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転生したら息子も召喚って!?  作者: 十月猫熊
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60ハルト 洞窟の魔物


思わぬ早起きに、今日は一日が長く使えてよかったな!というグレイに連れられて、僕らは装備を整え、村の外に出た。


今日は初日なので、昼食時も村に戻る予定だ。


この村は街道沿いでもあるし、出る魔物も弱いので、村を塀で囲う、といったことはされていない。

せいぜい柵が設けられているくらいだ。


柵に沿って歩いてみると、今朝の魔物が押し入ったのはここだな、と分かる箇所があった。


「これ、直すように言っても…意味あるだろうか。魔物のひと押しで壊れるような柵だしな」


「一応、村はここまで、の意味もあるだろうから、あとで伝えとく?」


そんなことをアレックスと僕とで話していたら「おい、お前たち、今日は何度死にたいのかな」の声とともに、剣が空を切る音がした。


慌てて森の方を振り返ると、魔物がいた。


ゴブリンだ!

 

出たな、と思う。

そう、あの洞窟は、ゴブリンの住処なのだ。


ゴブリンは繁殖する。

だから、ブラックドラゴンが湧いていないときにも、常にこの洞窟には魔物がいるのは、そういう訳だ。

 


確かゲームでは、ゴブリンの住処の洞窟には、ゴブリンたちがメインで使っていた出入り口があったのに、そこが崩れて使えなくなり、村側のここがこじ開けられて…という話だったように思う。



今、目の前にはゴブリンは一匹しかいない。

でもゴブリンは四、五匹程度で行動することが多い。

ということは、近くに残りがいる可能性が高い。


ゴブリンは簡単な防具も身に着け、武器も持っている。

さらに、稀に魔法を使えるものもいる。


人ほどではないにしても、集団生活を送れるほどの知性を持つので、魔物と括ってもいいものか、と思いきや、奴らは人間を見つけ次第殺す、という特徴を持つ。


生きているものを見つけ次第、その命を奪わずにはいられない…魔物としての本質を、他の魔物と変わらずに持っているのだ。


「こいつらは、俺たちを食うために殺そうとしてくるからな。心してかかれよ」


びっくりした。


グレイの言葉は、ゲームでは知りえない情報だった。


そうか…狩人が森の動物達を食べるために狩るのと同様だったか…繁殖するんだもんな…。

まあ、狩人は動物を見つけ次第殺したりはしないけど。


「それと、共食いもするから、倒したあと、土に埋めること。少しでも兵糧攻めになるだろ」


共食い…?

更なる新たな情報にぞっとした。



ゴブリンは一匹だったのでグレイは手を出さず、僕ら二人がかりで五回も切りつけてようやく倒せた。



倒したあと土を掘ろうとして…あまりに村に近くて、気が引けたので、火魔法で燃やしてみた。

覚えたての上位魔法、燃えるよりも一瞬で灰になった。


「あーこれ、いいね」


ただし、消費する魔力が大きい。戦闘後の処理にそんなに魔力を消費したくない。

村では魔力回復薬なんて買えないし…。


なんて思っていたら、またゴブリンが現れた。

今度は三匹だ。今倒したやつの連れだった奴らが、僕らがいるのを嗅ぎ付けたんだろう。


村が近くてすぐに宿に戻れることもあって、ゴブリンとの戦闘が今の実力ではどの程度かを見極めるためにも、強い魔法も出し惜しみせずに使ってみることになった。


早速今使ったばかりの上位の火魔法を放つ。

一匹がまともにくらってくれて、動かなくなった。


残り二匹へ、炎を纏わせたアレックスの大剣が襲い掛かる。

でも二匹はダメージを負いつつもこちらに攻撃を仕掛けてくる。

グレイがその攻撃をかわしてとどめを刺し、僕がもう一匹の攻撃をいなしたところをアレックスがとどめを刺した。

 

なんとか無傷で済んだ。


でもこれは三人対三匹だったからだった。


その後、四から五匹の群れと何度か戦闘を繰り返すうちに、こちらがほぼ無傷で戦闘を終えるためには、グレイだけが今のところ使える強力な範囲攻撃魔法で一撃か、僕が今使える一番強い範囲攻撃魔法…但し今の魔力量では三回しか使えない…を使って、そのあと生き残ったのを剣で止めをさすか、アレックスがスキルで魔力を込めて大剣を一閃し…これも魔力が満タンだとして四回しか使えない…残ったのを僕らで止めを刺すか、という、非常に効率の悪いものだった。


これではすぐに魔力切れをおこす。

特に僕とアレックスが。


長時間戦っていられない。


かといって、剣での攻撃のみだと、こちらもダメージをくらうので、回復魔法が必須となる。


「うん、まあ今の実力には、ちょっと手強いってことなんだよ」

 

グレイにあっさり言われた。


そして、今日一日かけて分かったことは、この柵が壊れていたところが、直線距離で洞窟の入り口から村まで一番近い、ということだった。


戦闘無しでまっすぐ歩いたら、一時間ちょっとくらいだろうか。


なので、この直線上とその付近にはゴブリンと紫のイモみたいなのが多く、そこから外れると森で湧く弱い魔物が多かった。


今日は洞窟の入り口付近まで森を探索したので、持ってきた魔力回復薬をかなり使ってしまった。


夜、宿で夕食をとりながら、グレイに明日は今日みたいな無茶はしないで、森の魔物を減らすことに専念しよう、と言われて、僕は少々ほっとした。


それと魔物の換金部位の持ち帰りも、今日もしなかったけど、今後もしないよ、といわれて、アレックスと喜び合った。


ゴブリンの換金部位は左耳で、下手に人型に近いだけに切り取るのは気分が悪い。

今朝の土塊の魔物(紫のイモみたいなやつ)の換金部位は、体の中にもっているコアで、それを倒した後のぐずぐずのなかから探し出さなくてはならない。しかもここに出るのはこの魔物の上位種なので、毒を持っていて、素手で触ると毒にやられてしまう。


今日さかんに倒した魔物はその二種で、他には他の森にもいた弱いものだ。

洞窟から出てくるのがこの二種で間違いない。



宿の部屋でベッドに横になり、明日もケガをしないように頑張ろう…また村にまで魔物が入り込まないといいな…そう思いながらすぐに眠ってしまった。



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