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転生したら息子も召喚って!?  作者: 十月猫熊
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66マリア お父様と対峙

お母様にお話した次の日も、昨日も、そして今日も、事実上の謹慎?…軟禁?に近い状態が続いていた。


最近帰りが遅いお父様には、お母様からお話を聞いているのかどうかの確認もとれていない。

なにしろこの頃のお父様は、私が寝てから帰宅して、起きる前には出仕するので。


そして、エミリーはずっと謎に休暇だった。


こんなことは初めてだ。

旅の準備をすると言っていたのに…それに関連する休みなんだろうか。


お母様からは、今まで勉強したことの復習でもなさい、と言われるだけで、でも、外出の許可は出してくれない。


一大決心をして…いや、エミリーから言われて半強制的に?お母様へ話をしたのに、この宙ぶらりん感はなんだろう…。


まるで自分だけが蚊帳の外に置かれたような、あら蚊帳の外なんて言葉こっちの世界では通用しないわね、…じゃあ、仲間外れにされた?でも誰が仲間で、私は誰から外されたっていうの…?じゃあ、えーと……違う違う、私が考えていたのはこのうっすら感じる疎外感のことで!


あーもう!


いっそ想像通り、また叱ってくれて、謹慎でも言い渡してくれた方がすっきりしたんだろう。

お母様の反応が私の想定外だからこんなにもやもやするに違いない。


ベッドでごろごろしていたら、採寸をするので、と呼ばれて、いつの間にか来ていた業者の人に、体のあちこちをはかられた。


ドレスはこないだ作ったけど、また新しいのを作るのかしら…まだ成長が止まったわけではないから…。


急に来た業者にもびっくりしたけど、この二、三日の昼食もお茶菓子も、晩餐のメニューも、私の好きなものだらけだった。


…これは、おうちにいれば、こうしていい服も着られるし、美味しいものも食べられるのよ、という両親からの懐柔に違いない、と半ば確信をした。


読書や勉強を止められているわけではないので、時間を持て余すことはないけど、もやもやした気持ちがどんどんふくらんでいく。


その日はふて寝で、早く寝てしまったので、夜遅くに何台もの馬車が我が家に到着していたことなど気付かなかった。


「お嬢様、おはようございます。朝でございますよ」


慣れ親しんだ声に目を開けると、今朝はちゃんとエミリーが起こしに来た。


「ん…おはよう…」


まだ眠い…。

朝の身支度を手伝ってもらっていると、まだ窓の外の日が随分と斜めで、かなりの早朝であることがわかった。眠いわけだ。


「随分早い時間なのね?」


「若旦那様がお呼びでございますので…」


すぐにお父様の部屋へ向かった。


お父様は今、本当にお忙しいので、出仕前の今しか時間がとれないのだろう。


何を言われても、決意は変わらないことをしっかり伝えよう。

負けるな、私。


そう決意を固めてから、ドアをノックした。


部屋には、お父様とお母様、そしてどこかで見たことはあるけど、誰でしたっけ?な栗色の髪のガタイのいい男の人がいた。


私とエミリーが入っていくと、ドアを開けてくれた執事は私に目礼だけして、入れ替わるように出て行ってドアを閉めてしまった。


何だろう…見たことはあるけど知らない人がいる…この人に連れられて行って、気が変わるまで離島に監禁されるとか。

あとは、この人と結婚しなさい、とか。

…あとは……。


色んな妄想が一気に膨らんだけど、とりあえず、いる人達に朝の挨拶をした。


「マリア。サラから話は聞いてはいるけど、もう一度君の口からきかせてくれるかな?」


お父様が早速切り出した。


私は頷いて、覚悟を決め、お母様にした話をもう一度した。

二度目なので少しは簡潔に言えた。


「それで?言ってはみたけど、やっぱりやめようかな、とか思っていないの?」


執務机に両肘をついて、指を組み、その組んだ指の上に顎を乗せて小首をかしげるお父様は、私みたいな16歳の成人した子どもがいるとは思えない。

我が父ながら、相変わらずちょっと可愛い系だな、なんて現実逃避をしそうになる。


だって、本当のことを言えば、勇者一行に加わるのは、魔物と戦うのは怖い。

やっぱりやーめた、って言いたい気持ちも全くないわけではない。


怖いけど…悠人の助けになる可能性があるなら…行きたい。

行かないと絶対に後悔する。


まだ旅立ってすぐの今なら、仲間になっても一緒に成長して強くなっていけるけど、躊躇していたら、きっと仲間になんてますますなれなくなる…。


「…本当のことを言うと、ちょっぴり怖くて、やめた方がいいのかなって思う瞬間がないわけではありません。でもそれは、未知のことに踏み出す時には必ず感じるものだと思っています。私はここで断念したら一生悔み続けることになると確信しています。後悔することが分かっている方を選ぶつもりはありません。勇者を助け、この世界に一日も早い穏やかな日々を取り戻すために戦う、その一員になりたいのです」


「ふーん…そうか…」


お父様にじっと見つめられ、その綺麗な青い瞳を私もぐっと見返す。


「ほんとにサラに似てきたなあ。一目ぼれをした時のサラの目とそっくりだよ。こんなに可愛い僕のマリアを行かせるのは辛いなあ…」


立ち上がって私のところまできたお父様が、私をぎゅっと抱きしめて、おでこにキスをした。


…今、行かせるって言っていたような??聞き間違い?


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