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◈華鳥風月◈【アイドル詐欺師、往来の隨の百騎夜鳥】  作者: 結城斎太郎
第1章◀❮⦅ STAY M²AGICALLY GIRLS ⦆❯▶
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983件目【ユリ「何してんの?」クイナ「また、変なの絡まれてんの?」】

「落ち着けって言われても……!ちょっと流石にムカつ_____」


「左、斜め」


「えっ?」



ボソッと方向を伝えると、藤華は私が指示した方向を目線を移す。


2人のことが視界に入ったようで、「あっ………」という声を漏らしていた。



放心状態のオッサンの背後では、由利ちゃんと姉ちゃんが店員さんと少し話した後に、私達の方へと歩いてきた。


2人とも、見たことない私服を来ていたから。そんな服持ってたの?っていう格好をしているから。そもそも、由利ちゃんはさっきまで会社に居てスーツ姿だったから。


まだ勤務時間中だったから、こんなところで私服で居るわけがないというのがあって、2人のことには一切気付かなかった。由利ちゃんだけじゃなくて、姉ちゃんもガッツリ勤務時間中のはずなんだけどな。


いや、姉ちゃんは普通に抜け出してくるから良いとして………でも、抜け出してくる時には私に行き先を言わなくても、「今は家に居ない」というのをLINEで伝えてきてくれたり、私が家に居る時は必ず一声を掛けてくれたりする。


何か、よっぽどの理由があったのだろうか?


いや……それは考えすぎか。


でも、本当に見たことない格好をしているんだよ。


由利ちゃんは全身真っ黒で、上には黒いパーカーを着ていて、中にはサイズが大きめのブラウスを着ている。下にはサルエルパンツを履いていて、腰の右の辺りからチェーンが垂れ下がっている。


両耳にはピアス………いや、由利ちゃんは耳に穴を空けていないからイヤリングっていうところだろうか。イヤリングにしても、かなりギラギラしている装飾の物を付けている。


銀色の十字架のイヤリングって………一瞬、別人かと思ったけど、栗色のショートボブの、つり目の二重で三白眼という特徴的な目、そして中性的な端正な顔立ちで本人であるのは確定している。


姉ちゃんもセミロングで、普段はヘアピンで前髪を少し止めているくらいなのに、今日はガッツリ左半分に編み込みをいれて、ワックスでバキバキ固めていた。


簡単に言うと、黒髪の手越みたいな感じになっている。服装は由利ちゃんと同じ格好をしている。全く同じっていうわけではなく、細かいところは少し違っていた。でも、これはこれで双子コーデってヤツなのだろうか?


双子コーデって、そんなにギラギラしたギャル男みたいな格好しなくね?って思ったけども。



「藤華、藍華。何してんの?」


「いや、それはこっちの台詞でもあるよ。2人とも、勤務時間中じゃ………姉ちゃんも何も連絡無かったし、由利ちゃんに関しては普通に、私達が上に行くまで普通に事務所でスーツ着ていたじゃん。いや、服装じゃなくて………仕事は?」


「これから」


「ドラマの撮影があるから。その時の撮影の格好で向かってる。たまたま昔着ていた私服があったから。藍華の兄さんから貰ったもんだけど。昔にね」


「えっ?あっ、どおりで何か見たことある服着てると思った、2人とも。にぃーって似たような服を買ったりするから………それ、にぃーが20前半とかに着ていたヤツじゃないの?小学校の時ににぃーが着ていたの覚えているよ。着方も同じじゃん。なんで貰ってるの?」


「いや、普通に」


「普通に、とは?」

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