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転生したら息子も召喚って!?  作者: 十月猫熊
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91マリア 魔石の使い道

「ああ、そうだ、さっきここに来る前に、ジョエルに、君たちの無事をグレイ君やアレックス殿下に伝えるように頼んできたから。魔法の地図だと、ハルト殿下の居場所が表示されていてね。彼らの居場所が良く分からないんだ。すれ違っていないといいけどなあ。でもこうしてメンバーが分かれる可能性があることを考えると、あの魔道具をもうひとセット作りたいけど…材料が入手困難でねぇ」


「『あの魔道具』って、あれかい、離れてても話ができるやつ?」


「そうそう」


「なんでこの子達に持たせてないのさ」


「公式な殿下一行ってことになっている方に持たせてるからだよー。マーヴィンもそっちに同行させてるし。その方が真実味が増すでしょ?」


「マーヴィンが一緒だったら、マリアもこんなに怖い目に合わなかっただろうにねぇ。まあ、色々大人の事情ってやつだね。ほんと、夕べ死ななくて良かったよ。アントニー、あんたこの坊や…じゃなくて、殿下に、ちゃんとお礼言いなよ、本当に命がけでマリアを守ってたからね」


「ああ、そうだったね。改めて、ハルト殿下、マリアを守ってくれてありがとうございました」


カノンさんとお父様はどうやら旧知の仲らしい。公爵であるお父様をあんた呼ばわりする人を初めて見た。


そして、急に頭を下げたお父様に、悠人もどうしていいか、おろおろしている。


「いや、その、最初に僕の命を助けてくれたのは…岩に押しつぶされるところだったのを助けてくれたのはマリア嬢ですよ。それにマリア嬢を守れず、こんなところでやられるようでは、最終的な目標を達するのは不可能だろうと思って…」


「いや、物事には、タイミングというものがあるからね。殿下のいまの能力で、マリアとたった二人で、本当によくやってくれたと思うよ。まだ実戦を始めて一カ月ちょっとしかたっていないんだよ?うちのマリアが優秀だから、というのも当然あるだろうけど…」


「お父様、いい加減にして」


親バカぶりを垂れ流すのもいい加減にしてほしい。

恥ずかしくて頭に来たので、お父様の前に置いてあった焼き菓子のお皿を取り上げて、悠人と私の間に置いた。


悠人は昼食から途切れなくお茶になったのに、相変わらず食べ続けている。どこに入るんだろう…。


「ああ、そういや昨日この子にやったんだけど、結構いい魔石が採れたんだよ。その魔石をロイじいさんに渡したら、何か作ってくれるんじゃないか?」


カノンさんに促され、悠人が服のポケットを探って、昨日貰ったポーチごとテーブルの上に出した。


お父様がそのポーチを開けて、中の魔石の大きさに驚いている。


「それよりもう少し小さいやつも、村の家に置いてありますよ。ゴブリンのボスから出たやつ」


「え?ゴブリン、もう倒したの?」


お父様が魔石をつまんで、日にかざしながら、驚いている。


「お父様、実はあの洞窟、グレイ様のお見立てでは、複数のゴブリンの巣の複合体のようで、ボスも何体かいるようなんです。実際、今のところ最下層に行く前に一体出会いました。弱かったので皆さん小ボスと呼んでいたわ。なので、あの洞窟の討伐はまだ終わっていないのです。突発的な事故でこんなことになっているだけで…。あの、ところでお父様、エミリーが無事かどうかは、まだわからないのですか?」


「ああ、そうだね、ジョエルが早く落ち合ってくれれば…。待つしかないね」


そうか…お父様にもまだ情報が伝わっていないのか…エミリー、他の皆も、無事でありますように…。


お父様は魔石をためつすがめつし終えると、「ロイに渡すと…でもなあ」などとブツブツ言っている。


「お父様、ロイ様とはどなたですの?」


「ん?ああ、魔法省の研究室に住みついてしまった人でね。まあ天才だけど変人、っていうありがちな人さ。クリス殿下が何故かロイとウマが合ってねぇ。二人でよく変なものを作っているよ。そうそう、その魅力とかを下げるブレスレットもその二人の合作さ」


「まあ!そうでしたの」


確かにその才能は凄いということだ。


「こんないい魔石久しぶりだからなあ…じいさんのおもちゃにするのは勿体ない気もするけど」


「ロイじいさんは、この村にも家があるんだけどね、クリス殿下と遊ぶようになってから、帰って来なくなっちまって。今はそこに若いもんが住んじまってる。一応この村の代表のような役割をしてくれていたんだけど、いないもんだから、今は私が代行してるのさ」


カノンさんが肩をすくめて、やれやれ、という顔をした。


勝手気ままな男性に振り回されて、帳尻を合わせているのね…偉いわ、カノンさん!と内心感心していたら、ガチャン!と食器のぶつかる音がして、びっくりしてみんなが見たら…悠人がテーブルにつっぷして、眠っていた。


「今のこの子に、これだけ休息が必要だったってことさ。相当無理をし続けていたんだね。さっき、この子のお茶を薬湯に変えといたんだ。これだけすぐに寝てしまうってことは、それだけ体に修復の必要な部分があるってことの裏返しでもある。さあ、この子をベッドに運ぶとするか。できれば寝ちまう前にこの子も風呂に入れてやりたかったねえ。泥だらけのまんまだったよ。ほら、アントニー」


えー、私が運ぶの?とぶうぶう言うお父様に、男はあんたしかいないだろ!と一喝して、カノンさんが悠人を背負わせている。


私は急いで向かう先のドアを開けて…。


お父様も少しは役に立つのね、と感心した。


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