確認した時、なにかの縁のようなものを感じた。


 まるで、心の中で切り離したものが再び繋がったような感じだった。

 と言っても、黒色の髪に紫色の瞳の人間はそんなに珍しくはない。


 これは僕の思い違いで、ただの偶然かもしれない。

 だが、それだけじゃないんだ。


 まだシャドウが生きていた時、兎のことをもっと知ろうと。

 動物に関する本を何冊か読んだことがある。


 その中に、『兎の年齢と人間の年齢』という本があった。

 その本には、兎の年齢と人間の年齢の違いについて書かれており。

 兎の一ヶ月を人間の年齢に変換すると、大体二歳くらいらしい。


 シャドウを飼い始めたのは、生後一ヶ月くらいの時。

 つまり、容姿も年齢も全てシャドウを飼い始めた時と完全に合致する。

 そう考えたと同時に、置いたはずの絶望が込み上げてきた。


 当然だ。

 シャドウと同じ容姿と年齢になる理由なんて一つしか浮かばない。


 これは、恐らくシャドウから僕に向けての試練だ……。


 ただの試練じゃない。

 憎しみを込めた、後悔と絶望の試験だ。


 あの時(十二歳の時)、自分を救ってくれなかった奴が。

 今更、何を変えられるんだ。


 お前なんかが、英雄になんてなれるわけない。

 そう言われてる気がした……。


 けど、その時に気づいたんだ。


 これは、僕自身が思っていること。

 僕が、シャドウにそう思っていてくれと願っているだけ。


 このままの考え方では、今までの僕と何も変わらない。


 僕は決めたはずだ。


 変わるって。

 変えていくって……。


 だから、逆の視点で考えで。

 シャドウの気持ちになって、答えを導き出そうとした。


 シャドウは僕の大切な家族で、掛け替えのない存在だった。

 いつも僕を支えてくれて、勇気と力を与えてくれていた。

 だから、僕はあの頃まで頑張れた。


 きっと僕一人だけだったら、直ぐに諦めていた。

 もしかしたら、そのまま全てを投げ出してたかもしれない。


 けど、シャドウのお陰で、いつも前を向くことができた。

 一歩踏み出し、進むことができたんだ。


 今一度、シャドウのことを深掘りした結果。

 僕はある結論を導き出し、それが答えだと信じた。


 これは、シャドウが僕に変わるための勇気と力を与えてくれてるんじゃないか?


 自分が支えるから、前を向いて。

 一歩踏み出し、そのまま進み続けてよ。


 きっとシャドウなら、そう言ってくれるはずだ。


 ということは……。

 これは、シャドウから僕への憎しみの試練ではなく。

 変わるために与えてくれた試練なんじゃないか?


 人間は変わろうと思っても、そう簡単には変われない。

 それを僕自身もよくわかっている。


 だからこそ、シャドウが僕に変わるための勇気と力を与えてくれている。

 今も尚、僕に寄り添い、支えてくれている。


 だから、ここで……。

 この世界で、己の中にある後悔と絶望を乗り越えろってことじゃないか?


 自分勝手な結論かもしれないけど。

 だとしたら、僕はこの試練を絶対に乗り越えてみせる。

 いや、なんとしても乗り越えないといけない。


 自分の為にも。

 そして、シャドウの為にも。


 僕は必ずこの世界でこの試練を乗り越える。

 そう強く思い、僕はシャドウとの繋がりを再び結ぶことができた。


 次は、適性能力について。


 この世界には、冒険者という職業があり。

 その冒険者たちが仕事をするために存在する冒険者組合という場所がある。


 適性能力は、その冒険者組合でのみ検査ができるらしく。

 僕が転生した日に母親に連れられて、適性能力を検査してもらった。


 検査方法は至ってシンプル。

 魔法陣のような模様をした鉄板の上に手を乗せるだけ。


 手を乗せると、鉄板から真っ白な光が発生するらしい。

 でも、発生したのは、その逆の性質をした真っ黒な影が発生した。

 しかも、その影は僕が前世で死んだ時に出現したものと全く同じだった。


 当然、また死んでしまうのかという疑問が脳裏に浮かんだが。

 その影は徐々に消えていき、隙間から真っ白な光が差し込んできた。


 結果、僕は死ぬことはなかった。

 その後、その影が発生した原因が判明。


 発生した原因は、なんと僕でした。

 正確には、僕に備わっている『影』の適性能力。


 それだけでもビックリしたが。

 どうやら、影の適性能力者は僕だけらしい。


 つまり、唯一人の影の適性能力者になったのだ。

 結論を言うと、あの影は僕が生み出してしまったものってことらしい。


 そして、僕が影の適性能力者になった理由。

 それは、恐らくシャドウから与えてもらった力によるものだ。


 というのも、基本的に元々存在する適性能力を身に付けているらしい。

 僕みたいに、新たな適性能力が発見されたのは数十年ぶりで、かなり珍しい。


 だから、なぜ僕が影の適性能力者になったのかを考えた。

 その結果、『シャドウ』だから『影』だという結論に至った。


 まあ、親父ギャグみたいな考え方ではあるが。

 そう考えれば、あの時(前世の最後)に出現した原因も。

 なんでさっきみたいに、僕の時だけ出現したのかも、全てに納得がいく。


 だから、僕はそう信じた。

 この影の能力は、シャドウの力。


 シャドウが僕に与えてくれた。

 僕だけの力だと……。


 ということは、あの真っ黒な影によって死んだ後。

 この世界に転生したのも、この影の能力によるものだったってことになる。


 この世界に転生したのも。

 この容姿も、この力も……。


 全て、シャドウが僕の為に与えてくれたもの。


 この世界に転生した目的は、僕の中にある後悔や絶望という試練を乗り越える為。

 この容姿は、シャドウが僕に変わる勇気を与えてくれてるから。


 そして、この試練を乗り越えるために与えてくれた力。

 それが、この影の能力ということだ。


 それらの結論を導き出すことができた。


 つまり、今の僕はシャドウのお陰で成り立っている存在ということだ。


 でも、なぜシャドウとの繋がりが戻ったのか……。


 その答えを考えた結果。

 導き出した答えが、並行世界(パワレルワールド)だったというわけです。

 

 前世の世界と、この世界が繋がっているのなら。

 シャドウとの繋がりが再び戻ったのにも納得がいく。


 ということは、月影浸夜は……。

 この世界に存在する、もう一人の僕ということになる。


 そもそも、この世界は異世界だ。

 なら、並行世界(パワレルワールド)だとしても、別に不思議じゃないし、恐らく可能だろう。


 それに繋がりがあるのは、シャドウのことだけに収まらなかった……。



◼️◻️◼️◻️



 母親と僕は朝食を食べ終えた後、キッチンにて一緒に後片付けをしていた。

 シンクで母親が食器を洗い、僕が布巾で拭いて各食器の大きさ毎に重ねていった。


 キッチンの高さは、僕の二倍くらいあり。

 いくら頑張って背伸びをしても届かないので、現在踏み台に乗っている状態です。


 僕が布巾でふきふきと食器を拭いていると。

 一足早く食器を洗い終えた母親が蛇口を捻り、水を止めて僕の左隣へ。

 拭き終わった食器を持って、食器棚へと移動し、丁寧に元の場所に戻していた。


 そうこうしている内に、僕も最後の食器を拭き終えたので。

 その食器を落とさないように両手で持ち、踏み台を降りて母親の元に向かった。 


「はい。母さん」


「ありがとう、浸夜」


 僕は両手で持っていた食器を手渡し、母親が食器棚へと戻していた。


「母さん。ちょっとお願いがあるんだけど……」


「あら、浸夜がお願いなんて珍しいわね。一体どんなお願いなの?」


 恐らく、我が子からのお願いが嬉しいのだろう。

 母親はキラキラと目を輝かし、じっと見つめてきた。


 対して、僕は至って真面目な眼差しを向け。

 ほのかに口元を緩ませ、笑みを浮かべながら呟いた。


「あの部屋の鍵を貸して欲しい……」


 僕がそう言うと、母親は少し口を開け、驚いているみたいだった。

 だが、僕の様子を見て、抱いている思いを感じ取ったのか。

 直ぐに優しい笑みを口元に浮かべ、一人でに頷いていた。


「うん。いいわよ……」


 母親は首に掛けているチェーンを両手で握り。

 頭を潜らせて外し、僕の右手のひらに乗せてくれた。


 そのチェーンには一つの鍵が付いており。

 この家に存在する、ある部屋を施錠する際に使うことができる。


「終わったら、ちゃんと鍵を閉めておいてね」


「うん。ありがとう」


 鍵を渡し終えると、母親はスッと立ち上がり、扉の前へと移動し。

 扉を開けようとドアノブに右手を掛け、体をこちらに向けた。


「母さん、お店に居るから。何かあったら呼びに来てね」


「わかった」


 僕の返事を聞いた後、母親は扉を開けてリビングから出て行った。


 お店というのは、この家で母親が経営している衣服店のこと。

 店名は、『卯月衣服店』と言う。


 母親は、物心ついた時から衣服に興味があり。

 黙々とコーデや素材などを調べていたらしい。


 けど、最初は自分で衣服を作る気は無かったそうで。

 別の場所で、今とは全く違う仕事をして働いていた。


 その場所というのは、冒険者組合。

 十六歳の時から受付嬢として働いていたそうだ。


 別にその仕事をしたいわけではなかったが。

 特に嫌なわけでもなかったので、そのまま続けていたみたい。


 ある日、大事な友達から衣服の作り方を教えてもらい。

 作る楽しさを実感したらしく、自分でも衣服を作り始めたと聞いたことがある。


 二十二歳の時に冒険者組合を辞め。

 この家を建てたと同時に、このお店を始めたらしい。


 母親もそうだが、僕が着ている衣服は全て母親が作ったもの。

 その印として、卯月衣服店の衣服には決まった刺繍がが施してあり。

 白色の円形の中に、瞳が青色で黒色をした右向きの兎になっている。


 所謂、ブランドマークというやつだ。


 以上が、母親が衣服を作り始めた経緯。

 そして、卯月衣服店の誕生までの物語でした。


 因みに、今の僕と母親の服装は……。

 僕は白色のワイシャツの上に暗赤色のベストを着て。

 黒色のスラックスと靴下を履いている。


 母親は白色のワイシャツの上に赤色のカーディガンを着て。

 黒色のチノパンツと赤色の靴下を履いている。



◼️◻️◼️◻️



 僕はリビングを出て、ある部屋に向かっていた。

 無意識に足取りが重くなり、真剣な目つきになった。


 少し辿り着くのに時間が掛かりそうだ。

 丁度いいので、今度はこの家のことを説明しよう。


 壁紙は白色で統一してあり。

 フローリングは、白茶色や白色を使用したライト系の明るい木目になっている。


 お店は玄関が位置している空間で経営しており、基本的に出入りはそこから行う。

 部屋の形は四角形になっており、右側に九十足程度の靴が入る下駄箱がある。


 左右に六列くらいの大きなハンガーラックがあり。

 右側は女性ものの衣服で、左側には男性ものの衣服が並んでいる。


 衣服は、アウター・パンツ・トップス・スカート・ワンピース・オーバーオール。

 他にも小物があり、靴下・手袋・マスク・バッグ・帽子などがある。


 天井にはスポットライトが設置してあり。

 その照明で部屋全体を照らし、奥行きのある空間を生み出している。

 右側に黒色のスポットライトが六個。左側に白色のスポットライトが九個ある。


 左側には、レジカウンターテーブルと椅子があり。

 そのテーブルの上にはレジスターとパソコンが設置されている。


 カウンターの後ろ側には、扉が二つあり。

 右側には、衣服を包装するための箱や紙などが保管してある。

 左側には、更衣室になっており、気になった衣服を試着することができる。


 家の中の部屋数は、全部で九部屋あり。

 リビング・洗面所・トイレ・母親の寝室。

 母親の作業部屋・僕の部屋・和室・謎の二部屋が存在する。


 リビングには、入って右側にシステムキッチンL型・冷蔵庫があり。

 キッチンの向かいには、四角形のテーブルと椅子が四つ並んでいる。

 左側に食器棚があり、中には様々な食器が閉まってある。


 左側には、四人掛け用のソファーが壁側にあり。

 その向かいにある壁に、六十インチ程度のテレビが掛けてある。


 ソファーの右横には、コードレスタイプの掃除機が立て掛けてあり。

 ある程度の高さをしている棚の上に固定電話が設置してある。


 テレビの前辺りには、ローテーブルがあり。

 全体が木製でできていて、天板だけガラス製になっている。

 そのテーブルの下に、白色の円形をしたカーペットが敷いてある。


 洗面所に入って正面に大理石の洗面台があり、横にドラム式の洗濯機がある。

 右側にある浴室用ドアを開けると、風呂場に繋がっている。


 風呂場に入って正面にはカウンターがあり。

 その上にシャンプー・ボディーソープ・コンディショナーなどが置いてある。

 左側はホーロー素材の浴槽があり、床は水捌けがいいクッション性になっている。


 トイレは、入って正面に便器・タンク・便座が一体型のトイレがあり。

 左側には、大理石を使用した手洗い場がある。


 母親の寝室は、入って正面にキングベットが一つあり。

 そのベットの右横にサイドテーブルがあり、その上に白色のランプがある。


 右側には、大きなクローゼットがあり。

 その中には、ハンガーパイプに様々な衣服が掛けられている。


 母親の作業部屋は、入って正面に大きな長方形の机があり。

 上には職業用ミシンがあって、右横には木製のマネキンが二体ある。


 左右には、壁が見えないほどの木製の棚があり。

 その棚の中には、彩り様々な布がずらりと並んでいる。


 僕の部屋は、入って右側にダブルベットが一つあり。

 そのベットの左横に、黒色のランプが乗ったサイドテーブルがある。


 左側には、壁半分程度のクローゼットがあり。

 その中にはハンガーパイプに様々な衣服が掛けられている。


 クローゼットの右側には木製の机と椅子があり、その机の上に卓上ミラーがある。

 机の右横には、木製のタンスが二つ存在し、タンスの中には衣服が入っている。


 和室は、出入り口が襖になっており、入って正面に木製のローテーブルがある。

 床は畳が敷き詰められており、敷き方は祝儀敷きになっているみたい。

 右奥には襖の押入れがあり、中には、座布団などが閉まってある。


 テーブルの左奥は床の間になっていて。

 床の間の壁には『開雲見日』と書かれた掛け軸が吊るされている。


 床板には、綺麗で美しい形の壺が三つあり。

 一番右には、白色と黒色を混合した壺に黄色の金盞花(キンセンカ)

 その左側には、黒色の壺に赤色の花車(ガーベラ)

 更にその左側には、白色の壺に白色の蕎麦(ソバ)が生けてある。

 

 そして、謎の二部屋は扉に鍵が掛けられており。

 普段は中に入ることができない謎に包まれた部屋だ。


 今僕が向かっているのは、そのうちの一部屋。

 この部屋には、一度だけ母親と一緒に入ったことがある。


 ということで、その部屋の前に到着。

 母親から貸してもらった鍵を扉の鍵穴に差し込んで右方向に回し。

 ガチャッという音が聞こえ、その鍵を元の位置まで戻し、スッと鍵を抜いた。


 これで解錠完了です。

 右手で扉を開き、鍵が掛かっていた部屋の中へ入った。

 

 入って左側には、壁半分程度のクローゼットがあり。

 そのクローゼットの右側には、木製の机と椅子がある。


 机の上には、卓上ミラーがあり。

 その机の右横には、木製のタンスが二つ並んでいる。


 気付いたかも知れないが、この部屋の広さ、クローゼットの色や大きさ。

 これら全て僕の部屋と同じ家具と配置になっている。


 ただ一つ異なってるのは、この部屋にはベットがないこと。

 その代わり、左側に大きな仏壇が一つある。


 全体に黒の漆塗りが施され、内部に金箔が貼ってある台付きタイプの仏壇だ。

 仏壇の前には経机があり、その上には左から花立・香炉・火立・おりんがある。


 花立には白色の小菊が供えてあり、火立には蝋燭が刺してあった。

 右側には、マッチのカス入れ・線香差。左側には、ライター・火消しがある。


 経机の前には、左右に並べられた二つの座布団が敷いてあり。

 僕は仏壇の前に移動し、右側の座布団に正座で座った。


 前にここに座った時もそうだったが。

 なぜか、失っていた何かが蘇るような気持ちになる。


 恐らく、それはこの仏壇による影響だろう。

 いや、仏壇の中に居る人物と言った方が正しいかもしれない。


 その人物とは……。


 ――僕、月影浸夜の父親だ。

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