瞳と魔法
私たちは12歳からの三年間、基本的な魔法の使い方を各自で学ぶ。
基礎を覚えてから、学院に入り、瞳の色ごとにクラス分けがされる。
この国の人々の虹彩は大まかに4種類に分けられる。
グリーン、ブルー、パープル、ゴールドの4種類である。
一般的に、グリーン系の瞳を持つものは回復系魔法に特化、ブルー系の瞳を持つものは防御魔法に特化、パープル系の瞳を持つものは攻撃魔法に特化、ゴールド系の瞳を持つものは創造魔法に特化している。
私の瞳はエメラルドのため回復魔法、王子の瞳はアメジストだから攻撃魔法などといった具合だ。
例外も存在し、オッドアイを持つものであれば2属性の魔法に特化していたり、この4種から上位変換された強力な固有魔法を使うことが出来るものがいたりする。
今上げた色以外の、瞳を持つものはこの世界では存在しない。という設定になっている。
このように、魔法に関した凝った設定があるにも関わらず、“マジフル”は特に戦闘系のイベントも起こらない、ただ攻略対象とイチャイチャスクールライフを送るだけのゲームなのである。
(この3年間で私が学ぶのは回復魔法、授業で戦う必要もないし、サクッと王子に近づいて攻略してやるわ……
まずは出会イベントを回収しなくちゃね)
そう意気込みながら入学式会場の大広間へと向かった。