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◈華鳥風月◈【アイドル詐欺師、往来の隨の百騎夜鳥】  作者: 結城斎太郎
第1章◀❮⦅ STAY M²AGICALLY GIRLS ⦆❯▶
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982件目【トウカ「ちょっと遊んであげましょう」アイカ「悪いヤツめ」】

「つ、通報ですか!?」


「いや、当たり前ですよ。断っているのに、しつこく勧誘行為をしているんですから。そうでもなくても、迷惑行為にあたるので。男から女へのそういう行為は普通に取り締まられますよ。捕まりはしなくても厳重注意っていうところになるんでしょうけど」



「無駄に頭の回るメスガキが……」って思っていますな。


こんなことを考えているなんて、黒喰使わなくても普通に読み取れますわ。明らかに眉間に皺が寄ってるんですもん。


しかも、藤華に関してはちゃっかり録音までもしているみたいで。


ちゃんと通報する気満々なのがウケるわ。



「通報だけは勘弁してくれませんかね?自分は素晴らしいものを布教しようとしているだけでして……」


「こっちが迷惑って思っている時点で察してくださいよ。そういうのが分からないわけじゃないですよね?私達よりも倍近くの人生を生きてきて何を学んできたんですか?」


「こっちが下手に出てれば、なんでそこまで言われなきゃならないんですかね?」


「あの、録音してるんで。恫喝やら恐喝するなら本当に通報した瞬間に貴方、捕まりますけど?」


「あの、コイツ。本当に録音してるんで。今すぐにじゃなくても被害届出されたらどうなるのか?っていうのは分かるんじゃないんですか?」


「な、えっ?」


「えっ、じゃねぇんだよ」


「…………………ッ!?」



藤華。本気でキレました。


藤華のオーラに気圧されて顔を真っ青にするオッサン、椅子から無様に転げ落ちる。


もっとやっちまえ!って思う私は性格悪いなーって。


普通に元ヤンでキレ散れかしていた時の未來よりも普通に怖いわ。未來は人として踏み留まるラインっていうのがあるんだけど、藤華には踏み留まるラインが無いから。


行くところまで行っちゃうから。


こういうところも私に似ている。ここだけは私の影響じゃなくて、元からある藤華の性格なんだろうなって思う。



「さっきから嘘ついてるのを分かってるですよね?本当は会社なんて起業していませんよね?本当はアパレル店員っていうことも知ってるんですよ」



おぉ、ここで攻めてくるか。


しかも、私が読み取ったことをぶつけちゃってるし。これ、言うつもりじゃなかったんだけど。


いきなり事実を突き付けられたもんだから。心の中で「なんで知ってるんだ!?」っていう驚嘆の言葉を口に出してしまっていった。


それも、なかなかの声量で言ったもんだから。周りの人達に一斉にこっちを向いた。それに合わせて私は下を俯いて、出来るだけ顔を見られないようにする。こんなところでバレたりでも最悪だから。


こういう奴って言動の一つ一つにストレス与えるんだよな。周りのことを何一つとして考えてねぇってことですわ。



藤華も藤華で、大声を出したオッサンに更にイラついたようで。机に然り気無く並べられていた資料を床に叩き付けた。


ちょいちょい、藤華も落ち着いてくれ。


それでオッサンは更にビビりまくる。また、周りの人達に見られる。


その時に気付いたんだけど………由利ちゃんと姉ちゃんの2人が少し離れた席に向かい合って座っていた。まさかの、ガッツリ知り合いが居合わせていました。



「おい……ちょっと静かにしてろよ」


「と、藤華。落ち着こう」

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