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◈華鳥風月◈【アイドル詐欺師、往来の隨の百騎夜鳥】  作者: 結城斎太郎
第1章◀❮⦅ STAY M²AGICALLY GIRLS ⦆❯▶
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978件目【トウカ「えっ?」アイカ「ぬぇっ?」】

「有り難いことじゃん。忙しすぎるっていうのを除けば良いことしか無いわけで。給料もガッポガッポよ」


「ちょっと、周りから言われても、イマイチピンと来ないっていうか……現実味が無すぎて、夢でも見てるんじゃないのかなって」


「私がビンタしてい痛かったら現実だよ」


「ビンタしたら本気で殺しに掛かるから」


「じょ、じょーだんですってぇ~」


「でも、芸能界において忙しいっていうので悩めるのは贅沢な悩みなのかもしれないね。特別搾取されているわけでもないんだから。それなりに忙しくて、相応の給料も貰っている………それでとやかく言うのは良くないよね」


「そうそう。有り難く恩恵に身を預けておくっていうのも世渡りよ」


「あの~、すみませ~ん」


「「はい?」」



誰だ。私と藤華の一時に水を差してくるヤツは。


ちょっと睨み付けたような表情を2人で浮かべちゃったから、私達に声を掛けてきた男はちょっとビビってしまった。


高校生に睨まれたくらいで、大人の男がビビってんじゃねぇよ。高校生に見えないように振る舞ってるとは言え。



男の見た目は、髪が明るくてホストのような髪型をしているが………顔を見た感じだと40手前といったところだろうが。


アロハシャツに短パンと言った、いかにも女遊びをしていそうなオッサンに声を掛けられた。これ、不審者として通報したらオッサンはお縄になるのかなっていう考えが過りもした。


ただのナンパっていうわけではなさそうな感じではあるが。

ブランド物の手提げバッグの中にノートパソコンを入れており、他にも何かの資料が入ったクリアファイルも確認できた。


何かの勧誘っていうところで間違いないだろうな。ネットワークビジネスか………詐欺紛いの投資の話か、こういう見た目でも新興宗教の話を持ち掛けてくるヤツは居るから……そのどれかであることは間違いなさそうだな。


どうやら、私達がSTAY.㎡のメンバー………私においては灯籠のセンターの鵺島藍華っていうことには気付いていないようだ。


こういう奴等って他人の顔を覚えるっていう能力が著しく低いからな。金の事とか、自分にとって利益になることで頭の中が埋め尽くされているからね。


そんな程度の低いもので頭を埋め尽くされているような人間に何が出来るって話だが。


適当に断ろうかと思ったが、あまり刺激するのも厄介だ。ふとした拍子に正体がバレてもやりづらい。穏便にこの場を済ませるのなら、少しは話を聞いてやっても良いだろう。


その話を聞くお代として追加のミルクティーやケーキ………アイスコーヒーの金を引っ張り出せればいいかなってところかな。


それなりに金は持っているんだろうし、持っていなくても女の前だからって見栄を張るだろうなっていうのは伺える。



ちょっと黒喰を使って心を覗かせてもらった。


内容は新興宗教の勧誘………そして、私達のカフェ代とかは面倒見てくれるようだ。金の方は無いみたいだけど、あるように見せ掛ける魂胆っていうのは分かった。


これ以上深掘りしても、ろくなことを知れないと思ったから、後は言われたことに対しての嘘を見分ける程度に使っておくか。

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